医療機器・医用材料のリスクアセスメント手法開発に関する研究

文献情報

文献番号
200940013A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器・医用材料のリスクアセスメント手法開発に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 利江(大阪大学医学部附属病院 未来医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 配島 由二(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 松岡 厚子(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 伊佐間和郎(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 澤田 留美(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 迫田 秀行(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 角田 正史(北里大学 医学部 公衆衛生学)
  • 東藤 貢(九州大学 応用力学研究所)
  • 太田 信(東北大学 流体科学研究所)
  • 石川 格(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 植松 美幸(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 加藤 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 中岡 竜介(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,050,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
材料プロテオーム解析。ナノ凝集体遺伝毒性等。硬組織材料アパタイト形成能開発。人工心臓弁機能不全日本人遺伝子多型探索。複合的要因不具合解析。吸収性人工脳硬膜動物実験確立。人工膝関節安全性評価技術開発。脳動脈瘤ステント血流解析。in vitro感作性評価法。生体反応・材料特性リスク手法。力学シミュレーションリスク分析。ガイドワイヤー,ダイレータ挿入リスク評価。
研究方法
培養細胞蛋白質発現解析。ナノ材料凝集体径と遺伝毒性等。チタン合金アパタイト形成能。人工心臓弁機能不全患者血液SNPタイピング。摘出インプラント工学的、物理化学的、医学的分析。人工脳硬膜品ラット埋入脳神経伝達物質測定。人工関節膝モデル動作数値解析。脳動脈瘤ステント数値流体解析。h-CLATとLLNAによる感作性評価。各種官能基表面材料合成と細胞接着活性。3Dデジタイザーで形状計測。ステレオカメラによる計測
結果と考察
スルホン化プレート骨分化促進とプロテオミクス解析相関。繊維状CNB染色体数的異常誘発。In vitroアパタイト定量的解析確立、高アパタイト形成法開発。人工心臓弁機能不全患者特異的SNP解析。人工関節抜去インプラント不具合臨床情報総合的推定。
吸収性人工硬膜行動学試験評価法開発。膝関節筋力回旋動作に影響大。ステント効力シミュレーション評価有効。有機スズhCLATとLLNA法相関性有り。材料表面の官能基と接触角等比較。光学式3Dデジタイザーで人工股関節部材摩耗量算出可。ダイレータ挿入角度と荷重の定量化。作業領域立体的情報取得
結論
プロテオミクス解析材料評価有用。繊維状CNB染色体数的異常誘発。FT-IR/PAS法アパタイト定量的評価法確立、新規アパタイイト形成法開発。人工心臓弁不具合日本人遺伝子多型検出。抜去人工関節総合不具合要因。吸収性人工硬膜動物実験評価法確立。人工膝関節シミュレーターモデル開発。動脈瘤ステントの血流阻害能力定量化リスク評価. 有機スズアレルギー性hCLATおよびLLNA両法陽性。官能基モデル表面上の細胞接着は接触角と関連。3Dデジタイザー人工股関節部材摩耗量評価開発。セルジンガー法ガイドワイヤー、ダイレータ挿入リスク評価。



公開日・更新日

公開日
2010-06-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200940013B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機器・医用材料のリスクアセスメント手法開発に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 利江(大阪大学医学部附属病院 未来医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 配島 由二(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 松岡 厚子(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 伊佐間和郎(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 澤田 留美(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 迫田 秀行(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 佐藤 道夫(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 角田 正史(北里大学 医学部 公衆衛生学)
  • 東藤 貢(九州大学 応用力学研究所)
  • 太田 信(東北大学 流体科学研究所)
  • 石川 格(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 植松 美幸(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 加藤 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
  • 中岡 竜介(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
プロテオミクス解析による材料リスク評価。ナノ材料の遺伝毒性リスク評価。骨系材料の骨結合能評価。人工心臓弁機能不全リスク評価手法開発。人工関節不具合リスク評価。米国不具合データ利用リスク評価。人工硬膜のリスク評価手法開発。人工膝関節リスク評価手法開発。脳動脈瘤ステント流体力学によるリスク評価。ヒト単球由来細胞アレルギーリスク評価。医用材料表面特性評価。人工股関節摩耗量測定。骨固定材変形操作の弾塑性解析。ガイドワイヤー,ダイレータ挿入リスク評価。
研究方法
細胞/材料プロテオミクス解析。ナノ材料形状とin vitro毒性。合金アパタイト形成量。人工心臓弁機能と患者血液SNPタイピング。摘出人工関節工学、物理化学、医学的分析。米国不具合データ医療機器リスク評価。人工脳硬膜品ラット脳内埋入行動試験。人工膝関節モデルとリスク解析。脳動脈瘤ステントと血流数値解析。h-CLATとLLNAによる感作性評価。表面特性・細胞機能等測定。3Dデジタイザーで形状計測。ステレオカメラによる計測
結果と考察
スルホン化プレート骨分化促進とプロテオミクス解析相関。繊維状CNB染色体数的異常誘発。In vitroアパタイト定量的解析確立、高アパタイト形成法開発。人工心臓弁機能不全患者特異的SNP解析。人工関節不具合総合的推定。米国不具合心臓血管系、整形外科系医療機器リスク評価。吸収性人工硬膜行動学試験の確立。膝関節筋力は回旋動作に重要。ステント効力シミュレーション評価有効。hCLATとLLNA法相関性有り。材料表面の官能基と細胞応答等。光学式3Dデジタイザーで人工股関節部材摩耗量算出可。ダイレータ挿入角度と荷重の定量化。作業領域立体的情報取得
結論
プロテオミクス解析で材料リスク評価可能。CNB形状依存染色体異常。FT-IR/PAS法アパタイト定量的評価法確立、アパタイイト高形成処理法開発。人工心臓弁不具合特異的日本人遺伝子多型検出。人工関節不具合要因。米国不具合データから高リスク医療機器リスト。吸収性人工硬膜動物実験評価法確立。人工膝関節シミュレーターモデル。脳動脈瘤ステント血流阻害リスク評価. 有機スズアレルギー性hCLATおよびLLNA両法陽性。官能基モデル表面上の細胞挙動と接触角等比較。人工股関節部材摩耗量リスク評価手法開発。セルジンガー法ガイドワイヤー、ダイレータ挿入リスク評価手法開発。

