環境中における薬剤耐性菌及び抗微生物剤の調査法等の確立のための研究

文献情報

文献番号
202318002A
報告書区分
総括
研究課題名
環境中における薬剤耐性菌及び抗微生物剤の調査法等の確立のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21HA1002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
金森 肇(東北大学 大学院医学系研究科 内科病態学講座 総合感染症学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 松永 展明(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター)
  • 黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター )
  • 山口 進康(大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部 生活環境課)
  • 楠本 正博(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門)
  • 渡部 徹(山形大学 農学部)
  • 東 剛志(大阪医科薬科大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
6,331,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
環境水中の薬剤耐性および抗菌薬の標準的な調査法を確立し、本邦の環境AMRに関する動向調査を進めていく。本研究班では、1) 環境中の薬剤耐性菌のヒト及び動物へのリスクや曝露に対する介入の有効性についての国内外の資料を収集し、文献レビューを実施する。2) 環境水の薬剤耐性を評価するための方法を確立する。3) サーベイランスを継続し、本邦における環境水の薬剤耐性菌及び抗菌薬の実態を調査する。4) 環境中の薬剤耐性菌のゲノム情報を解析し、本邦の臨床・家畜由来薬剤耐性菌のゲノム情報データベースと比較検討することで薬剤耐性ワンヘルス・アプローチの完成を図る。5) 本研究結果を統合し、環境中の薬剤耐性や抗菌薬がヒト及び動物へ与える影響についてリスクアセスメントを行う。
研究方法
令和5年度において、環境中の薬剤耐性及び抗菌薬の調査法の確立に向けた研究を行い、日本における環境水の薬剤耐性の実態調査を実施した。また、環境中の薬剤耐性がヒトに与える影響を検討するため、文献レビューとリスクアセスメントを行った。
結果と考察
環境AMRモニタリングに資する作業手順書を確立し、さらに全国展開するための体制が整備された。下水処理場放流水の全国的なサーベイランスの継続、地域におけるメタゲノム解析および培養法による環境水中の薬剤耐性モニタリングは、薬剤耐性因子の全体像を理解し、薬剤耐性の実態把握に必要と考えられた。環境水の抗菌薬の測定法と抗菌薬濃度の推計法は環境水中の抗菌薬の調査方法を確立するための基礎データを提供した。
結論
日本における環境水中の薬剤耐性および抗菌薬の実態調査を継続し、薬剤耐性ワンヘルスの観点から薬剤耐性対策を推進していくことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2025-06-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-06-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202318002B
報告書区分
総合
研究課題名
環境中における薬剤耐性菌及び抗微生物剤の調査法等の確立のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21HA1002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
金森 肇(東北大学 大学院医学系研究科 内科病態学講座 総合感染症学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 松永 展明(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター)
  • 黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター )
  • 山口 進康(大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部 生活環境課)
  • 楠本 正博(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門)
  • 渡部 徹(山形大学 農学部)
  • 東 剛志(大阪医科薬科大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、1) 環境中の薬剤耐性菌のヒト及び動物へのリスクや曝露に対する介入の有効性についての国内外の資料を収集し、文献レビューを実施する。2) 環境水の薬剤耐性を評価するための方法を確立する。3) サーベイランスを継続し、本邦における環境水の薬剤耐性菌及び抗菌薬の実態を調査する。4) 環境中の薬剤耐性菌のゲノム情報を解析し、本邦の臨床・家畜由来薬剤耐性菌のゲノム情報データベースと比較検討することで薬剤耐性ワンヘルス・アプローチの完成を図る。5) 本研究結果を統合し、環境中の薬剤耐性や抗菌薬がヒト及び動物へ与える影響についてリスクアセスメントを行う。
研究方法
令和3年度~5年度において、環境中の薬剤耐性および残留抗菌薬の調査法の確立に向けた研究を実施した。本研究班における研究代表者および研究分担者は、1) 環境中の薬剤耐性のヒト感染症へのリスク評価(金森)、2) 薬剤耐性ワンヘルスのデータ比較解析と文献レビューに基づくリスクアセスメント(松永)、3) 環境中の薬剤耐性の調査方法と薬剤耐性菌ゲノム情報解析(黒田)、4) 大都市圏の環境水調査(山口)、5) 環境中の薬剤耐性の家畜感染症へのリスク評価(楠本)、6) 残留抗菌薬の調査方法の確立と評価(渡部)、7) 環境中の抗菌薬の調査方法と薬剤耐性へのリスク評価(東)を担当した。
結果と考察
本研究班では環境中の薬剤耐性および残留抗菌薬の調査法の確立に向けた研究を行い、下水のメタゲノム解析法による薬剤耐性モニタリングに資する作業手順書を作成し、さらに全国展開するための体制が整備された。下水処理場の放流水検体のメタゲノム解析の結果、処理場管轄の地域事情に見合った細菌種を検出し、多様な薬剤耐性遺伝子の存在比を明らかにした。対象地域の都市下水、病院排水、養豚場の下水における薬剤耐性菌および耐性遺伝子の検出、下水処理水および病院排水の抗菌薬分析を行い、環境水の薬剤耐性の実態を明らかにした。環境水の薬剤耐性菌および抗菌薬の調査方法の確立に向けた研究を実施し、下水処理場放流水の全国的なサーベイランスの実施、地域におけるメタゲノム解析および培養法による環境水中の薬剤耐性モニタリングは、薬剤耐性因子の全体像を理解し、薬剤耐性の実態把握に有用である。環境水の抗菌薬の測定法と抗菌薬濃度の推計法は環境水中の抗菌薬の調査方法を確立するための基礎データとなる。文献レビュー結果に基づくリスクアセスメントは、日本の下水AMRの現状と課題を知る上で有用な資料となる。
結論
今後考えられる課題として、(1)日本の医療・高齢者施設における環境AMRの実態調査を行い、AMR汚染の改善策を検討する、(2)ワンヘルスプラットフォームからデータを取得し、AMRにおける環境分野とヒト分野のリスク評価を継続する、(3)下水処理場流入水の薬剤耐性と残留抗菌薬を評価する、(4)調査を継続して知見の収集に努めるとともに、環境中の抗菌薬濃度推定の有効性と調査方法の標準化及びハイスループット解析の評価を検討することが挙げられる。

