インフルエンザ脳症など重症インフルエンザの発症機序の解明とそれに基づく治療法、予防法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201028028A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ脳症など重症インフルエンザの発症機序の解明とそれに基づく治療法、予防法の確立に関する研究
課題番号
H21-新興・一般-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森島 恒雄(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所)
  • 莚田 泰誠(理化学研究所)
  • 河岡 義裕(東京大学 医科学研究所)
  • 山口 清次(島根大学 医学部)
  • 水口 雅(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 市山 高志(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 長谷川 秀樹(国立感染症研究所)
  • 奥村 彰久(順天堂大学 医学部)
  • 伊藤 嘉規(名古屋大学 医学部附属病院)
  • 河島 尚志(東京医科大学)
  • 新矢 恭子(神戸大学 大学院医学研究科)
  • 塚原 宏一(岡山大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
48,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)本症とくに「新型インフルエンザ」脳症の臨床像、病態を明らかにすることから新たな治療法の確立を目指す。
(2)発症因子としての宿主側因子と解明により発症前診断およびインフルエンザ感染後の早期脳症治療につながり、本症の予後の改善を目指す。
(3)従来の病態解明からインフルエンザ脳症は、H5N1高病原性鳥インフルエンザヒト重症例の病態と極似しており、本症の治療法の検討が、治療法が確立していないH5N1に対する重要な情報を提示する。
研究方法
1.発症素因の解明のため、DNAマイクロアレイやSNPsの解析を進め、発症要因に関連する宿主側因子を検討した。2.病態解析を進め、それに基づき有効な治療法を確立した。3.動物実験を含めて、H1N1「新型インフルエンザ」脳症、及び重症肺炎の病態の差を明らかにし、それに基づく治療法の確立も目指した。4.「新型インフルエンザ」脳症の死亡例の病理像を明らかにした。
結果と考察
(1)新型インフルエンザ」脳症の臨床像を明らかにした。本研究班による「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版」が普及し、本症の予後は有意に改善した。
(2)DNAマイクロアレイによる「新型インフルエンザ」脳症・肺炎の急性期に発現するmRNAを明らかにし、H5N1型高病原性鳥インフルエンザヒト重症例に極似することを示した。
(3)SNPs解析による宿主側因子の解明を継続中。
(4)インフルエンザ脳症として発症する先天代謝異常症とそのメカニズムについて明らかにした。
(5)ヒト「新型インフルエンザ」脳症死亡例の病理所見を明らかにした。
(6)「新型インフルエンザ」小児死亡例41例の詳細な調査を実施し詳細を明らかにした。
(7)インフルエンザ脳症および「新型インフルエンザ」肺炎における酸化ストレスの役割を明らかにし、これを制御する治療法の検討を実施した。
結論
「新型インフルエンザ」脳症の臨床像を明らかにし、ガイドラインを改訂することにより良好な予後につなげることができた。また、本症の病態解明が進み、H5N1高病原性鳥インフルエンザヒト重症例の病態に極似していることが明らかになり、治療法が確立していないH5N1における重要な知見と思われた。本症の宿主側発症因子の解明についてはいくつかの重要なSNPsが検出された。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028028Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
62,920,000円
(2)補助金確定額
62,920,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
利息120円
自己負担金 16845円

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
-