再発・難治性骨髄腫に対する至適分子標的療法の確立と生物学的治療予測因子の探索

文献情報

文献番号
201020032A
報告書区分
総括
研究課題名
再発・難治性骨髄腫に対する至適分子標的療法の確立と生物学的治療予測因子の探索
課題番号
H21-がん臨床・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 真介(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 生体総合医療学講座 腫瘍・免疫内科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 隆(国立がん研究センター中央病院)
  • 大間知 謙(東海大学医学部 血液腫瘍科)
  • 木下 朝博(名古屋大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学)
  • 畑 裕之(熊本大学医学部附属病院 血液内科)
  • 村上 博和(群馬大学医学部保健学科 検査技術科学)
  • 黒田 純也(京都府立医科大学 血液・腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
再発・難治性の多発性骨髄腫に対するセカンドライン療法として、bortezomib + dexamethasone併用(BD)療法とthalidomide + dexamethasone併用(TD)療法のランダム化第II相試験をJapan Clinical Oncology Group (JCOG)リンパ腫グループで実施し、1年無増悪生存割合をプライマリーエンドポイントとして比較し、より有効性の高い治療法を選択する。さらにセカンダリーエンドポイントとして、腫瘍病型を特徴付けている染色体転座病型がBD療法およびTD療法における治療予測因子となりえるかどうかについて検討し、将来の層別化治療の可能性を探索する。
研究方法
平成22年1月18日にJCOGプロトコール審査委員会で承認を受けた「再発・再燃・治療抵抗性の多発性骨髄腫に対するBD療法とTD療法のランダム化第II相試験(JCOG0904)」の実施計画書と説明・同意文書を、IRBで承認が得られた施設より患者登録を開始した。 平成22年12月8日にプロトコール改正承認となったため、一時登録を中止し、再度各施設のIRB承認をいただいた上で登録を再開した。
結果と考察
平成22年2月3日より患者登録を開始した。しかし、同年9月30日時点での登録患者数が7名にとどまっていた。そこで、全施設を対象にアンケート調査を行い、班会議での検討を経て対象患者の選択規準に関してプロトコール改正を行った。同年12月8日にJCOG効果・安全性評価委員会で承認を受け、12月28日より登録を再開した。平成23年3月31日までに参加34施設でIRB承認を得て、登録患者数は15名となり、染色体転座病型解析は順調に実施できている。今後は参加施設と密接な連携をとりながら80例の登録完遂を目指す。
結論
本試験は、再発・難治性骨髄腫患者に対するセカンドライン治療として、新規薬剤をどのような順序で使用することが患者の無増悪生存期間の延長、すなわち生活の質を長期に保てるのかという臨床的疑問に答えるための重要な臨床試験と位置づけられる。試験を完遂して本対象患者に対する標準治療の確立に繋げるとともに、染色体転座病型毎の将来の層別化治療を推進する上で意義のある試験である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201020032Z