小規模事業者等におけるHACCPの検証に資する研究

文献情報

文献番号
202224018A
報告書区分
総括
研究課題名
小規模事業者等におけるHACCPの検証に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21KA1008
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
五十君 静信(東京農業大学 応用生物科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 窪田 邦宏(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部第二室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
13,687,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成30年公布された食品衛生法改正により、食品を取扱う事業者にHACCPの導入が制度化された。本研究班は小規模事業者等が制度の運用を継続できるよう、手引書の作成や見直しにおける必要な科学的知見の収集、提供等を行うとともに、活用可能な検証手法を提供することを目的とする。また、制度化による効果を分析・評価するための検証手法を開発することも目的とする。
研究方法
具体的な研究はとして、(1) 高度耐熱性芽胞を形成したあるウェルシュ菌の増殖挙動、酸素分圧を考慮した制御の可能性の検討、(2) 水産加工品中のヒスタミン合成細菌の挙動及び制御方法の基礎となる知見の提供、(3) 水産加工品中のListeria monocytogenesの増殖挙動、 (4)いくら等魚卵製品における検証手法設定に向けた研究を行った。また、(5)海外における小規模事業者のHACCP制度の検証手法の活用方法を含む弾力的運用状況についてEU加盟国のオランダの小規模施設におけるHACCPや食品衛生管理に係る制度の運用状況について調査、分析・評価を行った。
食品業種毎(食品製造業等)における手引書作成の支援では、業界団体が手引書案を作成するに当たり、科学的な観点から、手引書案の実行性について検証を行い専門家としての助言や作業の支援を行った。
結果と考察
(1) 高度耐熱性芽胞を形成したウェルシュ菌の温度による増殖挙動、酸素分圧を考慮した制御の可能性の検討、酸素分圧を考慮した制御の可能性の検討を検討した。
(2) 水産加工品中のヒスタミン合成細菌の挙動及び制御方法の検討では、これまでの検討からアレルギー様食中毒予防には低温保管温度と保管日数の管理により、モルガン菌 の増殖抑制が重要であることを示した。
(3) 非加熱喫食の水産加工品中のListeria monocytogenesの増殖挙動では、LMは10℃保存での増殖速度が速く4日~7日後で食中毒が起こり得る菌数まで増殖した。一方、4℃保存では15日後に食中毒発症菌数まで増殖した。4℃保存では増殖速度は遅くなるものの、徐々に増殖することが確認された。
スモークサーモンへのスパイクでは初発菌数10cfu/gから4℃保存では30日後でも初発菌数レベルの菌数であったのに対し、10℃保存では25日~30日後に食中毒がおこり得る菌数となり、4℃保存と10℃保存での有意差が認められた。
たらこへのスパイクでは初発菌数10cfu/gから4℃保存では30日後でも初発菌数レベルの菌数であった。菌株によって、10℃での菌数挙動に差がみられたことは、今後さらなる検討が必要と思われる。
10℃保存においても30日後で10cfu/g~103cfu/gとなり何らかの原因で増殖抑制されていることが示唆された。
(4) いくら等魚卵製品における検証手法設定に向けた研究では、いくら製品検体における衛生指標として一般生菌数、大腸菌、黄色ブドウ球菌の検出状況を検証した。
(5)海外における小規模事業者のHACCP制度の検証手法の活用方法を含む弾力的運用状況については、オランダで調査を実施した。食品事業者の自主的な衛生管理を基本としており、監視指導により、まずは自主的な改善を促すが、改善しない場合は罰金を適用して改善させていた。EU規則に従いHACCPによる管理が義務であるが、オランダでは各業界団体が食品分野別のガイドライン文書を作成していた。小規模事業者はこのガイドライン文書冊子を購入し、それに従って衛生管理を行なっており、監視指導ではそれらがガイドライン文書に沿って実施されているか否かを確認していた。
結論
小規模事業者等がHACCP制度の導入・運用が可能で、事業を継続できるよう、事業者毎の手引書の作成や見直しにおける必要な科学的知見の収集、提供等を行うとともに、活用可能な検証手法を提供することを目的とした。検討項目についてそれぞれHACCPを実施するうえで有用と思われる知見を提供することができた。

公開日・更新日

公開日
2026-01-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-01-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202224018Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,665,000円
(2)補助金確定額
15,665,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,375,500円
人件費・謝金 3,849,107円
旅費 1,683,435円
その他 2,778,958円
間接経費 1,978,000円
合計 15,665,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-11-15
更新日
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