文献情報
文献番号
202421027A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進するための政策研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24IA1009
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
- 松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
- 藤森 研司(東北大学 大学院医学系研究科 公共健康医学講座医療管理学分野)
- 伏見 清秀(国立大学法人 東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 医療政策情報学)
- 石川 ベンジャミン光一(学校法人 国際医療福祉大学 大学院医学研究科 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 医療マネジメント学科)
- 瀬戸 僚馬(東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科)
- 小林 美亜(山梨大学大学院総合研究部医学域 臨床医学系(附属病院 病院経営管理部))
- 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
- 小林 大介(国立大学法人富山大学 附属病院 地域医療総合支援学講座)
- 佐藤 大介(藤田医科大学 大学院医学研究科)
- 西岡 祐一(奈良県立医科大学 公衆衛生学講座)
- 赤羽 学(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
- 佐藤 拓也(東京大学医学部附属病院 救急・集中治療科)
- 明神 大也(浜松医科大学 医学部 健康社会医学講座)
- 加藤 源太(京都大学医学部附属病院 病床運営管理部)
- 大寺 祥佑(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)
- 柿沼 倫弘(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
23,467,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動
研究分担者 明神大也
奈良県立医科大学(令和6年4月1日~令和6年9月15日)
→浜松医科大学(令和6年9月16日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
令和6年度4月から第8次医療計画が開始され、各都道府県が策定した医療計画に基づいて医療関連施策が進められようとしている。また2025年の地域医療構想の実現に向け、各都道府県の構想区域において今後の医療提供体制についての協議や調整が進んでいる。本研究班は、これまでも医療法に位置づけられている地域医療構想、医療計画と密接に関わりながら研究を進めてきた。データ分析や医療政策に関してのヒアリング等を通し、第8次医療計画の中間見直しに向けての課題を抽出し、医療計画および地域医療構想の実現に資するデータ分析や指標例の作成、またツールの作成等の支援を目的とする。
研究方法
本研究班は「医療計画班」「基準病床班」「中期推計班」「機能報告班」「感染症企画班」「医療分化連携班」「医療機能班」「研修プログラム班」「大規模データ班」「実地検証班」の10の分担班に分けて研究を進め、班会議を2回、実務者会議を12回開催し、進捗状況の管理、調整を行いつつ進めた。
結果と考察
医療計画班
都道府県を対象に第8次医療計画の中間見直しに関する指標例の活用状況を分析した。その結果、指標例採用数には大きなばらつきがあり、都道府県ごとの重点分野や活用方針に差異があることがわかった。
基準病床班
1.基準病床数の計算式の問題点
基準病床数が前回より多い、必要病床数より多い、現場ニーズより多い、といった多様な面からの問題点がある。基準病床数が現場ニーズより多くなる原因として、データ集計や年度の相違、数年前のトレンド継続、新たなデータ反映不足、患者流出入、地域固有の傾向未反映などが挙げられる。また、計算式に使われるデータの不一致やばらつき、人口構成の揺れも影響することが判明した。
2.必要病床数と基準病床数の統合に関する検討事項
「必要病床数の定義」「算出方法の見直し 」「管理方法の変更」「病床規制の考え方」「規制対象病床の整理」これらの見直しにより、病床数の管理を効果的に行うための検討資料となる。
中期推計班1
2023年推計人口と従来のデータを用いる事で、今後の患者数の変動を明示的にした。これは医療政策立案の参考として重要な資料である。
中期推計班2
65歳以上で2022~2023年の死亡者数は予測値を210,953人上回った。この約21万人の死亡者数が生存していたシナリオを想定し、2024年の入院患者数の増加を試算したところ、全入院患者数の約2.4%増加することが判明している。
機能報告班、大規模データ班
病床機能報告に基づく病院の医師数に注目し、救急車搬送入院などの診療実績について分析を行った。各病院が提供する入院医療について傷病別の診療範囲の観点から検討することで、地域における各病院の医療機能をより具体的な把握が可能となることが判明した。
感染症企画班
