陸上貨物運送業を対象としたMinds参照型腰痛予防対策ガイドラインの策定と予防対策の普及実装の推進

文献情報

文献番号
202522011A
報告書区分
総括
研究課題名
陸上貨物運送業を対象としたMinds参照型腰痛予防対策ガイドラインの策定と予防対策の普及実装の推進
研究課題名(英字)
-
課題番号
24JA1005
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
榎原 毅(産業医科大学 産業生態科学研究所・人間工学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 谷 直道(産業医科大学 産業生態科学研究所 人間工学研究室)
  • 石井 賢治(公益財団法人大原記念労働科学研究所 研究部)
  • 菅間 敦(成蹊大学 理工学部)
  • 杜 唐慧子(トウ トウケイコ)(独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 人間工学研究グループ)
  • 平内 和樹(独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 新技術安全研究グループ)
  • 岩切 一幸(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 人間工学研究グループ)
  • 瀬尾 明彦(東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科 長谷研究室)
  • 田中 孝之(北海道大学 大学院情報科学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
9,064,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
腰痛災害は全業種共通の健康課題であるが、とりわけ陸上貨物運送業に多く発生している。腰痛のリスク要因はマルチファクターであることから、従来の単一対策型アプローチではなく、いくつかの対策を組織的に実践する複合型アプローチが求められる。本研究では、陸上貨物運送業に関する腰痛対策エビデンスを整理と複合型アプローチによる新たな腰痛予防対策を確立し、もってMinds参照型のヘルスケアガイドライン策定ならびに社会実装をすること目的とした研究事業である。
研究方法
令和6年度より継続してステークホルダーらによる産官学連携コンソーシアム会合により、情報を共有する場を設けるとともに、情報発信のための専用ウェブサイトを整備することとした。また、本事業におけるヘルスケアクエスチョン(HQ)に対するコンソーシアム会合での評価によって相対的重要度が高かった項目を中心に、PRISMAガイドラインに沿って実施したシステマティックレビューによるエビデンスの整理を行った。4つの学術データベース(PubMed、Web of science、Scopus、医中誌)を検索し、組入基準、除外基準をもとに2名の異なる研究者がスクリーニングを行い、スコープに合致する文献の抽出を行い、腰痛対策効果の統合を試みた。また事業場調査によって、現場の良好事例収集や開発したデジタルヘルスツール(DHT)に関する意見交換、複合型アプローチによる介入プログラムの実施可能性について情報を収集した。加えて、前年度に開発済みである腰痛リスクが定量評価できるDHT、個人の骨盤固有角(PI)が測定できるDHT、作業負荷に応じた適切な運動プログラム(On the Job Exercise)などの介入手法についてブラッシュアップを行いつつ、腰痛教育や職場改善などと組み合わせた複合型アプローチの効果を検証するための介入研究を実施した。
結果と考察
システマティックレビュー班では、重複を除外した856件の文献を対象にタイトルと抄録によるー次スクリーニングを行ったが、組入基準である陸上貨物運送業に合致する文献は1件のみであった。すなわち、職種を陸上貨物運送業のみに限定した場合にはエビデンスがごく僅かであることが明らかとなった。次いで、重量物取扱い作業へスコープを拡大し、再度スクリーニングを実施した。その結果、9件のランダム化比較対照試験が抽出され、メタアナリシスの結果、複合型アプローチ、エクササイズ、腰痛教育介入いずれも有意な効果は認められなかった。しかしながら、複合型アプローチ、エクササイズは腰痛軽減方向への効果が観察された。DHTを活用した職場改善プログラムならびにPIを考慮した介入プログラム、OJEなどの複合的アプローチの腰痛対策効果を検証するために、6か月間のクラスター非ランダム化比較対照試験を実施した(n=236)。複合型アプローチでは、改善活動などのAction、個人で実施するワーク、学びのためのknowledgeなど、作業者に分かりやすい腰痛対策コンテンツを整備して介入を実施し、Active control群には腰痛体操・厚生労働省の腰痛対策情報を提供した。また、本事業の専用ウェブサイト(CoMITサイト)の基盤整備を行い、コンソーシアム会合によって供覧・承認された研究結果をテスト公開した。
結論
本年度は、陸上貨物運送業における腰痛予防対策のエビデンス整理によって、職種を絞った腰痛対策の科学的根拠は限定的であることが明らかとなった。次年度は、介入研究のデータ解析によって複合型アプローチの効果検証を行い、これまでの調査結果も含めてエビデンスを体系的に整理し、陸上貨物運送業におけるMinds参照型の腰痛予防対策ガイドライン策定を行いたい。

公開日・更新日

公開日
2026-10-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-10-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
202522011Z