ヘルスケア ICT ツールを通じた PHR の利活用による行動変容促進モデル構築のための研究

文献情報

文献番号
202308034A
報告書区分
総括
研究課題名
ヘルスケア ICT ツールを通じた PHR の利活用による行動変容促進モデル構築のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1007
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 雄大(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 研究所糖尿病情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 東 尚弘(国立大学法人 東京大学 大学院医学系研究科公衆衛生学分野)
  • 後藤 励(慶應義塾大学 経営管理研究科)
  • 徳渕 慎一郎(株式会社JMDC)
  • 玉浦 有紀(新潟県立大学 人間生活学部健康栄養学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
6,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、厚生労働省が推進するPersonal Health Record (PHR)サービスを俯瞰するとともに、PHRサービスの利活用に関わる要因の探究と、PHRサービスの利活用とアウトカムとの関連の検討を行うことである。また、個々に最適なPHRサービスの提供について検討するとともに、PHRサービスの利活用による行動変容促進モデルの構築を目指す。厚生労働省はマイナポータルを通じて個人に健診情報等を提供し、個人が自身の健康状態を理解し、健康行動に対する態度が変わることによって健康状態の改善を目指している。しかし、PHRサービスの効果に関する学術的根拠は依然として乏しく、標準的なサービス展開モデルも確立されていない。さらに、PHRサービスは多様であり、サービス内容や提供方法にも大きな異質性が存在する。
研究方法
本研究は、【PHRサービスの全体像の俯瞰に関する研究】、【データに基づく行動変容効果の検証に関する研究】、【行動変容促進モデルの構築に関する研究】の大きな3つのテーマにわけて行った。
結果と考察
【1. PHRサービスの全体像の俯瞰に関する研究】
本邦におけるPHRサービスの定義や経緯を整理し、PHRサービスと行動変容との関連についての先行文献を調査した。関連文献のレビューは、国内外の研究を対象とし、特にアンブレラレビューを実施することで効率的な文献調査を行った。PHRサービスの定義に関しては、複数の定義が存在することが確認され、海外の文献レビューにおいても、PHRサービスの定義や機能に関連する多様な用語や概念が確認された。PHRサービスの定義や機能に関する多様性がPHRサービスの効果検証や標準化の障壁となっていることが示唆された。
【2. データに基づく行動変容効果の検証に関する研究】
本邦のPHRサービスの分類を行うとともに、分析データ提供に協力する参画企業の募集方針を整理した。参画企業の募集方針について厚生労働省健康局と協議の結果、株式会社JMDCからデータ提供を受ける一方で、他の企業からも参画を募ることとした。募集方針に則り、参画企業の公募と有望企業への声かけを実施した結果、株式会社JMDCに加え、食事管理機能を中心とするPHRサービスを提供するライフログテクノロジー株式会社からも研究参画の同意を得た。また、PHRサービスの利用者属性とPHR利用との関連、およびPHR利活用と医療アウトカムとの関連を検討するための分析方針を確定し、分析方針を達成するために必要となるデータの抽出要件を確定し、データ提供を受ける準備を整えた。
【3. 行動変容促進モデルの構築に関する研究】
PHR利活用による行動変容促進モデルの構成概念を抽出するため、(1)PHR利用者を対象とした無記名自記式Web質問票調査【対象者側観点】、(2)PHRを用いた保健指導実施者を対象としたフォーカスグループインタビュー調査【支援者側観点】を実施した。
結論
【PHRサービスの全体像の俯瞰に関する研究】については本邦におけるPHRサービスの俯瞰およびPHRサービスに関連する文献のレビューを行い、PHRの概念とそれに相当する単語が複数あることがわかり、これらの状況を概説することの重要性が示唆された。【データに基づく行動変容効果の検証に関する研究】については、参画企業の公募を行うとともに、有望企業への声かけを実施した結果、株式会社JMDCとライフログテクノロジー株式会社から研究参画の同意を取り付けた。【行動変容促進モデルの構築に関する研究】については、PHRの利活用による行動変容には、対象者の健康状態(保健指導レベルや受診勧奨状況)や、行動変容に対する態度(行動変容ステージ)、ITリテラシー等を考慮した「サポート形態(支援法)」や「標的行動」の検討が必要となる可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2024-08-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-08-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202308034Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,000,000円
(2)補助金確定額
8,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,352,469円
人件費・謝金 2,971,961円
旅費 114,754円
その他 1,714,816円
間接経費 1,846,000円
合計 8,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-01-08
更新日
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