ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)による障害者自立支援機器の開発

文献情報

文献番号
200929019A
報告書区分
総括
研究課題名
ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)による障害者自立支援機器の開発
課題番号
H20-障害・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 神作 憲司(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 山海 嘉之(筑波大学大学院 システム情報工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
62,110,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、脳からの信号を計測しそれを利用して機器操作を行い、運動やコミュニケーションの補助、生活環境の制御などを行う、ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)技術を障害者が実際に使うべく開発し、障害者が失った機能を取り戻し、活動領域を拡張することを目的とする。
研究方法
BMI技術を障害者が実際に使うべく開発し、障害者が失った機能を取り戻し、活動領域を拡張させるために、BMIによる障害者自立支援機器の開発を行う。特に視覚刺激による脳波信号を用いて生活環境を制御する装置(BMI-ECS)を継続して開発し、また運動の補助に向けたBMI型上肢パワーアシストスーツの開発も行う。さらに、ロボットスーツHALを改良・活用する。
結果と考察
BMI-ECSの視覚刺激を工夫して、使用感を向上させることに成功した。そして、このシステムが頚髄損傷者にて安定して使用できることを確認した。さらに、拡張現実(AR)技術を組み合わせ、インテリジェントハウスやホスピタルの開発に向けた研究を行った。上記開発中のBMI-ECSを国産の装置上で実現化するための研究も続け、システム開発(ソフトウェア)を重点的に行った。また、運動の補助に向け、BMI型上肢パワーアシストスーツの開発も継続して行い、肘肩の多関節運動の補助に成功した。さらに、ロボットスーツHALを改良・活用し、下肢用試験システムの開発推進、ならびに、上肢用試験システム、把持動作支援用のハンド部を準備し、基礎実験を行った。
 BMIの研究開発をすすめていくためには、基礎医学・臨床医学と工学などの、分野間連携の推進が重要である。
結論
BMIを用いた生活環境制御装置による日常生活の補助や、コミュニケーションの補助、アシストスーツによる運動の補助を介して、障害者が失った機能を取り戻し、活動領域を拡張していく可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2010-09-22
更新日
-