包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究

文献情報

文献番号
200901040A
報告書区分
総括
研究課題名
包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究
課題番号
H19-政策・指定-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科)
  • 大江 和彦(東京大学 医学部附属病院 企画情報運営部)
  • 阿南 誠(国立病院機構九州医療センター 医療情報管理室)
  • 康永 秀生(東京大学 大学院 医学系研究科)
  • 石川 ベンジャミン 光一(国立がんセンター がん対策情報センター 情報システム管理課)
  • 桑原 一彰(九州大学 大学院 医学研究院)
  • 藤森 研司(北海道大学病院 医療マネジメント寄附研究部門)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、
①診断群分類を用いた包括払い方式に対応した医療情報システム(DPC電子レセプト)の検討、
②診断群分類に関連して収集される情報に基づく病院の機能評価の方法の検討(具体的には機能評価係数の開発)、
③診断群分類のコスト評価の方法論の検証、である。
研究方法
厚生労働省のDPC調査に参加している病院のうち、本研究に参加することを代表研究者(松田晋哉)と個別に契約した863施設から様式1、様式3、D/E/Fファイルを収集し分析用データベースを作成した。このデータベースを用いて、DPC単位でのプロセスや病院機能を評価するための諸指標の検討を行った。
結果と考察
本研究の主な成果は以下の通りである。
1.新たな機能係数を設定するための基礎資料の作成(医療機関の機能評価):救急医療の評価手法の検討(診療プロセスの検討、救急施設の施設類型の検討、地図情報システムによる診療圏の分析など)
2.DPCを用いた医療サービスの評価方法の検討:(クリニカルパスをベースにした実際の医療プロセスの検討、諸外国における臨床指標のDPCデータにおける構築可能性の検証、標準コストの設定に関する研究など)
3.DPCを用いた臨床研究・臨床経済学的研究の可能性の検討:医療の質評価のための臨床疫学的研究(肺塞栓症や悪性高熱などの入院後続発症に関する分析、希少疾患の発生把握の情報源としてのDPCデータベースの有用性の検証など)
4.DPC調査データ収集におけるセキュリティ強化に関する研究: データ収集時のセキュリティ強化のための暗号化・復号化プログラムを作成し、その実用性を確認した。
結論
本研究においては、調整係数にかわる新たな機能係数を策定する目的で、DPC調査参加病院を対象に施設調査を行い、各施設の特性を把握するとともに、これまで研究班で開発してきた種々の集約指標を加えて、対象病院の機能を評価する方法の整理を行った。また、機能係数の開発に関連して、DPCデータの臨床研究及び臨床経済学的研究の応用可能性についても実証された。

