グローバルヘルス分野の国際機関におけるキャリア形成と幹部人材育成ならびにガバナンス会議における効果的かつ戦略的関与に資する研究

文献情報

文献番号
202505008A
報告書区分
総括
研究課題名
グローバルヘルス分野の国際機関におけるキャリア形成と幹部人材育成ならびにガバナンス会議における効果的かつ戦略的関与に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23BA2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
磯 博康(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 齋藤 英子(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター )
  • 地引 英理子(国立健康危機管理研究機構 グローバルヘルス人材戦略センター)
  • 小野崎 耕平(聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科 医療政策管理学)
  • 細澤 麻里子(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター )
  • 若林 真美(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター )
  • 坂元 晴香(慶應義塾大学 医療政策・管理学教室)
  • 勝間 靖(早稲田大学 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科)
  • 梅田 珠実(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター)
  • 中谷 比呂樹(国立健康危機管理研究機構 グローバルヘルス人材戦略センター)
  • 鈴木 大地(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター )
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の保健分野の国際協力は、一貫して保健システムの強化やUniversal Health Coverageの主流化を先導してきたことが国際的に高い評価を得ている。一方でその知見は必ずしも系統的に分析され共有可能な形で国際保健人材育成に活用されたりするには至っていない。そこで本研究では、1)保健関連国際機関の採用プロセスや内部昇進における課題やニーズ、国際機関でのキャリア開発に必要なスキルを体系的に整理し、2)上記を踏まえて国際機関幹部育成のためのメンタリングの手法やその能力獲得のためのプログラムを開発すること、3)国際保健が直面する新たなテーマを取り入れた研修プログラムを開発するとともに、世界保健総会等において、様々な立場を代表するステークホルダーの意見を議長として集約し、合意形成をリードしていくためのプログラムを開発することを目的とした。
研究方法
研究1)では、昨年度までに既に実施したインタビュー調査の分析から、グローバルヘルス分野の国際機関幹部職員および将来の幹部職員候補者のキャリア形成のためのプログラム・研修開発に役立てる要素を抽出した。研究2)では、分担研究1での知見を基に、国際機関における邦人幹部人材の育成に関して、内部昇進を前提とした持続的キャリア開発支援の重要性が改めて確認されており、P5以上の幹部候補層を主たるターゲットに据え、年間数名を選抜して支援する「フラッグシッププログラム(仮称)」を中核としたプログラム案を策定した。研究3)では、令和7年11月29日〜11月30日に開催されたグローバルヘルス外交ワークショップにおいて、国内外の該当領域の専門家を招聘し、対面を基本とするハイブリッド形式で、講義と演習が有機的に連動するようなプログラムを実施した。WHO執行理事会での介入を模した演習では、架空シナリオに基づき、会議文書の読解、対処方針の検討、加盟国との交渉と会議での発言の演習を行い、国際機関議長経験者等の専門家からのフィードバックを得た。
結果と考察
研究1)からは、WHOにおけるマネジメントとテクニカルの2通りのキャリアパスの可能性、特定のコンピテンシー(組織の変革能力、ファンドレイジング能力とそのためのコミュニケーション能力)の獲得の必要性、個別のニーズに対応したメンタリングの有効性、不安定なキャリアにおける拠り所としてのOn the job trainingと継続学習の重要性が示唆され、国際機関幹部を目指す者に対し、道が開かれていることを示すものである。研究2)では、今後、マテリアルの開発と並行して、より実践的な検討・精査を加えていく。研究3)では、ワークショップには、国際会議の経験を有する、あるいは参加予定であるが国際会議の経験が少ない官民の中堅・若手実務者19名が集まった。またまた、2021年度から2024年度のワークショップに参加した参加者を対象として、フォローアップアンケートを実施し、本ワークショップは国際保健外交やそのほかの国際会議、国際労働外交などほかの分野でも役立ったとの回答があった。さらに、幹部人材育成のための議長養成プログラムの開発準備として、国際ガバナンス会議における議長候補者へのインタビュー調査に基づく質的分析により、議長に必要な資質や能力を抽出した。
結論
これらの知見は、国益及び国際益の調和を諮りながら国際保健外交を牽引する人材育成およびその教育プログラムの開発に資するものである。

