生活習慣病予防のための運動を阻害する要因とその原因別の対策に関する研究

文献情報

文献番号
201021027A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病予防のための運動を阻害する要因とその原因別の対策に関する研究
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
竹下 克志(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 松平 浩(独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院 勤労者筋・骨格系疾患研究センター)
  • 中村 耕三(東京大学 医学部附属病院)
  • 奥 真也(会津大学 先端情報科学研究センター)
  • 木村 穣(関西医科大学 健康科学センター)
  • 宮地 元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 運動生理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定健康診査・特定保健指導では食事療法とともに運動の推進が重要視されている。しかし、運動負荷によって発症するリスクをもつ人々は少なくないと推測される。すなわちロコモティブシンドロームはメタボ対策の阻害因子となるが、これまでほとんど分析されていなかった。本研究の目的は生活習慣病予防対策としての運動を阻害する要因を明らかにするために1)運動器障害の現状を調査し、2)運動器障害の予防のため、リスク群が検出可能な質問票の作成と3)運動器障害を来たした健診者への対応プログラムを提案することである。
研究方法
本年度、肥満に対する運動治療の研究者と運動器の運動療法を専門とする理学療法士を加え、研究デザインの再構築を行った。
さらに、2)質問票によるリスク群の検出と対策のみならず3)運動指導後に運動器障害を来たした群に対する対策が必須であると結論した。
三年目は、疫学研究の結果から、運動器障害のリスク群の検出が可能な質問票を完成させるとともに、運動障害発生者に対するプログラム(最終案)を作成する。
結果と考察
運動器障害のコホート調査 
地域住民240人(BMI28以上)に対する減量プログラムのコホート研究2年間のデータから、運動器障害について解析を行った。健康運動指導士による、活動量計を用いた非監視型身体活動指導において、17%の参加者が、痛みや障害を訴えた。部位について尋ねたところ、膝、腰、股関節、ふくらはぎなどが上位であった。
自己記入式質問票(仮)の作成 
全身の各部位に対する痛み調査とともに腰と膝について、それぞれのガイドラインや一般的な質問票を資料として自己記入式質問票(仮)を作成し、運動器障害群への運動指導の効果検証に試用した。
質問票(仮)の検証と運動器障害群への運動指導の効果の予備検証 
対象は腰痛35名膝痛24名で、1回の短時間の指導とパンフレット配布により、介入2週後において、痛みスコアで平均5以上改善し、自覚的改善度、満足度とも7割以上が良好であり、簡便かつ有効性の高い介入法であると思われた。
結論
運動器障害の現状を調査した。痛みは腰と膝に多く20-30%に見られ、運動による運動器障害の既往は50%、運動器療法1年で17%に痛みを生じ結果的に歩行量を増加できなくなっていた。
荷重関節である腰・膝をターゲットとし、それぞれのガイドラインや一般的な質問票を資料に質問票を作成した。検証調査の分析を踏まえ、今後問題点を改善していく予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-09-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021027Z