文献情報
文献番号
201023020A
報告書区分
総括
研究課題名
腎臓移植の成績向上をめざした臨床データ解析を目的とした症例登録と追跡制度の確立並びにドナー及びレシピエントの安全性確保とQOL向上に関する研究
課題番号
H20-免疫・一般-021
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
高原 史郎(大阪大学大学院 医学系研究科 先端移植基盤医療学)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 律朗(名古屋大学医学部造血細胞移植情報管理・生物統計学)
- 高橋 公太(新潟大学大学院医歯学総合研究科・医学部 泌尿器科)
- 剣持 敬(国立病院機構千葉東病院・臨床研究センター)
- 湯沢 賢治(国立病院機構水戸医療センター 臨床研究部 移植医療研究室 )
- 杉谷 篤(藤田保健衛生大学 大学医学部 臓器移植再生医学 )
- 北田 秀久(九州大学大学院 腎疾患治療部)
- 篠崎 尚史(東京歯科大学市川病院総合病院角膜センター)
- 渡井 至彦(名古屋第二日赤病院 第二移植外科)
- 八木澤 隆(自治医科大学腎泌尿器外科学講座 腎臓外科学部門 )
- 三重野 牧子(自治医科大学情報センター・医学情報学)
- 木内 哲也(名古屋大学大学院医学系研究科 移植・内分泌外科学)
- 梅下 浩司(大阪大学大学院 医学系研究科 保健学専攻)
- 市丸 直嗣(大阪中央病院 泌尿器科 )
- 矢澤 浩治(大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学(泌尿器科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
臓器移植医療の発展のため、腎移植および肝移植の成績向上をめざした臨床データ解析を目的として、症例登録制度と追跡制度を確立することにより、ドナー及びレシピエントの安全性を確保し、両者のQOL向上を目的とする。
研究方法
2008年5月の「イスタンブール宣言」を受けてアメリカの臓器移植登録を参考に、1)国際的な臓器移植登録の動きを調査、2)従来の移植登録制度(造血幹細胞移植、全臓器移植、腎移植、肝移植)を再検討し、本研究の対象となる我が国の3)2008年の移植登録(腎移植、肝移植)の現状を調べる。これまでの臓器移植登録と、本研究の成果データが集積してきたため、4)登録データの管理および使用について検討し、管理規定と使用に関する細則を定め、5)本研究による新たな登録制度の構築として、昨年度、本研究により構築された電子媒体(USBメモリー)を用いた腎移植登録システムの更新し、新たにWebを用いた肝移植登録システムを構築する。最後に、6)残された課題を検討し、7)国際的な臓器移植登録の最新事情と今後の展望を検討する。
結果と考察
1年目は、国際的な臓器移植登録を調査し、我が国の従来の各臓器移植登録制度を見直した。電子媒体(USBメモリー)による腎移植登録システムを確立し、実際に稼働した。肝移植登録システムについて、登録システム製作に着手した。2年目は、国際的な臓器移植登録の動きから我が国の各臓器移植登録制度を見直した。初年度に作成した電子媒体による腎移植登録システムを改良し、新たにWebによる肝移植登録システムを作成し、試験運用した。3年目は、腎移植においてWeb登録に向けての電子媒体による登録システムを完璧なものとし、肝移植は、Webによる登録・追跡システムを稼働した。
結論
臓器移植医療の健全な発展のためには正確で詳細な登録システムの構築が必須であり、日本の登録事業における今後の課題としては、1) 肝臓移植、腎臓移植で達成したWebでの登録・追跡システムを心臓、肺、膵臓、小腸など他の臓器移植の領域でも稼働させること、2) WHOは今後の方針として、臓器移植だけでなく 細胞、組織、臓器の移植全般を対象とした統一的な登録・追跡システムの構築を決定しており、日本でもまず心臓弁や皮膚などの組織移植での運用を開始すること、3) 研究事業の次の段階として永続的な登録事業として成り立つ管理・運営システムを提案すること、の3つが挙げられる。
公開日・更新日
公開日
2011-09-30
更新日
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