公開日・更新日

公開日
2010-06-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200940013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
先端的プロテオミクス技術を用いた材料リスク評価、SNP解析を用いた人工心臓弁不具合の患者側の遺伝的個体差のリスク要因、ナノマテリアルの形状依存的染色体異常誘発リスク、光学デジタイザーを用いた人工関節磨耗量測定開発、セルジンガー法施行時の臨床状況評価系を構築した。脳動脈瘤ステント、人工膝・股関節のリスク評価手法としてコンピューターシミュレーション技術による数値解析を適用した。先端的、専門的、学術的観点から、リスク評価を行った。
臨床的観点からの成果
不具合等で、医療機関で、抜去された人工関節の原因究明を行っている。材料に原因がある場合、形状に問題がある場合、設計に問題がある場合等、医師との議論等で、不具合原因が科学的かつ総合的に評価した。不具合低減化に有用な材料改質、設計の最適化等、有用な情報提供が可能である。中心静脈カテーテルに着目し、セルジンガー法に、臨床利用状況評価と臨床利用中情報取システム開発という双方向からのアプローチにより、新規リスクアセスメント手法を提案した。
ガイドライン等の開発
数値解析によるリスク評価は、整形外科系、循環器系でGL検討が開始されている。ASTMやISOで、ステント・人工関節において検討中である。日本では、次世代医療機器評価指標事業、人工関節の数値解析ガイドライン化原案・参考資料を作成した。ステントでは、日本の基準に数値解析が導入された。リスクの高い脳内インプラント評価法は、国際標準化の要望がFDAからも出ておりISOTC194で議論がはじまる。主任研究者、本成果発表論文を議長の依頼で配布した。国際標準化開発貢献。
その他行政的観点からの成果
近年開発が盛んにおこなわれている生分解性材料のリスク評価に関連した研究成果については、ISO・TC194の国際会議で、主任研究者がproject leaderとして、文書作成のためのチーム(FDA担当官,企業の専門家で構成)を作り、年1回の総会で、内容の経過発表をしている。国際的にも、各国の専門家の関心が高い。生分解性材料の生物学的評価法に関する通知の原案となって医療機器の安全性向上に結びつくことを期待できる。

 
その他のインパクト
医療機器・医用材料のリスクアセスメント手法開発に関して公開シンポジウムを2回開催した。各分担研究者に成果の発表を依頼し、多くの参加者の出席のもと、活発な討論を行った。さらに、不具合報告が多い分野の研究成果発表を中心に、2度の医療機器フォーラムを開催したすなわち、人工股関節材料の耐久性試験、人工膝関節のコンピューターシミュレーション技術によるリスク評価、カテーテル類のリスク評価など、2007年および2008年度、公開で、開催した。 

発表件数

原著論文(和文)
16件
国立医薬品食品衛生研究所報告、薬学雑誌、日本臨床バイオメカニクス雑誌
原著論文(英文等)
32件
Biomaterials, J.Nanosci.Nanotechnol.J.Biomed.Mater.Res.Biochem.Biophys. Res.Commun.
その他論文(和文)
8件
日本機械学会誌、Materials Integration
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
77件
日本バイオマテリアル学会、日本人工臓器学会、日本臨床バイオメカニクス学会
学会発表(国際学会等)
30件
International Intracranial Stent Meeting, World Tribology Congress
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
4件
次世代医療機器評価指標事業生体親和性インプラント報告書、ISO/TC194 WG8,WG11,WG15 国際標準化提案中(3件)
その他成果(普及・啓発活動)
6件
レギュラトリーサイエンス成果発表会2回開催、医療機器フォーラム2回開催、招待講演2回

