未分類疾患の情報集約に関する研究

文献情報

文献番号
200936222A
報告書区分
総括
研究課題名
未分類疾患の情報集約に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-167
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
林 謙治(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 熊川 寿郎(国立保健医療科学院 経営科学部)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 人材育成部)
  • 加藤 則子(国立保健医療科学院 生涯保健部)
  • 土井 由利子(国立保健医療科学院 研修企画部)
  • 緒方 裕光(国立保健医療科学院 研究情報センター)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 政策科学部)
  • 岡本 悦司(国立保健医療科学院 経営科学部)
  • 児玉 知子(国立保健医療科学院 人材育成部)
  • 瀧本 秀美(国立保健医療科学院 生涯保健部)
  • 藤原 武男(国立保健医療科学院 生涯保健部)
  • 武村 真治(国立保健医療科学院 公衆衛生政策部)
  • 鈴木 元(国際医療福祉大学)
  • 羽田 明(千葉大学大学院医学研究院)
  • 稲澤 譲治(東京医科歯科大学)
  • 神谷 俊明(独立行政法人国立病院機構埼玉病院診療部)
  • 川井 充(独立行政法人国立病院機構東埼玉病院)
  • 園田 至人(独立行政法人国立病院機構南九州病院)
  • 高橋 理(聖路加国際病院一般内科)
  • 大曲 貴夫(静岡がんセンター 感染症科)
  • 新井 勝大(国立成育医療センター第一専門診療部消化器科)
  • 水島 洋(東京医科歯科大学 大学院疾患生命科学研究部)
  • 佐藤 元(東京大学大学院医学系研究科)
  • 大澤 幸生(東京大学大学院工学系研究科)
  • 西原 陽子(東京大学大学院工学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
130,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
極めて希少性が高く、疾患概念が確立していない未分類疾患に関して、網羅的かつ体系的に情報を収集し、効果的かつ効率的に情報を集約・分析し、疾患概念の確立のために必要な情報を提供するための方法を開発し、未分類疾患情報システムの構築のための具体的な方策を検討する。
研究方法
未分類疾患情報の収集に関する研究(特定疾患研究班からの収集、小児専門病院からの収集、病院ベースの収集、患者からの収集、既存の情報・データを用いた収集、病態解明に向けた原因不明先天異常バイオリソースの構築と潜在的ゲノム構造異常解析、境界領域の膠原病の疾患概念確立へのアプローチ、疾病モニタリングシステムの構築)、未分類疾患情報の集約・分析に関する研究(希少情報のデータ分析手法の検討、未分類疾患の分類方法の検討、疾患同定支援ツールの検討、臨床オミックスデータベースとパーソナルヘルスレコードを用いた症状データの集約)、難治性疾患の疾患発見・疾患概念確立プロセスの分析、未分類疾患情報システムの国際比較研究を実施した。
結果と考察
未分類疾患の情報を収集する方法として、「既存の情報源・情報経路から収集する方法」と「新たな情報源・情報経路から収集する方法」に大別できる。
前者に関しては、サーベイランスシステムが代表的であるが、その他に、国内外の論文、症例報告、学会発表(臨床系の学会の地方会の抄録など)、臨床調査個人票、レセプト、各種統計、電子カルテなども利用可能である。しかしこれらのデータは膨大であり、その中から希少な未分類疾患に関連する重要な情報を抽出する方法を確立する必要がある。
後者に関しては、未分類疾患の可能性のある症例等に関するある程度標準化された情報を収集することが可能である反面、情報の提供やデータの入力の負担が大きいという問題がある。したがって「診断支援機能」、類似症例を検索できる「レファレンス機能」、研究の推進に活用できる「症例情報共有機能」、専門医からの助言を得られる「コンサルテーション機能」など、自発的なデータ入力を促進するためのインセンティブ、情報提供によって得られるメリットを導入する必要がある。
結論
情報システムに求められる機能は、一般臨床医、専門医、病院、学会、研究班、あるいは患者などによって異なるため、それぞれのニーズに適合した個別の情報システムを構築し、既存のサーベイランスなどを含めたあらゆる情報システムから未分類疾患情報を集約・分析し、その結果を個々のシステムにフィードバックし、疾患概念の確立に活用してもらうような未分類疾患情報システムの「ネットワーク」を開発する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-10-28
更新日
-