妊活者を対象としたいわゆる健康食品(保健機能食品を除く)の提供・消費の実態把握と課題抽出、及び安全確保のためのリスクコミュニケーション方策の確立に向けた研究

文献情報

文献番号
202224045A
報告書区分
総括
研究課題名
妊活者を対象としたいわゆる健康食品(保健機能食品を除く)の提供・消費の実態把握と課題抽出、及び安全確保のためのリスクコミュニケーション方策の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KA3004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
和田 安代(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 上岡 洋晴(東京農業大学 地域環境科学部教養分野)
  • 新保 みさ(長野県立大学 健康発達学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,584,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
不妊治療を含む妊活(妊娠・出産を望み、そのために何らかの行動を起こしている者であり、不妊治療実施の有無を問わない。以下、妊活)を行っている者(以下、妊活者)におけるいわゆる「健康食品」(以下、健康食品)に関する意識と消費行動の実態を調査した研究はない。そこで、本研究では、妊活者を閲覧対象とした企業の広告戦略の分析や、妊活者での健康食品に関する消費行動等実態調査などを通して、妊活者における健康食品の消費行動実態を明らかにすることを目的とした。
研究方法
以下の3つのテーマに取り組んだ。
(1)企業の健康食品の広告戦略の分析
インターネットの検索エンジンにキーワード検索を実施した。キーワードは、「妊活」、「サプリメント」、「ランキング」とし、ヒットした上位5件の広告の情報サイトを採用した。対象となった情報サイトのランキングに入っている企業の商品の妊活に関するキャッチフレーズ(CF)を抽出した。33企業、34商品のCFをデータクリーニングし、計量テキスト分析を行った。
(2)妊活者への健康食品摂取等に関する調査-健康食品の消費行動等実態調査-
妊活中の女性900名を対象に、健康食品に関する調査をインターネットで行った。妊活に費やした累積金額を従属変数とした回帰分析および妊活に関連する因子の相関分析等を実施した。
(3)妊活者への健康食品摂取等に関する調査―妊娠の確率を上げるために摂取している者の特徴―
妊活者の適切な健康食品の利用に必要な戦略を検討するために、妊活者の健康食品等の摂取目的を調べ、摂取目的に妊娠の確率を上げることが含まれる者を誤認している者として抜き出し、その特徴を調べた。
結果と考察
(1)企業の健康食品の広告戦略の分析
テキストデータに含まれる文章数は487あった。総抽出語数は4,957語、その中で異なる種類の語は1,127語であった。妊活者を対象とした健康食品はサプリメントが多く、そのCFでは「妊活者をサポート」、「葉酸や多くの栄養成分を含む」、「母体や胎児、ひいては生まれてくる赤ちゃんの健康に役立つ」、「厚生労働省の推奨」、「安全のこだわり」などの特徴が多いことが明らかになった。
(2)妊活者への健康食品摂取等に関する調査-健康食品の消費行動等実態調査-
妊活に費やした累積金額を従属変数とした回帰分析を実施した結果、年齢、世帯収入、通院期間、妊活期間、食生活指針の認知、摂取健康食品の種類数、健康食品に費やした累積金額と関連があった。相関分析の結果では、通院期間と妊活期間に最も強い正の相関があり、通院期間と妊活に費やした累積金額にも強い正の関連があり、年齢は多くの因子と関連が認められた。
(3)妊活者への健康食品摂取等に関する調査―妊娠の確率を上げるために摂取している者の特徴―
解析対象者897名のうち、健康食品等の摂取目的で、妊娠の確率を上げるためを選択した者(妊娠確率向上目的群)は397名(44.3%)で、それ以外の者は500名(55.7%)だった。妊娠確率向上目的群の年齢の中央値(25%、75%タイル値)は33(30、38)歳でそれ以外の群(32(29、36)歳)と比べて高く(p<0.001)、妊活期間が長い者(p<0.001)、不妊治療の医療機関等や妊活コミュニティから情報を得ている者が多かった(p<0.001)。食生活では、副菜をとり(p=0.010)、健康食品等の種類数が多い者が多かった(p<0.001)。妊活者が自分に必要な栄養素の摂取のために健康食品等を安全に活用できるようにするためには、妊活者だけでなく、医療関係者や行政、企業を含めた取り組みが必要であることが示唆された。
結論
妊活者を閲覧対象とした企業のホームページにおけるキャッチフレーズ(CF)の特徴を明らかにすることおよび妊活者を対象とした健康食品摂取の実態と課題を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2023-12-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-12-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202224045B
報告書区分
総合
研究課題名
妊活者を対象としたいわゆる健康食品(保健機能食品を除く)の提供・消費の実態把握と課題抽出、及び安全確保のためのリスクコミュニケーション方策の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KA3004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
和田 安代(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202224045C

成果

専門的・学術的観点からの成果
企業と妊活者の健康食品に対する認識や取り組み等を明らかにし、妊活者における健康食品の安全なリスクコミュニケーションに必要な条件の抽出や方策等についてのリスクコミュニケーション戦略を検討することができた。成果は、学術論文や国際学会での発表がされ、国内外から大きな反響があった。
臨床的観点からの成果
妊活者をターゲットとした誤認を与える可能性のある広告が存在することが明らかとなり、妊活者側からも、健康食品の摂取が妊娠の確率を上げるような誤った認識を持っているものが存在する等が明らかとなったことを踏まえて、医療関係者、業界団体、妊活者、行政といった関係者の間で情報や意見をお互いに交換し進めていくことが、妊活者における健康食品由来の健康被害の防止につながっていくと考えられた。
ガイドライン等の開発
特記事項なし
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
妊活者向けのパンフレット作成や講演会を計画している。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
上岡洋晴、和田安代、新保みさ他
日本の妊活者を対象としたいわゆる健康食品による健康被害やトラブル:情報データベースに基づく二次研究
Therapeutic Research , 42 (8) , 559-571  (2021)
原著論文2
上岡洋晴、和田安代、新保みさ他
⽇本の妊活者を対象とした企業のいわゆる健康⾷品の広報戦略の特徴−キャッチコピーにおける計量テキスト分析−
Therapeutic Research , 43 (7) , 601-610  (2022)

公開日・更新日

公開日
2025-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
202224045Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,584,000円
(2)補助金確定額
1,951,000円
差引額 [(1)-(2)]
633,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 465,537円
人件費・謝金 880,621円
旅費 44,678円
その他 560,653円
間接経費 0円
合計 1,951,489円

備考

備考
自己資金:489円

公開日・更新日

公開日
2023-12-20
更新日
2023-12-21