「健康食品」の安全性・有効性情報データベースを活用した健康食品の安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
202323035A
報告書区分
総括
研究課題名
「健康食品」の安全性・有効性情報データベースを活用した健康食品の安全性確保に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KA2002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
瀧本 秀美(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 種村 菜奈枝(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部)
  • 鎌尾 まや(神戸薬科大学 エクステンションセンター)
  • 荒木 通啓(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 AI栄養研究チーム・AI健康医薬研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
17,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、健康食品の利用に伴う健康被害の未然・拡大防止のため、効果的な「健康食品」の安全性・有効性情報サイト(以下、HFNet)の活用法を検討することであった。
研究方法
研究1)「健康食品」の安全性・有効性情報の活用
本研究は、専門家や消費者におけるHFNetの活用実態調査を参考に利用者に利活用されやすい情報提供を検討した。

研究2)アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の現状把握および活用の検討
本研究は、次の2つのアンケート調査を行った。
(1) 消費者を対象とした健康サポート薬局の利活用調査
(2) 薬剤師を対象とした専門資格の認知と利活用調査

研究3)医薬品との相互作用検索システムの構築
文献情報を利用して、健康食品素材による薬物代謝酵素(CYP)への影響を網羅的にスクリーニングし、両データを用いて医薬品との相互作用の検索システムを構築した。
結果と考察
研究1)「健康食品」の安全性・有効性情報の活用
サプリメントを正しく利用するための普及啓発として、次の2点を検討した。
(1) 効果的なコミュニケーション方策
(2) 行動科学の知見を活かした普及啓発
今後の課題として、新たな普及啓発効果を測定するための妥当な指標や評価方法の開発が必要であると考えられた。

研究2)アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の現状把握および活用の検討
消費者を対象とした調査では、アドバイザリースタッフ・健康食品領域研修認定薬剤師といった専門資格保有者の存在を認知している者は 5~7%であり、低年齢層で認知度が高い傾向であった。また、専門資格保有者の存在の望ましい周知方法として「店頭へのポスター掲示」、「インターネット等への掲載」、相談先として「薬局、薬店、ドラッグストア」、「医療機関」を挙げる者が多く、相談方法としては対面での相談を希望する者が多かった。これらの調査結果より、専門資格保有者の存在の認知度向上が、健康食品の適正利用や健康被害の未然防止の鍵になると考えられた。

研究3)医薬品との相互作用検索システムの構築
健康食品と医薬品の相互作用情報の収集において、KEGG DRUG(日本、米国、欧州の医薬品情報を一元的に集約したデータベース)情報から、薬物代謝酵素(CYP)に関するデータを抽出し、医薬品と酵素の関係性のリスト化と医薬品・酵素のネットワーク可視化について検討を行った。また、文献情報データベース PubMedから健康食品素材とCYP関連論文の抽出後、EGG DRUG およびPubMed の両情報を統合し、健康食品と医薬品の相互作用情報を探索するための言語処理・ネットワーク解析方法を検討した。当該方法により、抽出情報をデータベース化するとともに、データキュレーションのための検索システムを構築した。
結論
HFNetの利用者(専門家/消費者)の意見等を把握した上で、情報拡充を行うとともに、HFNetの機能拡充をさらに目指した実用的な基盤構築を行った。専門資格者と消費者との接点に対する整備事項を抽出したが、健康食品の利用に伴う健康被害の未然・拡大防止策へ知見を活かす予定である。

公開日・更新日

公開日
2024-09-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-09-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202323035B
報告書区分
総合
研究課題名
「健康食品」の安全性・有効性情報データベースを活用した健康食品の安全性確保に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KA2002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
瀧本 秀美(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 種村 菜奈枝(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)
  • 鎌尾 まや(神戸薬科大学)
  • 荒木 通啓(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
令和5年度 代表者交替 (変更前)医薬基盤・健康・栄養研究所 千葉剛 (変更後)医薬基盤・健康・栄養研究所 瀧本秀美

研究報告書(概要版)