公開日・更新日

公開日
2010-06-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200901040B
報告書区分
総合
研究課題名
包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究
課題番号
H19-政策・指定-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科)
  • 大江 和彦(東京大学 医学部附属病院 企画情報運営部)
  • 阿南 誠(国立病院機構九州医療センター 医療情報管理室)
  • 康永 秀生(東京大学 大学院 医学系研究科)
  • 橋本 英樹(東京大学 大学院 医学系研究科)
  • 石川 ベンジャミン 光一(国立がんセンター がん対策情報センター 情報システム管理課)
  • 桑原 一彰(九州大学 大学院 医学研究院)
  • 藤森 研司(北海道大学病院 医療マネジメント寄附研究部門)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、
①診断群分類を用いた包括払い方式に対応した医療情報システム(DPC電子レセプト)の検討、
②診断群分類に関連して収集される情報に基づく病院の機能評価の方法の検討(具体的には機能評価係数の開発)、
③診断群分類のコスト評価の方法論の検証、である。
研究方法
厚生労働省のDPC調査に参加している病院のうち、本研究に参加することを代表研究者(松田晋哉)と個別に契約した各年度約850施設から様式1、様式3、D/E/Fファイルを収集し分析用データベースを作成した。このデータベースを用いて、DPC単位でのプロセスや病院機能を評価するための諸指標の検討を行った。
結果と考察
本研究の主な成果は以下の通りである。
1.新たな機能係数を設定するための基礎資料の作成(医療機関の機能評価):救急医療の評価手法の検討(診療プロセスの検討、救急施設の施設類型の検討、地図情報システムによる診療圏の分析など)
2.DPCを用いた医療サービスの評価方法の検討:(クリニカルパスをベースにした実際の医療プロセスの検討、諸外国における臨床指標のDPCデータにおける構築可能性の検証、標準コストの設定に関する研究など)
3.DPCを用いた臨床研究・臨床経済学的研究の可能性の検討:医療の質評価のための臨床疫学的研究(肺塞栓症や悪性高熱などの入院後続発症に関する分析、希少疾患の発生把握の情報源としてのDPCデータベースの有用性の検証など)
4.DPC調査データ収集におけるセキュリティ強化に関する研究: データ収集時のセキュリティ強化のための暗号化・復号化プログラムを作成し、その実用性を確認した。
5.DPCのコーディングロジックの開発とDPCに対応した電子レセプトのモデル設計を行った。
結論
本研究では以下のような成果が得られた。
1.新たな機能係数を設定するための基礎資料の作成(医療機関の機能評価)
2.標準的DPC電子レセプトのモデルの作成
3.DPCを用いた医療サービスの原価推計
4.DPCを用いた医療サービスの評価方法の検討
5.DPCデータを収集するためのwebシステムの開発
6.DPCのコーディングロジックの開発
 本研究の成果は、現在中医協で議論されているDPC制度の今後を検討するための有用な資料をなると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2010-06-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200901040C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では以下のような成果が得られた。
1. 新たな機能係数を設定するための基礎資料の作成(医療機関の機能評価)
2. 標準的DPC電子レセプトのモデルの作成
3. DPCを用いた医療サービスの原価推計
4. DPCを用いた医療サービスの評価方法の検討
本研究の成果は、DPC制度の精緻化のための基礎資料として活用されている。
臨床的観点からの成果
DPCでは簡易退院サマリである様式1と入院中に行われた医療行為の詳細情報であるEFファイルが収集されており、これらの情報を用いて臨床研究を行うことができる。
具体的にはガイドラインの評価や希少疾患の記述疫学的な研究などへの応用が可能となった。
ガイドライン等の開発
本研究の成果は以下の委員会等で資料として活用されている(主なもののみ)。
平成20年度第10回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年2月12日)
平成20年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年2月23日)
平成20年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年3月5日)
平成20年度第13回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年3月23日)
平成21年度第4回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年6月8日)
その他行政的観点からの成果
本研究の成果は以下の委員会等で資料として活用されている(主なもののみ)。
平成20年度第10回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年2月12日)
平成20年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年2月23日)
平成20年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年3月5日)
平成20年度第13回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年3月23日)
平成21年度第4回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(H21年6月8日)
その他のインパクト
研究班での成果を広く調査協力施設の関係者に伝えるために、報告書の送付に加えてセミナーを開催した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
40件
その他論文(英文等)
10件
学会発表(国内学会)
20件
学会発表(国際学会等)
15件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
3件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kuwabara K, Imanaka Y, Matsuda S, et al
The association of the number of comorbidities and complications with length of stay, hospital mortality and LOS high outlier, based on administrative data
Environ Health Prev Med , 13 , 130-137  (2008)
原著論文2
Kuwabara K, Imanaka Y, Matsuda S, et al
Cost of open versus laparoscopic appendectomy
Clin Ter , 159 (3) , 155-163  (2008)
原著論文3
Kuwabara K, Matsuda S, Imanaka Y et al
The effect of age and procedure on resource use for patients with cerebrovascular disease
Journal of Health Services Research & Policy , 13 (1) , 26-32  (2008)
原著論文4
Kuwabara K, Imanaka Y, Matsuda S, et al
Impact of age and procedure on resource use for patients with ischemic heart disease
Health Policy , 85 , 196-206  (2008)

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-