改正健康増進法施行後における喫煙室の設置状況と受動喫煙環境の評価及び課題解決に資する研究

文献情報

文献番号
202508005A
報告書区分
総括
研究課題名
改正健康増進法施行後における喫煙室の設置状況と受動喫煙環境の評価及び課題解決に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1005
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所・健康開発科学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 姜 英(キョウ エイ)(産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室)
  • 河井 一明(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 大森 久光(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 樋上 光雄(産業医科大学 産業保健学部 作業環境計測制御学)
  • 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学 総合医学研究センター医療統計室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和2(2020)年、健康増進法の一部を改正する法律(以下、改正法)が全面施行された。
本研究は、改正法の施行後における喫煙室等の設置状況と受動喫煙環境の評価、及び、課題解決を目的としており、以下の7点の研究を行うことである。
・「飲食が可能な加熱式タバコ専用室」で働く従業員への曝露評価
・喫煙室等の清掃作業者への受動喫煙の曝露調査
・健康増進法(2003)の施行前後の一般住民健診における肺機能検査結果の変化
・シーシャ(水タバコ)を提供する店舗の従業員の曝露実態
・自治体の受動喫煙防止対策の継続調査と「上乗せ条例」の施行状況
・主要20か国の受動喫煙対策に関する法規制と個別の国の受動喫煙の実態調査
・音楽フェスの受動喫煙対策とタバコ産業の介入の実態

研究方法
○紙巻きタバコ、加熱式タバコの受動喫煙の曝露評価(リアルタイムモニタリング)
・微小粒子状物質(PM2.5)
・揮発性有機化合物
○ヒトへの曝露評価
・尿中に排泄されるニコチンとその代謝物
・遺伝子付加体
・酸素飽和度、脈拍数
・清掃業者の定期健診
・定期健診とドック健診の肺機能検査(1秒量)の後ろ向きコホート調査
○自治体の受動喫煙防止対策:郵送法、HPの閲覧
○主要20か国:「たばこの規制に関するWHO枠組条約」報告書、実地調査(一部)
○音楽フェスの受動喫煙防止対策:ホームページ、SNS発信、実地調査一部
結果と考察
◎「飲食が可能な加熱式タバコ専用室」で加熱式タバコの受動喫煙に長時間・長期間曝露される従業員は、尿中に排泄されるニコチンとその代謝物の濃度が短時間・単回曝露された者よりも高かった
◎喫煙室等の清掃を担当する業者の尿中に排泄されるニコチンとその代謝物の濃度はその作業がないものよりも高かった
◎シーシャ(水タバコ)を提供する作業を行うことで急性曝露の影響が発生した
◎改正法の施行前後で36%の自治体が敷地内禁煙を導入したが、その後の増加はみられなかった。「上乗せ条例」を施行する自治体は漸増した
◎改正法によりわが国の受動喫煙防止対策の評価は「不可」から「可」に改善した
◎健康増進法(2003)の施行の前後で一般住民の1秒量の減少が緩徐になり呼吸機能が改善した
結論
健康増進法(2003)とその改正法(2020)により国民全体の受動喫煙防止対策が大幅に改善されたことが住民の健康診断結果から判明した。今後の課題として、喫煙室等の清掃業者の受動喫煙からの保護対策、「飲食が可能な加熱式タバコ専用室」の見直し、シーシャ(水タバコ)を提供する店舗で働く従業員への情報提供、音楽フェスなど若者を対象としたイベントの対策等を含む自治体レベルと国レベルの対策を強化は、わが国における屋内と屋外の「望まない受動喫煙」の機会を減少させ、同時に喫煙しにくい社会環境となることで喫煙率の低減に寄与し、最終的には国民全体のタバコ関連疾患とその医療費の削減に寄与すると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

