疾患関連創薬バイオマーカー探索研究

文献情報

文献番号
200909010A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患関連創薬バイオマーカー探索研究
課題番号
H20-バイオ・指定-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人 医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 朝長 毅(独立行政法人 医薬基盤研究所 )
  • 堤 康央(独立行政法人 医薬基盤研究所)
  • 仲 哲治(独立行政法人 医薬基盤研究所)
  • 中山 敬一(九州大学 生体防御医学研究科)
  • 平野 久(横浜市立大学院 国際総合科学研究科)
  • 尾野 雅哉(独立行政法人 国立がんセンター研究所)
  • 寒川 賢治(独立行政法人 国立循環器病センター研究所)
  • 南野 直人(独立行政法人 国立循環器病センター研究所)
  • 高坂 新一(独立行政法人 国立精神・神経センター 神経研究所)
  • 加藤 菊也(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪成人病センター)
  • 野村 文夫(千葉大学大学院 医学研究院)
  • 荒木 令江(熊本大学大学院 生命科学研究部)
  • 中村 和行(山口大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬バイオマーカー探索研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
281,981,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、疾患関連たんぱく質解析研究を総合的に推進していくため、疾患組織・細胞などの臨床検体から、疾患関連たんぱく質の探索・同定と、その中から医薬品シーズ・創薬ターゲットとなり得るたんぱく質の絞り込みを効果的かつ効率的に行い、疾患の予防・治療・診断方法の確立や画期的医薬品の開発に資することを目的とする。
研究方法
上記の目的のため、以下の手法を用いたバイオマーカー探索を実施した。
1.最新の質量分析計を用いたiTRAQ法によるタンパク質の定量比較解析法
2.リン酸化タンパク質、細胞膜タンパク質解析法
3.血清・血漿・髄液等体液の前処理法
4.2DICAL法
5.抗体プロテオミクス手法(ファージ抗体ライブラリー技術)
6.超高感度自己抗体検出法
7.ターゲットプロテオミクス(MRM)法
8.プロテオーム解析とトランスクリプトーム解析を融合させた統合プロテオミクス手法9.糖鎖構造の高精度、高感度検出法
結果と考察
1.iTRAQ法を用いて、癌や自己免疫疾患などのバイオマーカー候補タンパク質を同定した。2.リン酸化タンパク質、細胞膜タンパク質の解析技術を確立し、ヒト大腸癌、乳癌組織中のバイオマーカー探索を開始した。
3.血液や髄液などの体液中の微量タンパク質・ペプチドを検出するための前処理法および測定法の開発を進めた。
4.2DICAL法を用い、腎癌患者血漿中のマーカー探索を行った。
5.ファージ抗体ライブラリを用いた抗体プロテオーム技術により、ヒト肺癌組織のマーカー探索を行った。
6.患者血清中の疾患特異的自己抗体を超高感度に検出するためのデバイスを開発した。
7.上記のプロテオーム解析で見つかったバイオマーカー候補タンパク質の検証のためのMRM法の開発を行った。
8.統合プロテオミクスを用いて抗がん剤耐性に関わるタンパク質群および細胞内シグナルネットワークを同定した。
9.大腸癌と膵臓癌の糖脂質の構造を詳細に解析し、新規の癌特異的糖鎖抗原を同定した。
結論
上記の複数の手法を用いることで、卵巣明細胞腺癌マーカーとしてannexin IV、大腸癌マーカーとしてeIF4H isoform 1、膵臟癌マーカーとして血中prolyl hydroxylated α-fibrinogen、抗癌剤ゲムシタビン毒性予測マーカーとして血中haptoglobin、炎症性自己免疫疾患マーカーとしてleucine rich alpha 2 glycoprotein、大腸癌、膵臓癌マーカーとして新規の癌特異的糖鎖抗原(ST1H)を同定し論文として報告した。

公開日・更新日

公開日
2011-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-12-01
更新日
-