運動器疾患の発症及び重症化を予防するための適切なプロトコール開発に関する調査研究

文献情報

文献番号
201025014A
報告書区分
総括
研究課題名
運動器疾患の発症及び重症化を予防するための適切なプロトコール開発に関する調査研究
課題番号
H21-長寿・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 中村耕三(東京大学整形外科)
  • 藤野圭司(藤野整形外科)
  • 赤居正美(国立障害者リハビリテーションセンター病院)
  • 星野雄一(自治医科大学整形外科)
  • 飛松好子(国立障害者リハビリテーションセンター病院)
  • 萩野 浩(鳥取大学医学部保健学科)
  • 林 邦彦(群馬大学医学部保健学科医療基礎学)
  • 芳賀信彦(東京大学大学院リハビリテーション医学)
  • 森 諭史(聖隷浜松病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
運動器疾患患者における運動・生活障害の発生予防・重度化防止のための運動器リハビリテーションプロトコールを開発すること。
研究方法
1.運動器疾患障害化モデルの作成:高齢者の運動器疾患から要介護に至る過程のモデル化
2.文献検索:骨粗鬆症、変形性関節症、腰痛症の治療、リハビリテーション、生活指導に関する文献のsystematic review
3.加齢による姿勢変化、運動能力低下の発現機序に関する研究:高齢者の姿勢変化が運動機能におよぼす影響に関する生体力学的研究
結果と考察
1.全国の整形外科医療機関に協力を依頼し、314名の高齢者を対象に体格、運動器疾患、併存症、既往疾患、転倒骨折歴、運動器症状、運動機能テスト(握力、片脚起立時間、100歩足踏み時間、関節可動域、徒手筋力テスト、下肢脚力測定、長座体前屈試験)、骨密度、血中ヒアルロン酸、ビタミンD濃度、脊柱・膝関節X-P、日常生活活動度(足腰25スコア)のデータを収集した。
結果:対象集団では、変形性膝関節症、骨粗鬆症、骨折転倒が日常生活活動に関連しており、足腰25スコアは要介護度と相関し、健常高齢者、特定高齢者、要支援1,2に該当する高齢者の日常生活活動の評価尺度として妥当である。運動機能テストと最も強い関連する動作は、開眼片脚起立時間と「スポーツや踊りの困難度」、百歩足踏み時間と「屋内歩行の困難度」、下肢脚伸展力と「休まずに歩ける距離」であった。
2.25のresearch questionを作成し、1989年から2008年の文献データベースから文献収集をおこなった。2804件の論文が検索され、576件が一次選択された。批判的吟味により299件を2次選択し、abstract formを作成した。
3.健常高齢者40名を対象に、姿勢と運動機能(立位、歩行時の重心動揺、運動効率)に関する生体力学的測定をおこなった。腰椎の可動性の減少が歩行時の重心動揺に関係していた。
結論
これまでに、3回の経時的検査データが蓄積されている。これらを分析し、足腰25のMCID(minimal clinically important difference:)を求め、機能の変化をとらえる尺度として整備をはかる。足腰25に強く関連する変数を抽出し、要介護化過程をモデル化する。そのモデルを用い、Bayesian netを用い、機能が変化した際の足腰25の変化を確率的に予測するシステムを開発し、メタアナリシス結果と合わせ、要介護化予防プロトコールを作成する。

公開日・更新日

公開日
2011-10-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201025014Z