健康寿命の延伸及び健康格差の縮小に影響を与える要因の解明のための研究

文献情報

文献番号
202209039A
報告書区分
総括
研究課題名
健康寿命の延伸及び健康格差の縮小に影響を与える要因の解明のための研究
課題番号
22FA1010
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 尚己(京都大学 大学院医学研究科 社会疫学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 相田 潤(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 健康推進歯学分野)
  • 田淵 貴大(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター がん対策センター疫学統計部)
  • 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学 研究支援センター医療統計室)
  • 近藤 克則(千葉大学 予防医学センター)
  • 細川 陸也(京都大学大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インターネットの急激な普及やCOVID-19の影響など、近年の社会変化を踏まえつつ、主に国内のコホートデータや政府提供の公的統計データを二次利用し、健康寿命の延伸及び健康格差の縮小に影響を与える要因を疫学的に明らかにすること、またその結果を踏まえて次期国民の健康づくり運動プラン(健康日本21第三次)への提案をすること。
研究方法
疫学研究として、都道府県と市区町村の健康寿命の変化やその格差に関連する要因を探る。さらに、既存の縦断データを用いて、一般成人と高齢者それぞれの健康格差の実態とその関連要因を明らかにする。加えて、COVID-19パンデミックに関するインターネット追跡調査データを用いて同パンデミックに関連する新たな課題や今後重要になる課題について検証する。これら疫学研究の成果を踏まえた政策研究として①健康寿命や健康行動等の格差をモニタリングするために必要なデータを収集する方法(健康格差評価のための標準質問紙項目や指標の活用法)と②取組の評価指標の改定案(第2案)を示す。1年目に評価指標第2案を示し、優先テーマに関連する分析結果をすすめ、2年目に自治体向け標準質問調査票と評価ガイドの第1案を提案する。
結果と考察
多層生命表法により小地域(二次医療圏)単位の健康寿命を計算し、がん、脳血管疾患、自殺(男性)や心疾患・肺炎当(女性)などの死亡率がとくに健康寿命と相関することを解明した。また都道府県の社会経済状況を評価する指標を開発した。健康行動に影響する社会的要因として、地域活動への参加、地域の建造環境(食環境・交通環境)が明らかとなった。COVID-19による健康行動変化を検討した結果、喫煙の増加がみられ、特に紙巻きたばことそれ以外(加熱式等)のデュアルユーザーで増加が顕著だった。
結論
今年度実施を予定していた計画はほぼ達成し、健康寿命の格差の要因として、社会経済状況・地域の建造環境・地域の社会環境の関与が明らかとなり、またCOVID-19によるそれら格差の変容の状況が明らかとなった。これら知見も取り入れて、複数の健康日本21第三次計画に向けた指標のあり方や指標の具体的な項目を提案することができた。
提案後の他の班の中での議論や厚生労働省担当者からのコメントでは、エビデンスの量や質の問題、指標の解釈の困難さといった課題点の指摘を得た。政策への実装については、関連する他の研究班とも連携しつつ、それら指標の重要性や正確性に関するさらなるエビデンスの創出、より簡便で理解しやすい指標の開発の必要性が明らかとなった。これらの課題を踏まえつつ、次年度以降の研究へとつなげていく。

公開日・更新日

公開日
2023-08-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-08-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202209039Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,020,000円
(2)補助金確定額
7,020,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 335,116円
人件費・謝金 3,142,267円
旅費 360,193円
その他 1,562,424円
間接経費 1,620,000円
合計 7,020,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-09-13
更新日
-