文献情報
文献番号
202201021A
報告書区分
総括
研究課題名
人口減少社会に対応した保健医療福祉資格の多職種連携等の推進に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22AA2008
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
堀 真奈美(東海大学 健康学部)
研究分担者(所属機関)
- 堀田 聰子(慶應義塾大学 大学院健康マネジメント研究科)
- 駒村 康平(慶應義塾大学 経済学部)
- 古城 隆雄(東海大学健康学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
13,640,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、下記の3つの研究課題を設定し、「人口減少社会でも持続可能な人材確保のためにふさわしい保健医療福祉資格の在り方に係る政策提言」を目的とした。
〇研究課題1 保健医療福祉資格の在り方が将来の福祉人材の量的確保に与える影響の検証
〇研究課題2 保健医療福祉資格の在り方が将来の福祉人材の質的確保に与える影響の検証
〇研究課題3 共通基礎課程の実装・運用に向けた対話及び文献調査
〇研究課題1 保健医療福祉資格の在り方が将来の福祉人材の量的確保に与える影響の検証
〇研究課題2 保健医療福祉資格の在り方が将来の福祉人材の質的確保に与える影響の検証
〇研究課題3 共通基礎課程の実装・運用に向けた対話及び文献調査
研究方法
〇研究課題1,2
作業仮説の構築のため、文献調査及び関係者へのプレ調査ならびに社会福祉法人並びに従業員へのアンケート調査を行い解析を行う。
〇研究課題3 令和3年度までの分担研究者が中心に実施していた研究班における対人支援専門職に共通して求められるコンピテシー及びモデルカリキュラム案について、7職種(看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、保育士)の職能団体及び教育関連団体のヒアリングを行うともに国内外の文献調査を行う。
作業仮説の構築のため、文献調査及び関係者へのプレ調査ならびに社会福祉法人並びに従業員へのアンケート調査を行い解析を行う。
〇研究課題3 令和3年度までの分担研究者が中心に実施していた研究班における対人支援専門職に共通して求められるコンピテシー及びモデルカリキュラム案について、7職種(看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、保育士)の職能団体及び教育関連団体のヒアリングを行うともに国内外の文献調査を行う。
結果と考察
(1)複数資格取得者の実態把握、資格取得の意欲、ライフコースに与える影響、賃金(処遇)構造、 複数取得資格者が社会福祉法人等の人事政策でどのように評価されているのかを明らかにした。
(2)多職種連携を前提として、各市町村の創意工夫のもと、助け合い・支え合い・健康づくりなどを活かした地域づくりの場において、複数資格保有者、タスクシェア、タスクシフトが様々な地域の相談支援や福祉サービスの質にどの様な影響を与や福祉サービスの質への影響を把握した。
(3)対象職種の職能団体等と、社会環境と支援ニーズの変化・将来のケアと各専門職・教育のあり方等について 意見交換を行い、 令和3年度までに開発・検証した共通基礎課程のコンピテンシー及びモデルカリキュラム を精査した。また、共通基礎課程の実装後の継続的な発展に向けたフレームワークやその構築プロセス等について、諸外国の現状や政策形成過程を文献調査等により概観し、我が国への示唆をまとめた。
(2)多職種連携を前提として、各市町村の創意工夫のもと、助け合い・支え合い・健康づくりなどを活かした地域づくりの場において、複数資格保有者、タスクシェア、タスクシフトが様々な地域の相談支援や福祉サービスの質にどの様な影響を与や福祉サービスの質への影響を把握した。
(3)対象職種の職能団体等と、社会環境と支援ニーズの変化・将来のケアと各専門職・教育のあり方等について 意見交換を行い、 令和3年度までに開発・検証した共通基礎課程のコンピテンシー及びモデルカリキュラム を精査した。また、共通基礎課程の実装後の継続的な発展に向けたフレームワークやその構築プロセス等について、諸外国の現状や政策形成過程を文献調査等により概観し、我が国への示唆をまとめた。
