上肢切断者のQOL尺度開発と電動義手のリハビリテーション手法の開発、および電動義手の適切な支給の促進に関する研究

文献情報

文献番号
201027010A
報告書区分
総括
研究課題名
上肢切断者のQOL尺度開発と電動義手のリハビリテーション手法の開発、および電動義手の適切な支給の促進に関する研究
課題番号
H21-障害・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 義肢装具技術研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
上肢切断者の生活実態調査を行い、生活の中での義手の使われ方を明らかにする。その調査を通じて上肢切断者のQOL尺度を開発する。開発した尺度は英訳し国際版を作製する。機能とコスメーシスの両者を満たすものとして始まった電動義手の研究的支給も利用し、電動義手の効率のよい医学的リハビリテーションの手法を開発する。生活実態調査、QOL調査から電動義手の適切な適応について明らかにする。
研究方法
1)実態調査研究(1年目)
センター補装具制作部に登録された上肢切断者、および、その他の施設で義手を作っている上肢切断者100人程度を対象とし、アンケート調査を行う。
2)電動義手の効率のよい医学的リハビリテーションの手法の開発(1~2年目)
センターに入院する上肢切断者やその他の上肢切断者をボランティアとして募り、電動義手使用に必要な筋肉の分離収縮に早期に習熟できるような機器を使用し、分離運動学習の神経機構などを明らかにする。
3)まとめと開発(2~3年目)
実態調査の基づいた上肢切断者のQOL尺度の開発とその妥当性、信頼性を明らかにする。英語版を作製し国際尺度として国際的に提案する。開発したリハビリテーション手法の有効性について検証する。生活実態調査、QOL調査から電動義手の適切な適応について明らかにする。
(倫理面への配慮)
本研究は国立障害者リハビリテーションセンター倫理審査委員会の承認を得た上で実施している。(資料2)
結果と考察
質問票の有効回答数は139名で回収率は49.8%であった。回答者の属性としては、男女比は男性115名83%、女性24名17%で、平均年齢は54.8±16.2歳、平均切断後経過年数は23.7±18.4年であった。
義手を使用している者は102名73%(片側76名、両側26名)で、使用していない者は37名27%(片側33名、両側4名)であった。義手を使わない理由は、「要らないから」17名、「重いから」13名、「煩わしいから」11名、「使い勝手が悪いから」9名、「不快だから」6名、「音がするから」1名、「その他」8名であった(複数回答)。

結論
 上肢切断者の実態調査を行った。その結果、義手の使用率は高かったが、対象抽出のバイアスがかかっていると考えられた。義手を使わない理由としては、不十分なリハビリテーションとともに義手の持つ問題点、改良を要する点が反映していると考えられ、今後の課題として残った。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027010Z