ミトコンドリア病、レット症候群の調査研究

文献情報

文献番号
202211011A
報告書区分
総括
研究課題名
ミトコンドリア病、レット症候群の調査研究
課題番号
20FC1019
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 小坂 仁(自治医科大学 医学部 小児科)
  • 大竹 明(埼玉医科大学 小児科)
  • 高島 成二(大阪大学大学院 医学系研究科 生命機能研究科)
  • 藤野 善久(産業医科大学 医学部)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
  • 三牧 正和(帝京大学医学部)
  • 村山 圭(千葉県こども病院 代謝科)
  • 山岨 達也(東京大学 医学部)
  • 井川 正道(福井大学 医学部 地域高度医療推進講座)
  • 伊藤 雅之(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第二部)
  • 松石 豊次郎(久留米大学高次脳疾患研究所)
  • 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
  • 高橋 悟(旭川医科大学医学部)
  • 青天目 信(大阪大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【ミトコンドリア病】ミトコンドリア病の確定診断に必要な検査は専門性が高く、検査の標準化と集約的診断体制の確立を継続する。重症度スケールやグローバルな診断基準の策定に関与し、「患者ケア標準書」を作成する。ミトコンドリア病の生殖補助医療について検討する.DPCやNDBデータを活用してミトコンドリア病の診療における疫学研究を行う。
【レット症候群】
レット症候群(RTT)の多角的な臨床研究を目的とする。RTTの患者データベースの拡充と追跡調査による自然暦、臨床実態の解明と診断基準を検証する。RTT患者のQT延長症候群や個々の問題点の検討、マイクロアレイ染色体検査などの網羅的ゲノム解析を含めた臨床遺伝学的解析を行う。RTTの新規治療法開発に必要な重症度分類、臨床評価項目を作成し、国際的な比較が可能になるようにする。レット症候群類縁疾患の遺伝学的検査としてのマイクロアレイ染色体検査をまとめ保険収載に向けた準備を行う。
研究方法
【ミトコンドリア病】
(1)診断治療体制の構築
(2)「患者ケア標準書」の作成
(3)患者レジストリーの運用拡大
(4)ミトコンドリア病に対する生殖補助医療の検討
(5)アウトリーチ活動と国際連携
(6)疫学研究
【レット症候群】
(1) RTT患者データベースの追跡調査と国際化
(2)診療支援
(3) レット症候群(RTT)の疾患認知向上
(4)患者とその家族の支援
(5)学習会と公開シンポジウム等による研究結果の公表
結果と考察
【ミトコンドリア病】
本研究班ではミトコンドリア病の正確な診断とそれに基づく適切な治療をめざして、診断基準・重症度スケールの改定案提出、診療マニュアル改定版の作成、患者レジストリー拡充等を実施した。アウトリーチ活動については、AMED実用化班や日本ミトコンドリア学会での患者参加行事を援助した。患者レジストリーについては、個人情報保護法に関連した倫理ガイドライン改正に沿う変更を行うとともに、登録を増加させた。診療ガイドラインの作成は、MINDS型の診療ガイドライン策定を断念し、「ベストプラクティス」方式の「診療マニュアル2017」の改定版の作成を目指し、AMED実用化班と協力して、担当者の選定を行い、2023年6月に発行される。生殖補助医療については、科学技術・学術審議会での検討が行われ、核置換技術を用いた特定胚を用いた基礎研究が容認されたものの、臨床的な「核移植治療」は我が国では継続審議となった。疫学研究においては、過去2年間で、DPCデータを活用することで、都道府県別の患者分布が実際の登録患者数と相関することを、NDCデータを活用することで、本邦における有病者数を高い確度で推定できることを見いだし、今年度は今後の疫学的課題の抽出を行った。
【レット症候群】
RTT患者データベースに登録されている185例の登録者のうち5年を経過した登録者について、現況調査として再度登録用紙の提供を依頼した。また、RTTの遺伝子診断を行った。RTTおよびRTT類縁疾患の早期乳児例など若年例では、診断基準をみたす例が少なく、発達の遅れ出現時に診断を確定することは難しいが、網羅的ゲノム解析では、それが可能となる。臨床検査としてマイクロアレイ染色体検査を実施する際に十分考慮すべき点を挙げることができた。データベースを参考に既報告例と比較しながら症例の医療管理を行うことが重要であることを確認した。また、患者データベースの国際化による自然暦の解明と治験に向けた準備が期待できる
結論
【ミトコンドリア病】
本研究班の活動はAMED難治性疾患実用化研究班(村山班)と連携しながら進めている。全国レベルの診断体制の整備、診断基準や重症度スケールの改定作業を進めた。生殖補助医療の情報収集と日本での実現可能性について議論し、対照群の胚作成を含めた核置換技術を用いた余剰胚及び新規班を用いた基礎研究が可能となった。患者レジストリーは、種々の要因で格段の進歩はないが、グローバルな視点でレジストリーやバイオバンク(研究試料)との連動を図りながら、着実に進めてゆく必要がある。
【レット症候群】
RTTの臨床研究では、RTT患者データベース登録の継続と追跡調査を行なった。遺伝子診断体制を確立した。しかし、高額で高度な技術であり、継続的な診断には経済的な支援が必要である。また、レット症候群の夜間の睡眠障害は、その内容が特殊であり、今後解決していかなければならない課題である。
マイクロアレイ染色体検査がレット症候群類縁疾患、とくにFOXG1症候群の診断に有用であることを確認した。