結論
・複数資格取得の推進は大規模な法人ほど積極的に評価していることが示唆される。ただし、具体的な支援策や資格の評価において法人の規模との関係は見られなかった。
・保健医療福祉の複数資格取得の推進は離職防止効果がある可能性がある(離職回数の減少)。
・ただし、複数資格取得が離・転職「意向」に影響を与えているとはいえない。「意向」に与えるのは、衛生要因(労働条件等)がより重要である。
・複数資格取得の動機やタイプによって行動が異なり、モチべ-ション型の者は、これまでの離職回数(実績)も将来の他業界への転職意向も低い傾向がみられる。
・「多様なアプロ-チから複合的な課題を総合的に解決する人材」を理想的とする姿と考える者ほど、複数資格を取得する傾向にある。
・複数資格取得は賃金率を上昇する効果がある。だが、サンプル数が少ないことや、法人の多くで資格手当がないなど資格が処遇に影響を与えないことから結果の普遍性には留意が必要である。
・法人の資格取得支援など資格取得コストを低くすると従業員の資格取得意向が高まるが、資格取得意向の強さと転職意向の強さに相関がある。
・視察調査で訪問したエリア・事業所(多職種連携の先進事例)では、トランスディシプリナリー・モデルに近い形で業務が行われていた。
・今後の人口減少をふまえると、多職種連携では、トランスディシプリナリー・モデルが職員のモチベーション・やる気の維持において有効であると思われる。特に、寄り添い力・コミュニケーション力は重要となる。
・保健医療福祉の関係団体から、対人支援専門職に共通して求められるコンピテンシーの作成自体には概ね賛同が得られたが、一部団体では理解を得られなかった。共通基礎課程として実装していくためには、コンピテンシーの信頼性(妥当性)や教育的効果に関する客観的な検証、既存カリキュラムとの対応関係等、実務上の課題を整理することが求められる。
・諸外国においても、社会環境の変容に伴う支援ニーズの質・量の変化をどのように把握し、これを対人支援専門職の教育に反映するか、さまざまな試みが行われている。各国の資格制度の固有の歴史や文脈を踏まえつつ、その知見も活かして対人支援専門職教育及び共通基礎課程実装後の継続的な発展枠組みを検討する必要があるとよい。
・保健医療福祉の複数資格取得の推進は離職防止効果がある可能性がある(離職回数の減少)。
・ただし、複数資格取得が離・転職「意向」に影響を与えているとはいえない。「意向」に与えるのは、衛生要因(労働条件等)がより重要である。
・複数資格取得の動機やタイプによって行動が異なり、モチべ-ション型の者は、これまでの離職回数(実績)も将来の他業界への転職意向も低い傾向がみられる。
・「多様なアプロ-チから複合的な課題を総合的に解決する人材」を理想的とする姿と考える者ほど、複数資格を取得する傾向にある。
・複数資格取得は賃金率を上昇する効果がある。だが、サンプル数が少ないことや、法人の多くで資格手当がないなど資格が処遇に影響を与えないことから結果の普遍性には留意が必要である。
・法人の資格取得支援など資格取得コストを低くすると従業員の資格取得意向が高まるが、資格取得意向の強さと転職意向の強さに相関がある。
・視察調査で訪問したエリア・事業所(多職種連携の先進事例)では、トランスディシプリナリー・モデルに近い形で業務が行われていた。
・今後の人口減少をふまえると、多職種連携では、トランスディシプリナリー・モデルが職員のモチベーション・やる気の維持において有効であると思われる。特に、寄り添い力・コミュニケーション力は重要となる。
・保健医療福祉の関係団体から、対人支援専門職に共通して求められるコンピテンシーの作成自体には概ね賛同が得られたが、一部団体では理解を得られなかった。共通基礎課程として実装していくためには、コンピテンシーの信頼性(妥当性)や教育的効果に関する客観的な検証、既存カリキュラムとの対応関係等、実務上の課題を整理することが求められる。
・諸外国においても、社会環境の変容に伴う支援ニーズの質・量の変化をどのように把握し、これを対人支援専門職の教育に反映するか、さまざまな試みが行われている。各国の資格制度の固有の歴史や文脈を踏まえつつ、その知見も活かして対人支援専門職教育及び共通基礎課程実装後の継続的な発展枠組みを検討する必要があるとよい。
公開日・更新日
公開日
2023-08-22
更新日
-