再生医療実用化に向けた細胞組織加工医薬品の安全性・品質等の確保に関する基盤技術開発研究

文献情報

文献番号
200906007A
報告書区分
総括
研究課題名
再生医療実用化に向けた細胞組織加工医薬品の安全性・品質等の確保に関する基盤技術開発研究
課題番号
H20-再生・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 中川 誠人(京都大学 再生医科学研究所)
  • 中内 啓光(東京大学 医科学研究所)
  • 早川 堯夫(近畿大学 薬学総合研究所)
  • 鈴木 和博(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部 )
  • 石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部 )
  • 内田 恵理子(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部 )
  • 佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部 )
  • 川端 健二(独立行政法人 医薬基盤研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
29,776,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
再生医療実用化に向け、細胞・組織加工医薬品の安全性・品質等を確保するための、基盤技術開発を目指す。
研究方法
細胞の感染性因子汚染検出技術、遺伝的安定性評価手法、同等性評価法、新規免疫原性評価技術、特性解析・品質管理技術、の各技術の開発を行った。
結果と考察
1) マイコプラズマの迅速検査法としてPCR法3種類と酵素活性に基づく方法について簡便性および検出限界の面から比較し、品質管理試験としての有用性を検討した。2) 骨髄間葉系幹細胞(MSC)における、クローナルな染色体異常の検出が造腫瘍性評価の上で重要であることを示した。また、nanoLC-MS測定によるショットガンプロテオミクスを用いた網羅的発現解析法の、細胞特性評価指標の探索における有用性を示した。3) MSCの神経様分化前後のN-結合型糖鎖の差異解析を行い、発現量に顕著な差がみられる糖鎖を明らかにした。また、プロテオミクスの手法により,MSCの神経様分化前後の細胞表層タンパク質の発現差異解析を行い、複数のタンパク質の発現量が変化することを見出した。4) 免疫原性評価のための基盤技術として、アデノウイルスベクター(Ad-CXCL12)を用いたヒト血液系保持マウスモデルの作製効率化の検討を行い、Ad-CXCL12投与により造血幹細胞生着のためのニッチが増加することを確認できた。5) 細胞特性評価指標の探索法開発として、MSCの虚血(低酸素低グルコース)ストレス化下でのサイトカイン分泌プロファイルの解析における抗体アレイの有用性を検討した。6) 2つのヒト血管内皮前駆細胞(early EPC及びlate EPC)の特性指標の探索を行い、細胞膜に発現するMMP-9及びMMP-2がearly EPCの浸潤能に関連した機能的特性指標であることを明らかにした。7) O-結合型糖鎖発現を指標とする細胞特性解析技術の開発を目指し、ムチン型糖鎖とグリコサミノグリカン(GAG)型糖鎖を一斉解析し、包括的にO-結合型糖鎖の比較糖鎖プロファイリングを行う技術を開発した。
結論
細胞組織利用医薬品の特性解析法や製造工程の評価のための基盤技術として有用な成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-12-01
更新日
-