エネルギー必要量推定法に関する基盤的研究

文献情報

文献番号
201021028A
報告書区分
総括
研究課題名
エネルギー必要量推定法に関する基盤的研究
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
田中 茂穂(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 高田 和子(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
  • 田畑 泉(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
  • 金子 佳代子(横浜国立大学 教育人間科学部)
  • 井上 茂(東京医科大学 公衆衛生学)
  • 引原 有輝(千葉工業大学 工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「日本人の食事摂取基準」における推定エネルギー必要量を決定するために、身体活動量や基礎代謝量などの推定を通じてエネルギー消費量の推定法を改善・確立することが、本研究の主な目的である。
研究方法
1)日本人成人男女226名を対象に、日常生活において、二重標識水(DLW)法とともに、身体活動の質問紙・JALSPAQによる身体活動量調査を実施した。2)日本人成人男女89名を対象に、日常生活において、DLW法および生活活動記録法を実施した。3)健康な日本人成人男性86名を対象に、BMIおよび体脂肪率とDLW法により測定された1日の身体活動量の関係を検討した。4)肥満の糖尿病患者・非糖尿病患者や境界型で、基礎代謝量の測定を実施した。5)成人21人を対象に、加速度計を3日間にわたって装着するとともに、装着状況を正確に記録してもらい、加速度計の装着時間を、無信号時間から判定する方法を検討した。6)小学生を対象に、日常生活におけるDLW法および3次元加速度計の装着を実施した。
結果と考察
1)JALSPAQにより評価した総エネルギー消費量(TEE)はDLW法によるTEEとよく相関したが、身体活動レベル(PAL)における相関は弱かった。中強度の総身体活動時間と仕事中の活動が、PALを特徴づける活動として重要であることが示された。2)生活活動記録とDLW法のPALとの間には弱い相関が得られ、「メッツ値には,食事による産熱効果は含まれない」という仮定のもとに計算したTEEの平均値は、DLW法のTEEとほぼ一致した。また、生活活動記録から得られた中強度活動時間とPALとの相関も弱いながら有意であり、PALの推定に利用可能であることが示唆された。3)過剰な脂肪を有する日本人中高年男性は、1日の身体活動が少ない可能性が示唆された。4)国立健康・栄養研究所の式を用いると、糖尿病患者において120 kcal/日程度過小評価され、補正をする必要があることが示唆された。5)加速度計で30-60分間以上無信号が継続する状態を非装着状態と定義して解析することが妥当であることが示唆された。6)小学生を対象に推定式を作成した3次元加速度計を用いて得られたTEEやPALは、DLW法から得られた平均値とほぼ一致し、比較的強い相関が得られた。
結論
成人および子どもにおける総エネルギー消費量や身体活動レベル、基礎代謝量推定法の問題点を指摘するとともに、新たな方法を提示した。

公開日・更新日

公開日
2011-06-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021028Z