国際的な基準に基づくHACCPシステムの導入に資する研究

文献情報

文献番号
202523010A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な基準に基づくHACCPシステムの導入に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24KA1003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
五十君 静信(東京農業大学 総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 窪田 邦宏(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部第二室)
  • 山崎 栄樹(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 小関 成樹(北海道大学大学院 農学研究院)
  • 溝口 嘉範(武庫川女子大学 食物栄養科学部 食創造科学科)
  • 下島 優香子(東洋大学 食環境科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
9,060,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品取扱従事者数が50名以上の大規模な食品製造・加工業者等に義務付けられている、国際的な基準(コーデックス規格)に適合したHACCPに基づく衛生管理について、食品等事業者自身が的確な危害要因分析、分析結果に基づく管理措置の決定、およびHACCP導入後の検証を適切に行い、国際的な基準に適合したHACCPシステムを無理なく構築できるようにするためのツールや教育資材等を開発し、科学的知見を提供することにより、国内食品等事業者の衛生管理レベルの向上を図ることを目的とした。
研究方法
欧米におけるHACCPプラン作成支援に関する情報収集を行い、危害要因データベースや教育プログラムに活用できる内容を整理した。国内の保健所や民間事業者等に対してアンケート調査を実施した。また、HACCPに関する文献を収集し、危害要因データベースや教育プログラムに活用できる内容の整理を進めた。HACCPプラン作成に利用可能なWebツールについて検索を行った。さらに、最新の人工知能(AI)を活用し、HACCPプラン策定への活用方法について検討した。食物アレルゲン管理モデルを検討した。
HACCPプラン作成に求められている科学的知見の提供では、カット野菜における衛生指標に関する検討、国内で流通する市販ナッツ類の微生物学的評価、香辛料のセレウス菌汚染実態および毒素産生性について検討した。
結果と考察
USDA FSISのHACCP関連Webサイトには、HACCPの更新支援に関連した情報が集約されており、情報を効率的に収集可能な構成となっていた。ただし、情報量が多く、リンク切れがあることやページ構成が複雑であることから、求める情報に辿り着くまでに時間を要する場合があった。HACCPプランの更新時における再検証に活用可能な各種情報が用意されており、基本的には初期導入時と同じ情報を利用可能であると考えられた。HACCPプランの初期導入時と再検証時における考え方は同一であり、HACCPの基本に沿った対応が求められていた。USDA FSISのQ&Aポータルサイトおよびヘルプデスクの利用も有効であると考えられた。日本においても同様のサポートを検討することで、事業者支援につながることが期待される。
国内の保健所や民間事業者等に対して、HACCP関連で課題となっている事項に関するアンケート調査を実施し、危害要因分析や教育に関する課題および問題点を抽出した。事業者等が抱えている課題については、実態の把握を試みた。国内のHACCPに関する書籍および文献を収集し、危害要因データベースや教育プログラムに活用できる内容の整理を進めた。
国際的に展開している既存のデータベースや予測ツールの現状について最近の開発動向を調査した。その結果、欧州と中国で研究開発が活発に行われ、実践的なツールの公開が進展していることから、我が国での活用可能性が見出された。最新の大規模言語モデルを搭載した生成AIの活用は、HACCPプラン策定において、従来の作業者によるプラン策定と比較して飛躍的に速く、かつ網羅性に富むHACCPプランを作成できる可能性が示された。世界中の最新文献情報を包括的に組み込むことができることから、製造技術の高度化や規制の変更などにも柔軟に対応できるものと考えられる。アレルゲン管理モデルの検討を行った。
HACCPに関する科学的根拠の提供では、一般生菌数が平均10^6個/g程度検出される市販カット野菜の細菌叢を明らかにし、衛生指標に関する検討を行った。ナッツ類は低水分食品に分類され、細菌の増殖は抑制されるものの、サルモネラ属菌等の食中毒菌が長期間生存し、かつ熱耐性を獲得するリスクが指摘されている。そこで、加熱加工、二次加工(粉砕)、および脱酸素剤封入パッケージが微生物指標と水分活性に与える影響について知見を得た。わが国の食肉製品の製造基準では、香辛料に好気性芽胞数の基準が設定されているが、海外とは評価方法が異なっており、香辛料の汚染を過小評価している可能性があることから、実態調査を進めた。芽胞形成菌について、加熱殺菌前後の菌数変化を添加回収試験により検討し、当該推定手法の妥当性について検証を進めた。
結論
国内および海外のHACCPプラン作成支援に関する情報収集を行い、危害要因データベースや教育プログラムに活用できる内容を整理した。HACCPプラン作成に利用可能なWebツールについて調査を行った結果、最新の生成AIの活用はHACCPプラン策定において有用であり、製造技術の高度化や規制の変更などにも柔軟に対応できるものと考えられた。HACCPに求められる科学的根拠の提供では、情報ニーズが高いと考えられる3項目について実証実験を行い、科学的知見を提供した。

公開日・更新日

公開日
2026-08-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-08-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
202523010Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,700,000円
(2)補助金確定額
10,700,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,327,423円
人件費・謝金 792,280円
旅費 2,102,462円
その他 1,837,835円
間接経費 1,640,000円
合計 10,700,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2026-08-06
更新日
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