高速セルイメージングを可能にする次世代X線CT用ハロゲン化物シンチレータの開発

文献情報

文献番号
201011016A
報告書区分
総括
研究課題名
高速セルイメージングを可能にする次世代X線CT用ハロゲン化物シンチレータの開発
課題番号
H20-活動・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 彰(国立大学法人 東北大学 多元物質科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 柳田 健之(国立大学法人 東北大学 多元物質科学研究所 )
  • 横田 有為(国立大学法人 東北大学 多元物質科学研究所 )
  • 窪 秀利(国立大学法人 京都大学 大学院理学研究科)
  • 関谷 洋之(国立大学法人 宇宙線研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(低侵襲・非侵襲医療機器(ナノテクノロジー)研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
47,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は紫外発光ハロゲン化物シンチレータとガスカウンター(GC)の接合により期待される次世代X線CTセンサーにおいて、未開発の新規紫外発光シンチレータを開発し、GCとの接合でX線検出が可能であることを実証することである。高い紫外線感度を持つ受光素子がなかったため、研究が行われてこなかった紫外発光シンチレータと、X線に対する十分な阻止能を持たないが紫外に高感度のガス検出器を融合させ、既存製品を遥かに凌駕する検出器開発を目指した点で、本研究は独創的な研究である。
研究方法
研究室独自の結晶作製法であるμ-PD法を駆使して、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物といったハロゲン化物に希土類蛍光体を加えた結晶の系統的な材料探索を行った。高い特性を持つシンチレータが得られた際には、複数の結晶を用いてピクセルアレイを作成した。これをGCに光学接着し、放射線を照射することで実際の応用現場に近い形で性能の評価を行った。最終的に紫外発光シンチレータピクセルアレイとGCを用いて、X線CTセンサーとしての動作を実証した。
結果と考察
μ-PD法を用いて様々なハロゲン化物の探索、様々な発光中心の添加濃度を有するハロゲン化物シンチレータ単結晶の開発及び作製したハロゲン化物シンチレータ結晶の評価を行った。さらに、良好な光学特性、放射線応答を示した一部のシンチレータ結晶に関しては、チャンバー型チョクラルスキー(Cz)法による大口径化技術の確立を行った。なお、フッ化物以外のハロゲン化物である塩化物、臭化物、ヨウ化物シンチレータの結晶作製には、開発したチャンバー着脱型μ-PD法を用いて育成を行った。光物性においては、真空紫外光を極力減衰させない光物性・放射線応答評価システムを用い、定常的に評価を行った。さらに、開発したパルスX線励起型ストリークカメラシステムを用いることで、シンチレータの蛍光寿命プロファイルを詳細に測定した。2次元イメージングにおいては、ガス検出器(10×10 cm2のPICとGEM)および CsI 光電面を蒸着したMgF2からなる真空紫外イメージング検出器に、開発したNd:LuLiF4結晶、及びNd:LuF3結晶を組み合わせ、評価を行った。放射線二次元イメージング検出器としての動作を実証した。
結論
本研究の成果により、高速応答・高感度によるX線CTによる被曝量の低減化及び、高解像度によりガス比例係数管の低感度を補うことによりSi半導体の素子と比較して安価につながることも期待される。これが確立すれば、将来の高解像度CT画像に基づく重粒子線癌治療の基盤技術として寄与する。

公開日・更新日

公開日
2011-07-13
更新日
-

文献情報

文献番号
201011016B
報告書区分
総合
研究課題名
高速セルイメージングを可能にする次世代X線CT用ハロゲン化物シンチレータの開発
課題番号
H20-活動・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 彰(国立大学法人 東北大学 多元物質科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 柳田 健之(国立大学法人 東北大学 多元物質科学研究所)
  • 横田 有為(国立大学法人 東北大学 多元物質科学研究所)
  • 窪 秀利(国立大学法人 京都大学 宇宙物理学)
  • 関谷 洋之(国立大学法人 東京大学 宇宙線研究所 放射線物理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(低侵襲・非侵襲医療機器(ナノテクノロジー)研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は紫外発光ハロゲン化物シンチレータとガスカウンター(GC)の接合により期待される次世代X線CTセンサーにおいて、未開発の新規紫外発光シンチレータを開発し、GCとの接合でX線検出が可能であることを実証することである。高い紫外線感度を持つ受光素子がなかったため、研究が行われてこなかった紫外発光シンチレータと、X線に対する十分な阻止能を持たないが紫外に高感度のガス検出器を融合させ、既存製品を遥かに凌駕する検出器開発を目指した点で、本研究は独創的な研究である。
研究方法
研究室独自の結晶作製法であるμ-PD法を駆使して、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物といったハロゲン化物に希土類蛍光体を加えた結晶の系統的な材料探索を行った。高い特性を持つシンチレータが得られた際には、複数の結晶を用いてピクセルアレイを作成した。これをGCに光学接着し、放射線を照射することで実際の応用現場に近い形で性能の評価を行った。最終的に紫外発光シンチレータピクセルアレイとGCを用いて、X線CTセンサーとしての動作を実証した。
結果と考察
μ-PD法を用いて様々なハロゲン化物の探索、様々な発光中心の添加濃度を有するハロゲン化物シンチレータ単結晶の開発及び作製したハロゲン化物シンチレータ結晶の評価を行った。さらに、良好な光学特性、放射線応答を示した一部のシンチレータ結晶に関しては、チャンバー型チョクラルスキー(Cz)法による大口径化技術の確立を行った。なお、フッ化物以外のハロゲン化物である塩化物、臭化物、ヨウ化物シンチレータの結晶作製には、開発したチャンバー着脱型μ-PD法を用いて育成を行った。光物性においては、真空紫外光を極力減衰させない光物性・放射線応答評価システムを用い、定常的に評価を行った。さらに、開発したパルスX線励起型ストリークカメラシステムを用いることで、シンチレータの蛍光寿命プロファイルを詳細に測定した。2次元イメージングにおいては、ガス検出器(10×10 cm2のPICとGEM)および CsI 光電面を蒸着したMgF2からなる真空紫外イメージング検出器に、開発したNd:LuLiF4結晶、及びNd:LuF3結晶を組み合わせ、評価を行った。放射線二次元イメージング検出器としての動作を実証した。
結論
本研究の成果により、高速応答・高感度によるX線CTによる被曝量の低減化及び、高解像度によりガス比例係数管の低感度を補うことによりSi半導体の素子と比較して安価につながることも期待される。これが確立すれば、将来の高解像度CT画像に基づく重粒子線癌治療の基盤技術として寄与する。

公開日・更新日

公開日
2011-07-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201011016C

収支報告書

文献番号
201011016Z