バイオリスク管理の包括的強化及び必要な教材等の開発と実践の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200931024A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオリスク管理の包括的強化及び必要な教材等の開発と実践の評価に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 和良(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 佐多 徹太郎(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 鹿住 祐子(財団法人結核予防会 結核研究所)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 藤本 秀士(九州大学医学研究院 保健学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
42,648,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオリスク管理の重要な因子であるリスクの認知、バイオセーフティリスクとバイオセキュリティリスクの正確な評価、的確な対策の選択を可能にし、バイオリスクを低減する包括的管理システムを確立する為には、運用者であり実施者である人材育成と関係者の教育訓練がすべてである。人材育成と関係者の教育訓練の仕組みの構築、教材の作成、教育カリキュラム、評価方法についての研究を行い、バイオリスク教育の基本的教材と教育体系の基礎の構築とそれを通じたバイオリスク管理の強化を行う。
研究方法
バイオリスク管理に関する国内外の情報の収集、整理、関係法規の理解促進、アンケート調査やワークショップ等を通じた正確な知識の普及、シミュレーションによる具体的事例の収集とその成果の分析結果の報告を行った。最新のWEB学習、WEBキャスト、ロールプレイ等を手法として順次効果を検証し、国際的研究協力により実用化に向けて研修プログラム開発を継続した。習慣となっている手順などの科学的検証実験を行い、学会での成果物の発表、研修での使用、バイオリスクの評価プログラム開発を行い、病原体輸送についての基本的知識をまとめた。
結果と考察
初年度目標の基礎固めと材料の収集を引き続き継続した。国内の病原体取扱機関のバイオリスク管理及び教育訓練の現状調査、大学、学会等でのリスクコミュニケーションの項目を加えたバイオリスク管理入門講座の実施、ニーズと知識のギャップを把握する為の質問票調査の複数回実施、英国版の専門官及び研究者講習の実施、講習効果の簡易検討、教育実習用の安全キャビネットと模型を用いた研修の実施、病原体輸送者と同乗者研修への協力と資料作成、病院関係者に対する結核菌等の取り扱いセミナーの実施、病原体輸送シミュレーション、WEB学習教材の作成と評価、リスク評価ツールのCD化の完了等を行い、実用性を確認している。また、管理専門官及び研究者用の講習プログラムの検討、各単元の講習資料と達成目標および評価試験の作成、封込め施設での作業者の実地訓練プログラム、電子申請を初めとした管理の簡素化案などが継続研究中である。
結論
当初予定通りに研究は進捗しており、教材、情報収集等については予想以上の成果を得ている。WEB学習などの実施成果の一部を解析し学会で報告した。成果物の提供とカリキュラムの作成、作成プログラムの評価と、総括提言が最終年度の課題として残っている。

公開日・更新日

公開日
2010-07-14
更新日
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