がん診療ガイドラインの作成(新規・更新)と公開の維持およびその在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201020074A
報告書区分
総括
研究課題名
がん診療ガイドラインの作成(新規・更新)と公開の維持およびその在り方に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・指定-023
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
平田 公一(札幌医科大学 医学部・外科学第一講座)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 正(帝京大学 医学部)
  • 今村 正之(関西電力病院)
  • 岡本 高宏(東京女子医科大学 医学部)
  • 沖田 憲司(札幌医科大学 医学部)
  • 加賀美 芳和(国立がん研究センター中央病院 放射線治療グループ)
  • 加藤 雅志(国立がん研究センターがん情報センター 情報・統計部)
  • 金子 周一(金沢大学 大学院医学系研究科)
  • 北川 雄光(慶應義塾大学 医学部)
  • 桑野 博行(群馬大学 大学院医学系研究科)
  • 佐伯 俊昭(埼玉医科大学 国際医療センター)
  • 中尾 昭公(名古屋大学 医学部)
  • 早川 和重(北里大学 医学部)
  • 平尾 佳彦(奈良県立医科大学 医学部)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 古畑 智久(札幌医科大学 医学部)
  • 前原 喜彦(九州大学大学院 消化器外科)
  • 宮崎 勝(千葉大学大学院 医学研究院)
  • 八重樫 伸生(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 山口 俊晴(癌研究会有明病院)
  • 山口 直人(東京女子医科大学 医学部)
  • 吉田 雅博(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター)
  • 若尾 文彦(国立がん研究センター 中央病院放射線診断部)
  • 渡邉 聡明(帝京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん診療の臨床の場においては、治療の標準化・均てん化を図るべく臨床医および社会への正確な情報提供をすべきとの要求がある。各専門系学術団体を中心にがん診療ガイドラインが作成され、日本癌治療学会は会員の費用によって、Minds、がん対策情報センターでは国費投入によって作成されたガイドラインをWeb上で公開している。しかし、未作成のがん種があること、そして継続して改訂するための環境整備に関する課題が残されている。また、作成されたガイドラインをホームページ上で公開する上でのルールが明確となっていないことも問題点として挙げられる。本研究では、ガイドラインの作成と公開を行っていく上での問題点を抽出し、その対策を具体的に提案することを目的とする。

研究方法
がん診療ガイドラインの作成
(1)がん診療ガイドラインの提示
(2)治療アルゴリズムの作成

がん診療ガイドラインの公開、公開後改訂
(1)研究成果については、作成を担当する専門系学術団体と公開体制を継続している日本癌治療   学会に提供し、その採用を提案する。
(2)新規、更新内容については、提供専門組織のホームページ上や冊子体での公表を促す。
(3)閲覧者からの意見を求め、完成度を高めるよう各組織に要望する。

がん診療ガイドライン作成と公開に関する組織体制作り
 各専門系学術団体、がん情報対策センター、Minds、日本癌治療学会で各分担研究者の賛同を得て設置した準備委員会を開催し、意見交換会を行う。

結果と考察
本年度は新たに2種のガイドラインが刊行され、6種のガイドラインの改定が行われた。その他のがん種においても改定に向けてのロードマップが提示された。
結論
ガイドライン作成と公開の維持は、がん対策基本法の目的のひとつで、がん医療に重要な役割を担うものであるが、各専門系学術団体主導によるガイドラインの新規作成および更新には、信頼性の高い情報を選択し、合意形成のうえ情報を発信する過程で非常に大きな労力を要している。公開体制も、各団体が一部重複する業務を独自に行っており、ルールが明確となっていない。今年度に各専門系学術団体より得られたコンセンサスにより、充実した組織体制の構築、情報交換・情報提供の在り方を策定、利用における便宜性の構築のための環境整備が整ったと考えられ、今後のがん診療ガイドラインの正しい在り方の研究推進、国民への明確な情報の発信へとつなげていけると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020074Z