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
R.Nakaoka, Y.Yamada, K.Isama et al.
Effects of surface chemistry prepared by self-assembled monolayers on the osteoblast behavior.
J.Biomed.Mater. Res.in press  (2010)
原著論文2
A.Matsuoka, A.Onfelt, Y.Matsuda et al.
Development of an in vitro screening method for safety evaluation of nanomaterials
Bio-Med. Mater. Engineering , 19 , 19-27  (2009)
原著論文3
T.Yamada,R.Nakaoka, R.sawada et al.
Effects of intracerebrral microinjection of hydroxylated-[60]fullerene on brain monoamine concentrations and locomotor
J.Nanosci.Nanotechnol. , 10 , 604-611  (2010)
原著論文4
M.Tamai,K.Isama, R.Nakaoka et al.
Synthesis of novel β-tricalcium phosphate/hydroxyapatite biphasic calcium phosphate containing niobium ions and evaluation of its osteogenic properties
J.Artificial Organs , 10 , 22-28  (2007)
原著論文5
S.Ahmed, T.Tsuchiya, M.Nagahata-Ishiguro et al.
Enhancing action by sulfated hyaluronan on connexin-26, -32 and -43 gene expressions during the culture of normal human astrocytes
J Biomed.Mater,Res. , 90 (3) , 713-719  (2009)
原著論文6
T.Yamada, R.Sawada, T.Tsuchiya
The effect of sulfated hyaluronan on the morphological transformation and activity of cultured human
Biomaterials , 29 , 3503-3513  (2008)
原著論文7
T.Yamada, DY.Jung, R.Sawda et al.
Effects of intracerebral microinjection and intraperitoneal injection of [60]fullerene on brain functions differ in rats.
J. Nanosci. Nanotechnol. , 8 (8) , 1-9  (2008)
原著論文8
T.Yamada, DY.Jung, R.Sawda et al.
Intracerebral microinjection of stannous 2-ethylhexanoate affectrs dopamine turnover in cerebral cortex and locomotor activity in
J. Biomed. Mater.Res. , 87 (2) , 381-386  (2008)
原著論文9
迫田秀行、チョントクホン、佐藤道夫 他
人工関節の不具合要因分析
日本臨床バイオメカニクス学会誌 , 29 , 361-365  (2008)
原著論文10
迫田秀行、チョントクホン、佐藤道夫 他
微小試験片を用いた人工関節用UHMWEの疲労特性評価
日本臨床バイオメカニクス学会誌 , 29 , 367-372  (2008)
原著論文11
迫田秀行、石川 格、チョントクホン 他
微小試験片を用いた高密度架橋ポリエチレンの疲労特性評価
日本臨床バイオメカニクス学会誌 , 30 , 263-268  (2009)
原著論文12
迫田秀行、チョントクホン、佐藤道夫 他
人工関節の不具合要因分析 第二報 人工股関節
日本臨床バイオメカニクス学会誌 , 30 , 319-323  (2009)
原著論文13
M.Tsunoda, T.Yoshida, M.Tsuji et al.
The effects of dibutyltin(DBT) dichloride on the viability and the productions of tumor necrosis factor and interleukin-12 in murine macrophage cell line , J774.1.
Biomedical Research on Trace Elements , 19 (1) , 67-71  (2008)
原著論文14
M.Tsuji, Y.Inoue, C.Sugiyama et al.
Higher toxicity of dibutyltin and poly-L-lactide with a large amount of tin but lower toxicity of poly-L-lactide of synthetic artificial dura matter exhibited on murine astrocyte cell line
YAKUGAKU ZASSHI , 130 (6) , 847-855  (2010)
原著論文15
B.Hexig, R.Nakaoka, T.Tsuchiya
Safety evaluation of surgical materials by cytotoxicity test
J. Artif. Organs , 11 , 204-211  (2008)
原著論文16
東藤 貢、長嶺隆二、高橋祐二
PS型人工膝関節における繰り返し屈曲動作と脛骨インサートの塑性変形の関係について
日本臨床バイオメカニクス学会誌 , 29 , 381-387  (2008)
原著論文17
東藤 貢、長嶺隆二、高橋祐二
医療画像に基づく3次元膝関節モデルの構築と人工膝関節の応力解析への応用
日本臨床バイオメカニクス学会誌 , 30 , 339-346  (2009)
原著論文18
M.Todo, Y.Takahashi, R.Nagamine
Stress analysis of artificial knee joints under flexion and rotation
Tribology Online , 3 , 211-215  (2008)
原著論文19
M.Ohta, N.Fujimura, L.Augsburger et al.
Subtracted vortex centers path line method with cinematic angiography for measurement of flow speed in cerebral aneurysms
Neurological Research , 30 , 251-255  (2008)
原著論文20
M.Ohta, C.He, T.Nakayama et al.
Three-dimentional reconstruction of a cerebral stent using micro-CT for computational simulation
Journal of Intelligent Material Sustem and Structure , 19 , 313-318  (2008)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
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