公開日・更新日

公開日
2025-06-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202318002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
下水のメタゲノム解析法による薬剤耐性モニタリングに資する作業手順書を作成し、さらに全国展開するための体制が整備された。下水処理場の放流水検体のメタゲノム解析の結果、処理場管轄の地域事情に見合った細菌種を検出し、多様な薬剤耐性遺伝子の存在比を明らかにした。対象地域の都市下水、病院排水、養豚場の下水における薬剤耐性菌および耐性遺伝子の検出、下水処理水および病院排水の抗菌薬分析を行い、環境水の薬剤耐性の実態を明らかにした。
臨床的観点からの成果
環境水の薬剤耐性菌および抗菌薬の調査方法の確立に向けた研究を実施し、下水処理場放流水の全国的なサーベイランスの実施、地域におけるメタゲノム解析および培養法による環境水中の薬剤耐性モニタリングは、薬剤耐性因子の全体像を理解し、薬剤耐性の実態把握に有用である。環境水の抗菌薬の測定法と抗菌薬濃度の推計法は環境水中の抗菌薬の調査方法を確立するための基礎データとなる。
ガイドライン等の開発
文献レビュー結果に基づくリスクアセスメントは、日本の下水AMRの現状と課題を知る上で有用な資料となる。
その他行政的観点からの成果
薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会の薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書で環境分野を担当した。
その他のインパクト
学術講演会や論文を通して、環境中の薬剤耐性における現状と課題について研究成果を発表した。

発表件数

原著論文(和文)
7件
原著論文(英文等)
16件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
29件
学会発表(国際学会等)
3件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
3件
薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書(4)環境
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2025-05-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
202318002Z