文献情報
文献番号
200936102A
報告書区分
総括
研究課題名
道化師様魚鱗癬の治療のための指針の作成と新規治療戦略の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-047
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
秋山 真志(北海道大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 芝木 晃彦(北海道大学 北海道大学病院)
- 阿部理一郎(北海道大学 北海道大学病院)
- 有田 賢(北海道大学 北海道大学病院)
- 鈴木 民夫(山形大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
道化師様魚鱗癬は、出生時より全身皮膚が非常に厚い角層に覆われた最重症の遺伝性皮膚疾患であり、新生児期の死亡例が多い。我々は、本症の全国的な疫学調査のデータに基づき、本疾患の実践的な治療指針の作成を目的とする。また、モデルマウスを用いた治療実験を行い、新規治療法、胎児療法の確立、臨床応用を目指す。本症に対する新規治療法は、アトピー性皮膚炎の病因として注目されているフィラグリン遺伝子変異による皮膚バリア障害や、軽症の魚鱗癬の治療へと応用され得る。
研究方法
本研究では、本症の疫学調査の結果から、本疾患の実践的な治療指針を作成する。さらに、モデルマウスを用いた治療実験を行い、新規治療法、胎児療法を確立し、臨床応用を目指す。
具体的研究計画としては、平成21年度に、道化師様魚鱗癬診断基準の確認作業と道化師様魚鱗癬の疫学調査の結果に基づいた治療実態の把握と新たにリクルートした家系について、ABCA12病因遺伝子変異の同定を行った。
具体的研究計画としては、平成21年度に、道化師様魚鱗癬診断基準の確認作業と道化師様魚鱗癬の疫学調査の結果に基づいた治療実態の把握と新たにリクルートした家系について、ABCA12病因遺伝子変異の同定を行った。
結果と考察
I 道化師様魚鱗癬診断基準の確認
これまでの多くの臨床経験から、道化師様魚鱗癬の診断にとって重要と考えられてきた所見、データをまとめて、客観的な診断基準を、再度確認する。診断に重要な所見は、出生時からの全身の板状の厚い鱗屑、重篤な眼瞼外反、口唇の突出開口、耳介の低形成、他臓器合併障害が認められないこと等からなる。
II 道化師様魚鱗癬の治療実態の把握
道化師様魚鱗癬の疫学調査のデータから、本症の発症率、合併症、予後、死亡例では死因、さらに、現在、行われている治療法とその有効性を明らかにしつつあり、平成22年度も引き続き、この作業をつづける。
III 道化師様魚鱗癬病因遺伝子変異の同定
これまで申請者の研究室でABCA12遺伝子変異検索をした20家系以上の道化師様魚鱗癬家系に加え、新たに多数の道化師様魚鱗癬家系を集め、ABCA12遺伝子変異検索を行った。
これまでの多くの臨床経験から、道化師様魚鱗癬の診断にとって重要と考えられてきた所見、データをまとめて、客観的な診断基準を、再度確認する。診断に重要な所見は、出生時からの全身の板状の厚い鱗屑、重篤な眼瞼外反、口唇の突出開口、耳介の低形成、他臓器合併障害が認められないこと等からなる。
II 道化師様魚鱗癬の治療実態の把握
道化師様魚鱗癬の疫学調査のデータから、本症の発症率、合併症、予後、死亡例では死因、さらに、現在、行われている治療法とその有効性を明らかにしつつあり、平成22年度も引き続き、この作業をつづける。
III 道化師様魚鱗癬病因遺伝子変異の同定
これまで申請者の研究室でABCA12遺伝子変異検索をした20家系以上の道化師様魚鱗癬家系に加え、新たに多数の道化師様魚鱗癬家系を集め、ABCA12遺伝子変異検索を行った。
結論
本症に対する新規治療法は、広く、アトピー性皮膚炎の病因として注目されているフィラグリン遺伝子変異による皮膚バリア障害や、軽症の魚鱗癬の治療へと応用され得る。また、本研究で作成される治療指針を用いることにより、全国の診療施設において、迅速、かつ、適切に道化師様魚鱗癬の治療を行える様になり、本症の予後の改善に寄与するであろう。
公開日・更新日
公開日
2010-05-17
更新日
-