文献情報

文献番号
202508005B
報告書区分
総合
研究課題名
改正健康増進法施行後における喫煙室の設置状況と受動喫煙環境の評価及び課題解決に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1005
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所・健康開発科学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 姜 英(キョウ エイ)(産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室)
  • 河井 一明(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 大森 久光(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 樋上 光雄(産業医科大学 産業保健学部 作業環境計測制御学)
  • 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学 総合医学研究センター医療統計室)
  • 朝長 諒(産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和2(2020)年、健康増進法の一部を改正する法律(以下、改正法)が全面施行された。
本研究は、改正法の施行後における喫煙室等の設置状況と受動喫煙環境の評価、及び、課題解決を目的としており、以下の9点の研究を行うことである。
・高性能空気清浄機を設置した屋外の喫煙室の周囲の受動喫煙
・パーティションで囲われた喫煙コーナーの周囲の受動喫煙
・「飲食が可能な加熱式タバコ専用室」で働く従業員への曝露評価
・喫煙室等の清掃作業者への受動喫煙の曝露調査
・健康増進法(2003)の施行前後の一般住民健診における肺機能検査結果の変化
・シーシャ(水タバコ)を提供する店舗の従業員の曝露実態
・自治体の受動喫煙防止対策の継続調査と「上乗せ条例」の施行状況
・主要20か国の受動喫煙対策に関する法規制と個別の国の受動喫煙の実態調査
・音楽フェスの受動喫煙対策とタバコ産業の介入の実態
研究方法
○紙巻きタバコ、加熱式タバコの受動喫煙の曝露評価(リアルタイムモニタリング)
・微小粒子状物質(PM2.5)
・揮発性有機化合物
○ヒトへの曝露評価
・尿中に排泄されるニコチンとその代謝物
・遺伝子付加体
・酸素飽和度、脈拍数
・清掃業者の定期健診
・定期健診とドック健診の肺機能検査(1秒量)の後ろ向きコホート調査
○自治体の受動喫煙防止対策:郵送法、HPの閲覧
○主要20か国:「たばこの規制に関するWHO枠組条約」報告書、実地調査(一部)
○音楽フェスの受動喫煙防止対策:ホームページ、SNS発信、実地調査(一部)
結果と考察
◎高性能空気清浄機で浄化された排気に含まれるPM2.5は大気環境基準以下であり、タバコ臭も感じられなかった。設置費用と維持費用を度外視すれば、四方をビルで囲われた人口密集地における解決策になり得ると考えられた
◎パーティションで四方を囲う喫煙コーナーの場合、壁の高さが3メートル前後必要であり、出入口を2重クランクにすることで風下の受動喫煙を防止できることが認められた
◎「飲食が可能な加熱式タバコ専用室」で加熱式タバコの受動喫煙に長時間・長期間曝露される従業員は、尿中に排泄されるニコチンとその代謝物の濃度が短時間・単回曝露された者よりも高かった
◎喫煙室等の清掃を担当する業者の尿中に排泄されるニコチンとその代謝物の濃度はその作業がないものよりも高かった
◎シーシャ(水タバコ)を提供する作業を行うことで急性曝露の影響が発生した
◎改正法の施行前後で36%の自治体が敷地内禁煙を導入したが、その後の増加はみられなかった。「上乗せ条例」を施行する自治体は漸増した
◎改正法によりわが国の受動喫煙防止対策の評価は「不可」から「可」に改善した
◎健康増進法(2003)の施行の前後で一般住民の1秒量の減少が緩徐になり呼吸機能が有意に改善した
結論
健康増進法(2003)とその改正法(2020)により国民全体の受動喫煙防止対策が大幅に改善されたことが住民の健康診断結果から判明した。今後の課題として、喫煙室等の清掃業者の受動喫煙からの保護対策、「飲食が可能な加熱式タバコ専用室」の見直し、シーシャ(水タバコ)を提供する店舗で働く従業員への情報提供、音楽フェスなど若者を対象としたイベントの対策等を含む自治体レベルと国レベルの対策を強化は、わが国における屋内と屋外の「望まない受動喫煙」の機会を減少させ、同時に喫煙しにくい社会環境となることで喫煙率の低減に寄与し、最終的には国民全体のタバコ関連疾患とその医療費の削減に寄与すると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202508005C

収支報告書

文献番号
202508005Z