国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究

文献情報

文献番号
201009031A
報告書区分
総括
研究課題名
国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究
課題番号
H22-政策創薬・指定-018
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
福武 勝幸(東京医科大学 医学部・臨床検査医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 眞(東京医科大学 医学部・臨床検査医学講座 )
  • 味澤 篤(東京都立駒込病院)
  • 岩本 愛吉(東京大学医科学研究所)
  • 菊池 嘉(国立国際医療センター)
  • 篠澤 圭子(東京医科大学 医学部・血液凝固異常症遺伝子研究寄付講座 )
  • 白阪 琢磨(国立病院機構大阪医療センター)
  • 藤井 輝久(広島大学医学部)
  • 花房 秀次(荻窪病院)
  • 三間屋純一(静岡県中部保健福祉センター)
  • 山元 泰之(東京医科大学 医学部・臨床検査医学講座 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
115,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本のHIV感染者の数は欧米と比較すると非常に少ないが, 今なお増加を続けており強い危機意識をもって臨まなければならない。HIV感染の病態は放置すれば進行性であり, 治療が遅れると様々な合併症が出現して予後不良となる。幸い, 近年の治療薬の進歩により適切な治療を行えれば予後は劇的に改善する。ただし, 治療薬はまだ未成熟なものが多く副作用などの重大な問題も多い。また,合併症の治療には国内未承認の薬剤が必要である。HIV感染症の治療薬の国内への迅速な導入と未承認薬の利用は感染者の生命を守るために重要であり, 本研究には感染者の適切な治療を確保する人道的な役割がある。
研究方法
本研究は平成8年度に厚生省薬務局研究開発振興課との協力により, HIV感染症及びエイズとその症随伴状の治療を日本の臨床現場に迅速に導入するための一つの方策として開始された。日本で未承認の治療薬のうち, 専門医が日本に必要と考えた薬剤を研究代表者が医師個人輸入により輸入して, 海外の承認条件に基づいて治療に応用し治療成績を収集する。これにより薬剤の緊急導入を可能にすると同時に至適治療法の開発を目指している。
結果と考察
情報公開のためインターネット上にホームページを有し, アクセスは既に657、000件を超えている。近年, 需要の多いのはニューモシスチス肺炎122例, トキソプラズマ症37例, 母子感染予防33例であり, 今年度の取り扱い薬剤別実績は、薬剤名(送付数、症例数), Aptivus(14,2),Daraprim (82,35), Epivir Syrup(37,6), FUZEON(14,2), Humatin(0,0), Intelence(0,0), Mepron Suspension (350,131), Retrovir I.V. (17,17), Retrovir Syr.(21,19), SULFADIAZINE (40,20), Viracept Oral Solution(10,2), Ziagen oral solution(22,4), 全薬剤の合計では今年度の送付は612件, 240症例, 15年間の送付は延べ8,104件, 3,229症例となった。
結論
国内承認薬だけでは治療が困難な症例に有効な治療が可能となった。多くのHIV随伴症の治療は症例数が少ないため、治療成績の評価には長期間が必要である。本研究はHIV感染症に係る適切な治療の発展のために重要で,継続的な活動が必要である。

公開日・更新日

公開日
2011-07-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201009031Z