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202211011B
報告書区分
総合
研究課題名
ミトコンドリア病、レット症候群の調査研究
課題番号
20FC1019
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 小坂 仁(自治医科大学 医学部)
  • 大竹 明(埼玉医科大学 医学部)
  • 高島 成二(大阪大学大学院 医学系研究科 生命機能研究科)
  • 藤野 善久(産業医科大学 医学部)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
  • 三牧 正和(帝京大学医学部)
  • 村山 圭(千葉県こども病院 代謝科)
  • 山岨 達也(東京大学 医学部)
  • 井川 正道(福井大学 医学部 地域高度医療推進講座)
  • 米田 誠(福井県立大学看護福祉学部)
  • 伊藤 雅之(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第二部)
  • 松石 豊次郎(久留米大学高次脳疾患研究所)
  • 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
  • 高橋 悟(旭川医科大学医学部)
  • 青天目 信(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 岩崎 裕治(東京都立東部療育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
岩崎裕治(令和2年のみ)、米田誠(令和2年のみ)、井川正道(令和3年、4年のみ)

研究報告書(概要版)

研究目的
【ミトコンドリア病】ミトコンドリア病の確定診断に必要な検査は専門性が高く、検査の標準化と集約的診断体制の確立を継続する。重症度スケールやグローバルな診断基準の策定に関与し、「患者ケア標準書」を作成する。ミトコンドリア病の生殖補助医療について検討する.DPCやNDBデータを活用してミトコンドリア病の診療における疫学研究を行う。
【レット症候群】
レット症候群(RTT)の多角的な臨床研究を目的とする。RTTの患者データベースの拡充と追跡調査による自然暦、臨床実態の解明と診断基準を検証する。RTT患者のQT延長症候群や個々の問題点の検討、マイクロアレイ染色体検査などの網羅的ゲノム解析を含めた臨床遺伝学的解析を行う。RTTの新規治療法開発に必要な重症度分類、臨床評価項目を作成し、国際的な比較が可能になるようにする。レット症候群類縁疾患の遺伝学的検査としてのマイクロアレイ染色体検査をまとめ保険収載に向けた準備を行う。
研究方法
【ミトコンドリア病】
(1)診断治療体制の構築
(2)「患者ケア標準書」の作成
(3)患者レジストリーの運用拡大
(4)ミトコンドリア病に対する生殖補助医療の検討
(5)アウトリーチ活動と国際連携
(6)疫学研究
【レット症候群】
(1) RTT患者データベースの追跡調査と国際化
(2)診療支援
(3) レット症候群(RTT)の疾患認知向上
(4)患者とその家族の支援
(5)学習会と公開シンポジウム等による研究結果の公表
結果と考察
【ミトコンドリア病】
本研究班ではミトコンドリア病の正確な診断とそれに基づく適切な治療をめざして、診断基準・重症度スケールの改定案提出、診療マニュアル改定版の作成、患者レジストリー拡充等を実施した。アウトリーチ活動については、AMED実用化班や日本ミトコンドリア学会での患者参加行事を援助した。患者レジストリーについては、個人情報保護法に関連した倫理ガイドライン改正に沿う変更を行うとともに、登録を増加させた。診療ガイドラインの作成は、MINDS型の診療ガイドライン策定を断念し、「ベストプラクティス」方式の「診療マニュアル2017」の改定版の作成を目指し、AMED実用化班と協力して、担当者の選定を行い、2023年6月に発行される。生殖補助医療については、科学技術・学術審議会での検討が行われ、核置換技術を用いた特定胚を用いた基礎研究が容認されたものの、臨床的な「核移植治療」は我が国では継続審議となった。疫学研究においては、過去2年間で、DPCデータを活用することで、都道府県別の患者分布が実際の登録患者数と相関することを、NDCデータを活用することで、本邦における有病者数を高い確度で推定できることを見いだし、今年度は今後の疫学的課題の抽出を行った。
【レット症候群】
RTT患者データベースに登録されている185例の登録者のうち5年を経過した登録者について、現況調査として再度登録用紙の提供を依頼した。また、RTTの遺伝子診断を行った。RTTおよびRTT類縁疾患の早期乳児例など若年例では、診断基準をみたす例が少なく、発達の遅れ出現時に診断を確定することは難しいが、網羅的ゲノム解析では、それが可能となる。臨床検査としてマイクロアレイ染色体検査を実施する際に十分考慮すべき点を挙げることができた。データベースを参考に既報告例と比較しながら症例の医療管理を行うことが重要であることを確認した。また、患者データベースの国際化による自然暦の解明と治験に向けた準備が期待できる。
結論
【ミトコンドリア病】
本研究班の活動はAMED難治性疾患実用化研究班(村山班)と連携しながら進めた。全国レベルの診断体制の整備、診断基準や重症度スケールの改定作業を進めた。生殖補助医療の情報収集と日本での実現可能性について議論し、対照群の胚作成を含めた核置換技術を用いた余剰胚及び新規班を用いた基礎研究が可能となった。患者レジストリーは、種々の要因で格段の進歩はないが、グローバルな視点でレジストリーやバイオバンク(研究試料)との連動を図りながら、着実に進めてゆく必要がある。
【レット症候群】
RTTの臨床研究では、RTT患者データベース登録の継続と追跡調査を行なった。遺伝子診断体制を確立した。しかし、高額で高度な技術であり、継続的な診断には経済的な支援が必要である。また、レット症候群の夜間の睡眠障害は、その内容が特殊であり、今後解決していかなければならない課題である。マイクロアレイ染色体検査がレット症候群類縁疾患、とくにFOXG1症候群の診断に有用であることを確認した。

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202211011C

収支報告書

文献番号
202211011Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,600,000円
(2)補助金確定額
15,596,000円
差引額 [(1)-(2)]
4,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,838,066円
人件費・謝金 4,492,096円
旅費 78,790円
その他 587,546円
間接経費 3,600,000円
合計 15,596,498円

備考

備考
自己資金 498円

公開日・更新日

公開日
2023-11-27
更新日
-