文献情報
文献番号
202327010A
報告書区分
総括
研究課題名
妊産婦の栄養・食生活の実態把握と効果的な支援のための研究
課題番号
23DA0101
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
森崎 菜穂(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 瀧本 秀美(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
- 板倉 敦夫(順天堂大学 大学院医学研究科)
- 杉山 隆(国立大学法人愛媛大学 大学院医学系研究科)
- 鈴木 俊治(日本医科大学 医学部 女性生殖発達病態学)
- 和栗 雅子(大阪府立母子保健総合医療センター 母性内科)
- 幸村 友季子(浜松医科大学 産婦人科)
- 小川 浩平(国立成育医療研究センター 産科)
- 石塚 一枝(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
13,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
妊娠中の栄養摂取を含む食生活は、母児の健康に大きく影響を与えるため、適切な食生活を送れるよう保健指導・栄養指導が行える体制の推進は重要である。そこで、本研究では、①妊娠中の体重増加に関する保健・栄養指導の実態把握、②妊婦の体格別の栄養摂取・食生活・体重増加の実態把握、③適切な栄養・食生活・栄養摂取に関するエビデンス算出を行うことを目的としている。
研究方法
初年度である令和5年度は、①においては日本産科婦人科学会、日本産科婦人科医会、および日本糖尿病・妊娠学会の協力のもと、産科における体重指導の実態、および妊娠糖尿病(GDM)妊婦・糖尿病合併妊娠の体重・栄養指導の実態を調べる全国調査を実施した。また、②においては妊娠中の体重管理アプリ情報の二次利用により近年(2020-2023年)の体重増加量の変遷を把握し、また自治体および妊婦健診実施施設における調査実施の準備を行った。③においては、一般妊婦における適切な体重増加量の算出を行い、妊娠糖尿病妊婦におけるそれの分析を開始した。また、妊娠前体格・体重増加量別の食物・栄養素摂取量の分析のために、2000年以降に実施された妊婦を対象とした食事記録情報の収集を開始した。
結果と考察
「妊娠中の体重増加の指導目安(2021)」は全国の分娩施設に浸透しつつあるもののさらに普及率を上昇させる必要があること、また妊娠前の体型や血糖管理の状況により体重管理指標を分けるべきかどうかについては意見が分かれていることが明らかになった。
妊娠中の体重増加追跡アプリのデータの二次解析から、体重増加の指導の目安が改定された以後は、低体重、普通体重、肥満1度の妊婦では体重増加が適正である割合が増加した一方で、体重増加の指導の目安量が改定されなかった肥満2度の妊婦においては体重増加が適正値である者の割合が減少していていることが明らかになった。
「妊娠中の体重増加の指導目安(2021)」の根拠となる論文が刊行された。
妊娠中の体重増加追跡アプリのデータの二次解析から、体重増加の指導の目安が改定された以後は、低体重、普通体重、肥満1度の妊婦では体重増加が適正である割合が増加した一方で、体重増加の指導の目安量が改定されなかった肥満2度の妊婦においては体重増加が適正値である者の割合が減少していていることが明らかになった。
「妊娠中の体重増加の指導目安(2021)」の根拠となる論文が刊行された。
結論
本年度は、体重増加に関する保健・栄養指導の実態把握を目的とした全国調査を実施し、適切な栄養・食生活・栄養摂取に関するエビデンス算出を目的とした分析を実施すると共に、BMI別・妊娠期別の栄養摂取・食生活・体重の把握を目的とした、妊婦への全国縦断調査のための研究資材の作成を行った。
公開日・更新日
公開日
2024-07-31
更新日
-