研究目的
健康寿命の延伸のためのセルフケアとして健康食品の活用が推奨される一方で、プエラリア・ミリフィカを含有する健康食品の利用が原因と思われる健康被害が多発した。この事態を受け、食品衛生法が一部改正され2020年6月1日より施行され「特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集」について規定されている。
本研究は、健康食品を適切かつ安全に利用するための直接的/間接的な環境整備を行うことを目的に、健康食品による健康被害の未然拡大防止のためHFNet活用法を検討した。
研究方法
本研究は、健康食品の利用による健康被害の未然・拡大防止のため「「健康食品」の安全性・有効性情報サイト」(以下、HFNet)の活用法を検討するものであり、次の3つのサブ研究により、健康食品を適切かつ安全に利用するための環境整備を行った。
研究1)「健康食品」の安全性・有効性情報の活用
 「健康食品」の安全性・有効性情報の活用
研究2)アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の現状把握および活用の検討
研究3)医薬品との相互作用検索システムの構築
結果と考察
研究1)「健康食品」の安全性・有効性情報の活用
〇 直接的な環境整備に資する成果物
1) 新HFNet一般公開、新たなコミュニケーション方策の検討として、2) 行動科学の知見を活用した全国の健康サポート薬局を対象としたサプリメント適切利用に関する啓発ポスター配布を通した関連団体との周知活動、3)普及啓発理論を活用した妊婦を対象とした視覚教材の開発と一般公開、4) 一般消費者における新HFNet認知向上を目的とした公式アンバサダーのキャラクター(2023年/商標登録)を最終成果物して公表した。

研究2)アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の現状把握および活用の検討
〇 間接的な環境整備に資する成果物
アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の認知度向上と健康被害情報報告推進を目的とした1)HFNetによる情報発信、2)アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の養成団体における情報共有活動、アドバイザリースタッフ・認定薬剤師の活躍の場の検討として3)健康サポート薬局を含む薬局の活用の提言、3)保健機能食品の活用の提言を最終成果物として公表した。

研究3)医薬品との相互作用検索システムの構築
〇 間接的な環境整備に資する成果物
1) 相互作用に関する網羅的手法、2) 健康被害報告に対する意識改善策を目的とした情報の活用方策の例示を最終成果物して公表した。
結論
健康食品による健康被害の未然・拡大防止のためにHFNet活用法を検討後、一般消費者が健康食品を適切かつ安全に利用するための直接的/間接的な視点で環境整備を行った。
これらは、今後も継続的に発展させることが肝要であることから取り組みの継続が必要である。

公開日・更新日

公開日
2024-09-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-09-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202323035C

成果

専門的・学術的観点からの成果
〇 行動科学の知見を活かした普及啓発の検討
健康食品を利用する者の質的な特性のうち、適切な摂取行動の制御因子を明らかにした。

〇 アドバイザリースタッフ等の活用に関する検討
アドバイザリースタッフ等を擁する薬店等において店頭ポスター掲示等による周知を促すと共に、専門家による対面での相談応需が期待されていることが明らかになった。

〇 健康食品と医薬品との相互作用検索システムの構築
健康食品と医薬品との相互作用に関する情報を探索するための言語処理・ネットワーク解析方法について検討した。
臨床的観点からの成果
〇 行動科学の知見を活かした普及啓発の検討
厚生労働省や専門家等との意見交換を踏まえ、健康食品を適正利用するための普及啓発ポスターの作成ならびに全国の健康サポート薬局等へ配布した。

〇 アドバイザリースタッフ等の活用に関する検討
アドバイザリースタッフ等の認知向上と健康被害報告推進を目的とした消費者への情報提供、アドバイザリースタッフ等の養成団体への情報共有を行った。

〇 健康食品と医薬品との相互作用検索システムの構築
検索システムの構築により、HFNetの情報拡充と補完に向け、実用的な基盤構築を行った。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
該当なし
その他のインパクト
・啓発活動(全国自治体でのリスクコミュニケーション)
・啓発活動(サプリメント適正利用・普及啓発ポスター)
・啓発動画(一般消費者向け動画・身近に潜むリスク等)
・アドバイザリースタッフ制度普及に関する講演
・HFNet/普及啓発 公式アンバサダー 4件 商標登録

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
6件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
4件
講演1件、シンポジウム1件、全国の健康サポート薬局への普及啓発ポスター配布(厚生労働省との共同制作)1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2024-09-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
202323035Z