第8次医療計画における新型コロナウイルス感染症を含む新興感染症対応の改善点を整理し、実効性のある医療計画を提案することを目的とし、「訓練の強化」「病床と看護師の確保」「自宅療養の基準設定」の3点を重要な論点として示した。
医療分化連携班
函館市・北名古屋市の取組は、いずれも地域特性や地域資源を活かしながら、実効性のある仕組みを構築しており、水平連携モデルの構築に資する知見となっている。
医療機能班
インタビュー調査の結果を「新たな地域医療構想に向けた病院機能の転換等に関する課題の検討」として知見を取りまとめた。具体的には機能転換の類型として、成長機会を捉えた「成長型機能転換」と、経営維持を目的とした「調整型機能転換」に大別し、意思決定における内部抵抗や地域関係者との調整の難しさ、地方自治体との連携の重要性等について問題点を明確にした。
研修プログラム班
カリキュラム要綱の作成、研修目標、方法、科目一覧、講師の選定、日程調整を進め、新たなガイドラインに合わせて研修プログラムの準備を進めている。
実地検証班1
レセプトデータを活用し、年齢、療養先、地域及び疾患別の観点から在宅医療の提供状況を定量的に分析できるようになった。
実地検証班2-1
日本におけるCOVID-19の野生株、アルファ株、デルタ株、オミクロン株の流行にまたがり、高齢入院患者の1年生存率や要介護度の影響を比較した。併存疾患や年齢、男性といった因子が予後不良に関連することが判明し、COVID-19の高齢者への長期的影響が深刻であることが示唆された。
実地検証班2-2
奈良県の後期高齢者歯科健診受診者を用いた分析から、口腔衛生の改善と適切な歯科ケアの推進が高齢者の健康寿命延伸に寄与する可能性を示唆した。
都道府県を対象に第8次医療計画の中間見直しに関する指標例の活用状況を分析した。その結果、指標例採用数には大きなばらつきがあり、都道府県ごとの重点分野や活用方針に差異があることがわかった。
基準病床班
1.基準病床数の計算式の問題点
基準病床数が前回より多い、必要病床数より多い、現場ニーズより多い、といった多様な面からの問題点がある。基準病床数が現場ニーズより多くなる原因として、データ集計や年度の相違、数年前のトレンド継続、新たなデータ反映不足、患者流出入、地域固有の傾向未反映などが挙げられる。また、計算式に使われるデータの不一致やばらつき、人口構成の揺れも影響することが判明した。
2.必要病床数と基準病床数の統合に関する検討事項
「必要病床数の定義」「算出方法の見直し 」「管理方法の変更」「病床規制の考え方」「規制対象病床の整理」これらの見直しにより、病床数の管理を効果的に行うための検討資料となる。
中期推計班1
2023年推計人口と従来のデータを用いる事で、今後の患者数の変動を明示的にした。これは医療政策立案の参考として重要な資料である。
中期推計班2
65歳以上で2022~2023年の死亡者数は予測値を210,953人上回った。この約21万人の死亡者数が生存していたシナリオを想定し、2024年の入院患者数の増加を試算したところ、全入院患者数の約2.4%増加することが判明している。
機能報告班、大規模データ班
病床機能報告に基づく病院の医師数に注目し、救急車搬送入院などの診療実績について分析を行った。各病院が提供する入院医療について傷病別の診療範囲の観点から検討することで、地域における各病院の医療機能をより具体的な把握が可能となることが判明した。
感染症企画班
第8次医療計画における新型コロナウイルス感染症を含む新興感染症対応の改善点を整理し、実効性のある医療計画を提案することを目的とし、「訓練の強化」「病床と看護師の確保」「自宅療養の基準設定」の3点を重要な論点として示した。
医療分化連携班
函館市・北名古屋市の取組は、いずれも地域特性や地域資源を活かしながら、実効性のある仕組みを構築しており、水平連携モデルの構築に資する知見となっている。
医療機能班
インタビュー調査の結果を「新たな地域医療構想に向けた病院機能の転換等に関する課題の検討」として知見を取りまとめた。具体的には機能転換の類型として、成長機会を捉えた「成長型機能転換」と、経営維持を目的とした「調整型機能転換」に大別し、意思決定における内部抵抗や地域関係者との調整の難しさ、地方自治体との連携の重要性等について問題点を明確にした。
研修プログラム班
カリキュラム要綱の作成、研修目標、方法、科目一覧、講師の選定、日程調整を進め、新たなガイドラインに合わせて研修プログラムの準備を進めている。
実地検証班1
レセプトデータを活用し、年齢、療養先、地域及び疾患別の観点から在宅医療の提供状況を定量的に分析できるようになった。
実地検証班2-1
日本におけるCOVID-19の野生株、アルファ株、デルタ株、オミクロン株の流行にまたがり、高齢入院患者の1年生存率や要介護度の影響を比較した。併存疾患や年齢、男性といった因子が予後不良に関連することが判明し、COVID-19の高齢者への長期的影響が深刻であることが示唆された。
実地検証班2-2
奈良県の後期高齢者歯科健診受診者を用いた分析から、口腔衛生の改善と適切な歯科ケアの推進が高齢者の健康寿命延伸に寄与する可能性を示唆した。
結論
本研究の成果は、各都道府県が策定した医療計画や地域医療構想を進めるにあたり実務的な資料としての機能が期待され、わが国の5疾病6事業と在宅医療の推進や評価および病床機能の分化・連携や病床の効率的な利用に資する成果であると考えている。
公開日・更新日
公開日
2025-06-09
更新日
-