文献情報
文献番号
201004007A
報告書区分
総括
研究課題名
主にアジアに蔓延するウイルス性肝疾患の制御に資する為の日米合作的肝炎ウイルス基礎研究
課題番号
H22-国医・指定-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小池 和彦(東京大学 東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 脇田 隆字(国立感染症研究所)
- アクバルシェイクモハマドファズレ(東芝病院研究部)
- 茶山 一彰(広島大学医歯薬学総合研究科)
- 金子 周一(金沢大学医薬保健研究域医学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(国際医学協力研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
13,889,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アジア諸国の肝炎・肝癌の制御を目的とする。
研究方法
1.基礎研究、2.米国研究者との研究協力、3.アジア諸国研究者との研究協力、及び4. 日米シンポジウム共催という四つの部分から成る。
結果と考察
1.HCVの培養細胞を用いた基礎研究により、HCV表面タンパク質の糖鎖構造を解析した。ウイルス粒子産生および感染性に重要であることが明らかとなった。
2.バングラデシュ及びインドネシア国内でウイルス肝炎の実態について疫学調査を実施し、その調査に基づきアジアの開発途上国の病態の特徴を分析した。開発途上国のためのウイルス性肝疾患新規治療法の開発、及び新ガイドラインの作成を試みた。
3.キメラマウスを用いてB型肝炎ウイルスのHBx蛋白の機能解析を行い、ウイルスの増殖にこの蛋白が必須であることを明らかにした。また、NS3-4A protease阻害剤であるTelaprevirの評価、大豆から抽出された新規化合物であるME3732の評価を行った。
4.B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、関連肝細胞がんにおける発現遺伝子、small RNAを包括的に解析し、慢性肝炎および肝細胞がんの病態と発現遺伝子との関連を明らかにした。
5.HIV/HCV重複感染症322例の肝疾患進展度の実態調査によると、総ビリルビンが2.0 mg/dlを越える進行肝硬変が26例以上存在することも明らかになった。また、平均8.5年間の観察期間で、アルブミン値は平均0.17g/dl低下、ビリルビン値は平均0.16mg/dl上昇した。
6.2010年9月横浜パシフィコで開催された第32回日米合同会議「アジアにおける経口ウイルス肝炎」の概要。
アジアにおけるA型肝炎、E型肝炎の現状を理解し、今後の対策を講じる上で、各国の参加者に大きなインパクトを与えたものと思われる。日本においてもこの状況は対岸の火事として看過できるものではなく、将来アジアからのHAV、HEVの流入も視野に入れた対策が重要になるものと考えられることから、引き続きこれらの国との交流を続け、A型肝炎、E型肝炎の予防、治療などに関する最新の情報提供も行っていく必要があると思われた。
2.バングラデシュ及びインドネシア国内でウイルス肝炎の実態について疫学調査を実施し、その調査に基づきアジアの開発途上国の病態の特徴を分析した。開発途上国のためのウイルス性肝疾患新規治療法の開発、及び新ガイドラインの作成を試みた。
3.キメラマウスを用いてB型肝炎ウイルスのHBx蛋白の機能解析を行い、ウイルスの増殖にこの蛋白が必須であることを明らかにした。また、NS3-4A protease阻害剤であるTelaprevirの評価、大豆から抽出された新規化合物であるME3732の評価を行った。
4.B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、関連肝細胞がんにおける発現遺伝子、small RNAを包括的に解析し、慢性肝炎および肝細胞がんの病態と発現遺伝子との関連を明らかにした。
5.HIV/HCV重複感染症322例の肝疾患進展度の実態調査によると、総ビリルビンが2.0 mg/dlを越える進行肝硬変が26例以上存在することも明らかになった。また、平均8.5年間の観察期間で、アルブミン値は平均0.17g/dl低下、ビリルビン値は平均0.16mg/dl上昇した。
6.2010年9月横浜パシフィコで開催された第32回日米合同会議「アジアにおける経口ウイルス肝炎」の概要。
アジアにおけるA型肝炎、E型肝炎の現状を理解し、今後の対策を講じる上で、各国の参加者に大きなインパクトを与えたものと思われる。日本においてもこの状況は対岸の火事として看過できるものではなく、将来アジアからのHAV、HEVの流入も視野に入れた対策が重要になるものと考えられることから、引き続きこれらの国との交流を続け、A型肝炎、E型肝炎の予防、治療などに関する最新の情報提供も行っていく必要があると思われた。
結論
アジア諸国の肝炎・肝癌の制御という目的のための研究は、予定通りに進捗した。アジアにおけるアジアにおける経口ウイルス肝炎感染症の現状と問題点が明らかになり、対策のポイントが日米両国において確認された。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-