公開日・更新日

公開日
2026-07-13
更新日
2026-09-25

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-07-13
更新日
-

文献情報

文献番号
202505008B
報告書区分
総合
研究課題名
グローバルヘルス分野の国際機関におけるキャリア形成と幹部人材育成ならびにガバナンス会議における効果的かつ戦略的関与に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23BA2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
磯 博康(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 齋藤 英子(国立国際医療研究センター)
  • 地引 英理子(国立国際医療研究センター グローバルヘルス人材戦略センター)
  • 小野崎 耕平(聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科 医療政策管理学)
  • 細澤 麻里子(国立国際医療研究センター 国際医療協力局 グローバルヘルス政策研究センター)
  • 若林 真美(国立国際医療研究センター グローバルヘルス政策研究センター)
  • 坂元 晴香(慶應義塾大学 医療政策・管理学教室)
  • 勝間 靖(早稲田大学 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科)
  • 梅田 珠実(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター)
  • 中谷 比呂樹(国立健康危機管理研究機構 グローバルヘルス人材戦略センター)
  • 鈴木 大地(国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター )
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の保健分野の国際協力に関して、一貫した保健システムの強化やUniversal Health Coverageの先導が国際的に高い評価を得ている。一方でその知見は必ずしも系統的に分析され共有可能な形で国際保健人材育成に活用されるには至っていない。そこで本研究では、1)保健関連国際機関の採用プロセスや内部昇進における課題やニーズ、国際機関でのキャリア開発に必要なスキルを体系的に整理し、2)国際機関幹部育成のためのメンタリングの手法やその能力獲得のためのプログラムの開発、3)国際保健が直面する新たなテーマを取り入れた研修プログラムの開発、そして、4)世界保健総会等において、様々な立場を代表する議長が、合意形成をリードするためのプログラムの開発を目的とした。
研究方法
研究1)では、国際機関の幹部職員経験者へのインタビュー調査を通じて、採用プロセスや内部昇進における課題やニーズ、国際機関でのキャリア開発に必要なスキルやリーダーシップ能力、現在国際機関で行われているキャリア研修、今後の実施が期待されるキャリア研修内容等についての質的分析を実施し、グローバルヘルス分野の国際機関幹部職員および将来の幹部職員候補者のキャリア形成のためのプログラム開発に役⽴てる要素を抽出した。研究2)では、公⺠等のセクターを問わず実施されている既存のメンタリング⼿法の現状について、公開情報の収集や関係者へのヒアリング調査を行うと同時に、分担研究1のインタビュー調査結果を踏まえて、メンタリングプログラムの該当者、期間、実施形態等の概要や具体的なプログラム案を作成した。研究3)では、若手・中堅を対象としたグローバルヘルス外交ワークショップを毎年開催した。本ワークショップは国内外の該当領域の専門家を招聘し、WHO執行理事会での介入を模した演習を行なった。演習は、架空シナリオに基づき、会議文書の読解、対処方針の検討、加盟国との交渉と会議での発言を行い、国際機関議長経験者等の専門家から具体的なフィードバックを得た。
結果と考察
研究1)からは、WHOにおけるマネジメントとテクニカルの2通りのキャリアパスの可能性、特定のコンピテンシー(組織の変⾰能⼒、ファンドレイジング能⼒とそのためのコミュニケーション能⼒)の獲得の必要性、個別のニーズに対応したメンタリングの有効性、不安定なキャリアにおける拠り所としての On the job training と継続学習の重要性が見い出された。研究2)では、具体的なプログラム案を作成した。その際、内部昇進を前提とした持続的キャリア開発⽀援の重要性が改めて確認されたことから、本案はP5以上の幹部候補層を主たるターゲットに据え、年間数名を選抜して⽀援する「フラッグシッププログラム(仮称)」の開発とした。研究3)では、ワークショップに、国際会議の経験を有する、あるいは参加予定であるが国際会議の経験が少ない官民の中堅・若手実務者が参加した。また、これまでのワークショップ参加者へのフォローアップ調査により、本ワークショップが、修了者の国際保健外交スキル向上に有用であったことが示唆された。さらに、幹部人材育成のための議長養成プログラムの開発準備として、国際ガバナンス会議での議長経験者へのインタビュー調査を実施し、議長に必要な4つの要素(スキル、知識、態度、リソース)を抽出した。これまでのワークショップの講義資料を基にした、講師向け教材の作成ならびに、過去の世界保健総会のビデオを活用した、世界保健総会会議則に関するビデオ教材を作成した。
結論
本研究班での成果は、これまでに体系的に整理されてこなかった、国際機関におけるキャリア形成と持続的なキャリア開発、また幹部人材育成プログラム項目の体系的な整理、ならびに教材の作成を実施した。これらの知見は、国益及び国際益の調和を諮りながら国際保健外交を牽引する人材育成およびその教育プログラムの開発に資するものである。

公開日・更新日

公開日
2026-07-13
更新日
2026-09-25

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-07-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202505008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究班で開発した国際保健外交人材育成プログラムは、公衆衛生大学院を含むグローバルヘルス人材養成機関においても活用可能であり、長崎大学や九州大学において、本研修プログラムと事例教材を用いた授業が開講されるなど、アカデミアにおいても着実に活用が進んでいる。
臨床的観点からの成果
本研究班で開発した国際保健外交人材育成プログラムは、国内外における公衆衛生や社会医学に加えて、臨床研究や医薬品開発に携わる者にとっても国際的な文脈におけるの意思決定プロセスや国際交渉を学習しうる貴重なカリキュラムであり、国際的な臨床研究開発や交渉に携わる者に広く門戸を開いて実施をしている。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
本研究班で実施をしたワークショップの参加者のフォローアップアンケートでは、約7割の参加者がその後国際保健外交に携わり、参加者の大半がワークショップの効果を肯定的に評価するなど、国際保健行政の推進に貢献したものと考えられる。
その他のインパクト
本研究班のワークショップを活用して九州大学で開講されている授業の実践について、『国際保健医療』において活動報告(41巻1号、29-41ページ、2026年)を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2026-07-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
202505008Z