臨床研究ポータルサイトICRwebを用いた研究者、倫理審査委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発

文献情報

文献番号
200916012A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究ポータルサイトICRwebを用いた研究者、倫理審査委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発
課題番号
H21-臨研(教育)・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立がんセンター がん対策情報センターがん情報・統計部 がん統計解析室)
研究分担者(所属機関)
  • 藤原康弘(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 福田治彦(国立がんセンターがん対策情報センター多施設共同臨床試験・診療支援部)
  • 安藤正志(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 柴田大朗(国立がんセンターがん対策情報センター多施設共同臨床試験・診療支援部)
  • 山下紀子(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 多田三千代(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 小林典子(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 山上須賀(国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部)
  • 吉村健一(京都大学医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
24,820,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国では臨床研究に携わる人々に対する系統的な教育がほとんど行われていない。そこで2008年改正の臨床研究に関する倫理指針では、研究者等に対する教育が義務化され、倫理審査委員に対する教育が努力目標とされた。本研究班では、厚労科研費により臨床研究教育のためのe-learningサイト(ICRweb)を立ち上げ、上記指針に関する医政局局長通知でも紹介され千人以上の利用者登録を得ているが、まだ十分に活用されているとはいえない。また、国民の臨床研究に対する理解も十分とはいえない。そこで本研究では、ICRwebのコンテンツの更なる充実と利用により、研究者、倫理審査委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発を目的とする。
研究方法
①ICRwebを用いた臨床研究機関支援プログラムの開発を行う(1年目)。
②ICRwebを用いた研究者等支援プログラムの開発を行う(2年目)。
③ICRwebを用いた国民が臨床研究の理解を深めるための研究を行う(3年目)。
結果と考察
①ICRwebを用いた臨床研究機関支援プログラムの開発
臨床研究機関の教育研修担当者等を対象に、研究者等や倫理審査員に対する教育を施設で効果的に実施するためのセミナーを実施し、それを基に汎用的な教育研修プログラムを開発した(ICRweb上に公開済み)。
②ICRwebを用いた研究者等支援プログラムの開発
生物統計学や研究倫理指針、治療開発に必要な規制に関する講義を数多く実施し、30以上のコンテンツをICRwebにアップした。また、ICRweb利用の普及に努め、この1年で登録者数を約5,000人増加させることと、臨床研究に関する倫理指針で義務化された教育に対応する初級編の修了認定を約2,000人に対し発行することができ、多くの研究者・研究支援者の教育を行うことができた。
③ICRwebを用いた国民が臨床研究の理解を深めるための研究
「もっと知ってほしい「がんの臨床試験・治験」のこと」と題した一般の方向けのシンポジウムを行い、国民に対する臨床研究の啓発を行うことができた(ICRwebサイトの「その他の教育プログラム」からシンポジウムのビデオにアクセス可能)。
結論
研究は計画通り進捗している。教育を通じ、被験者保護に十分配慮した社会的意義のある臨床研究が国中で実施できる体制作りと、国民が臨床研究の重要性を理解し、社会的意義のある研究を国民が支援するような体制作りを目指す。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-