文献情報
文献番号
202506006A
報告書区分
総括
研究課題名
障害認定を受けない難聴者の合理的配慮の実態と課題の調査
研究課題名(英字)
-
課題番号
25CA2006
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
南 修司郎(国立病院機構東京医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 白井 杏湖(東京医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
- 高橋 優宏(国際医療福祉大学三田病院 耳鼻咽喉科)
- 樫尾 明憲(東京大学医学部附属病院)
- 阪本 浩一(大阪公立大学 医学部耳鼻咽喉科)
- 新谷 歩(大阪公立大学 大学院医学研究科 医療統計学教室)
- 大石 直樹(慶應義塾大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
6,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
身体障害者福祉法に基づく障害認定を受けない軽度・中等度難聴者や片側難聴者は、聴覚的困難を有しながらも制度的支援の対象外となることが多い。本研究では、これら非障害認定難聴者を対象に、日常生活および就労場面における困難の実態、合理的配慮の提供状況および課題を明らかにし、今後の支援体制や政策提言に資するエビデンスを構築することを目的とした。
研究方法
全国の難聴当事者および企業担当者を対象としたインターネット調査を実施した。楽天インサイト株式会社のパネルを用い、難聴当事者700名(身体障害者手帳保有者350名、非保有者350名)および企業担当者500名から回答を得た。調査項目には、聞こえの困難、合理的配慮の受給状況、支援ツールの使用実態、難聴の開示状況、企業側の制度整備状況等を含めた。解析では記述統計および多変量ロジスティック回帰分析を実施した。
結果と考察
非障害認定難聴者では、騒音環境下での会話理解、電話対応、複数人会話における困難が顕著であった。一方で、補聴支援ツールの使用率や合理的配慮の利用率は低く、合理的配慮制度自体を十分認知していない回答も多かった。また、難聴の職場への開示率は身体障害者手帳保有者に比べて著しく低く、合理的配慮を求めにくい状況が示唆された。企業側では難聴への理解は一定程度進んでいたものの、実際の制度運用や職場文化としての配慮の定着には課題が認められた。これらの結果から、合理的配慮の実装には、制度整備のみならず、本人が支援を申し出やすい環境整備や、聞こえの困難を可視化する支援技術の導入が重要と考えられた。
結論
障害認定を受けない難聴者に対する合理的配慮は十分とは言えず、個人要因と組織要因の双方に対する包括的支援が必要であることが明らかとなった。今後は、合理的配慮の具体的方法の標準化、支援ツールの普及、医療機関と職場をつなぐ支援体制の構築を進める必要がある。
公開日・更新日
公開日
2026-06-12
更新日
-