分散型ナノ植え込み機器を活用した慢性心不全患者の統合的デバイス治療の開発

文献情報

文献番号
200912009A
報告書区分
総括
研究課題名
分散型ナノ植え込み機器を活用した慢性心不全患者の統合的デバイス治療の開発
課題番号
H19-ナノ・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
杉町 勝(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部)
研究分担者(所属機関)
  • 高木 洋(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部)
  • 上村 和紀(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部)
  • 宍戸 稔聡(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部)
  • 河野 隆二(横浜国立大学大学院工学大学院 知的構造の創生部門)
  • 西澤 松彦(東北大学大学院工学研究科 バイオロボティクス専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
34,571,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症慢性心不全の不良な予後の改善には、植え込みデバイスによる治療が必要であるが、植え込み除細動、心室再同期、迷走神経刺激治療を単一の装置で実現すると体内でスパゲッティ状態となる。そこで分散型ナノ植え込み機器開発のための基盤技術(電子回路集積、生体内発電、生体内通信)を進め、これを組み合わせてナノ植え込み機器を開発する。
研究方法
微小ペースメーカ試作:デマンドペーシング機能をもつ微小ペースメーカをPICマイコンと高同相信号除去比の計装アンプの組み合わせによって試作した。試作を完了し、生食中での連続動作7日間の動作を確認した。基盤技術:体内グルコース燃料電池の効率増加のため、メディエータを用いないアノードと空気極カソードを開発した。超広帯域(UWB)無線については物理層における誤り制御法などを検討した。誤り制御法は医療用におけるHybrid ARQと非医療用におけるFECの組み合わせを検討した。
結果と考察
試作した微小ペースメーカを麻酔下開胸動物に装着して動作確認を行った。動物の心拍数を増減させることにより設定した心拍数でのデマンドペーシング動作を確認した。心拍数、呼吸数、不整脈のモニタを行った。基盤技術開発については、分散デバイスに統合させるために必要な問題点解決(発電素材の安定性、血栓等対策、起電力増加、通信素子の省電力化、アンテナ開発)に向けさらに開発を継続したが、残念ながら期間中に解決にまでは至らなかった。
結論
微小ペースメーカ素子の試作にしては、小型化、長時間動作をさらにめざすことができる。生体内発電、生体内通信の2つの基盤技術開発については、微小デバイスとの統合は期間内には達成できなかったが、これら技術のポテンシャルは大きく引き続き開発をすすめる必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200912009B
報告書区分
総合
研究課題名
分散型ナノ植え込み機器を活用した慢性心不全患者の統合的デバイス治療の開発
課題番号
H19-ナノ・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
杉町 勝(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部)
研究分担者(所属機関)
  • 高木 洋(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部 )
  • 上村 和紀(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部 )
  • 宍戸 稔聡(国立循環器病センター 研究所 先進医工学センター 循環動態機能部 )
  • 河野 隆二(横浜国立大学大学院工学大学院 知的構造の創生部門)
  • 西澤 松彦(東北大学大学院工学研究科 バイオロボティクス専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症慢性心不全の不良な予後の改善には、植え込みデバイスによる治療が必要であるが、植え込み除細動、心室再同期、迷走神経刺激治療を単一の装置で実現すると体内でスパゲッティ状態となる。そこで分散型ナノ植え込み機器開発のための基盤技術(電子回路集積、生体内発電、生体内通信)を進め、これを組み合わせてナノ植え込み機器を開発する。
研究方法
基盤技術開発と微小分散デバイスの試作を並行して行った。初年度は微小分散デバイスの機能試作、ビリルビン酸化酵素のカソード利用、高周波電波の体内伝搬様式を検討した。2年度は分散デバイス試作を完成させ、3年度は動物での動作を確認した。基盤技術の問題点克服のため、表面の抗血栓処理、電池直列結合のための間欠的燃料補給機構、発電可能時間延長の時差式発電、機器間の送受信方式とアクセス制御改良などをすすめた。
結果と考察
PICマイコンで基本的動作を確認したが、内臓オペアンプでの心電図は測定ができず小型計装アンプを併用した。ペーシング、センシング機能、不整脈検知のプログラム開発を行った。試作機は防水生体適合性樹脂ケースに取り付けた4電極により心電図検出と電気刺激を行うことが7日間にわたりでき、動物でも動作を確認した。基盤技術開発として生体内発電では、従来アノードにビリルビン酸化酵素カソードを併用し発電効率が改善した。間欠的燃料補給機構、時差式発電、機器間アクセス制御改良などが原理的に可能であることが示された。
結論
微小ペースメーカ素子の試作にしては、小型化、長時間動作をさらにめざすことができる。生体内発電、生体内通信の2つの基盤技術開発については、微小デバイスとの統合は期間内には達成できなかったが、これら技術のポテンシャルは大きく引き続き開発をすすめる必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200912009C