健康リスク低減のための新たな浄水プロセス及び管路更新手法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200840038A
報告書区分
総括
研究課題名
健康リスク低減のための新たな浄水プロセス及び管路更新手法の開発に関する研究
課題番号
H20-健危・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 正弘(財団法人水道技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 安藤 茂(財団法人水道技術研究センター)
  • 鈴木 泰博(財団法人水道技術研究センター)
  • 武内 辰夫(財団法人水道技術研究センター)
  • 谷口 元(財団法人水道技術研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
25,538,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
水系感染症の発生、地震等による断水の発生、基幹施設の老朽化等の課題に対処するため、効果的な処理技術、水道施設の維持管理の高度化、施設耐震化の促進、現況機能の評価・診断手法等について研究を行った。
研究方法
研究代表者、研究分担者の他、学識者、水道事業体等の技術者からなるワーキンググループをテーマ別に設け、各テーマの課題に応じて、アンケート・ヒアリング調査、実態調査、紫外線照射実験及びケーススタディ等を行った。
結果と考察
膜処理に関して今後必要性が高い項目は、動力費の低減、硝酸態窒素の除去、耐薬品性の向上、膜損傷の確実な検知等であり、維持管理面については膜交換時期の判断・予測、寒冷地での凍結対策、原水が高濁度時の対応等であることが明らかとなった。一方、紫外線処理に関する設計面のトラブル事例としては、ランプスリーブ内面結露、異物混入による自動洗浄装置の操作異常、運転開始時の照射強度不足等が、また、維持管理上の留意事項としては、紫外線照射装置入口水質の把握と水質悪化時の対応方法、紫外線照射量が設計値を満たしているか否かの常時把握などが挙げられた。これらの調査結果や既存の知見を取りまとめ、地下水への適用に係る紫外線処理設備維持管理マニュアル案を作成した。
管路に関しては、基幹水道施設を対象としたケーススタディをもとに、機能診断実施の際の留意事項及び実施事例の追加等により既往機能診断手法の利用を容易にするなどの改善を図った。さらに、管路更新計画策定事業体の意見及び管路の管理情報量と管理方法等の調査を基に、管路更新計画事例、管路の管理情報量と管理方法等を調査して、診断手法の作成方針や要求事項を明らかにした上で管路別機能診断と診断結果判定の様式案を作成した。
地震被害予測等に関しては、水道事業体へのアンケート調査によって、管の被害率は継手形式に応じて算出すべきであるなどの課題が判明した。また、地震被災事業体に対する管路被害に関するデータ収集及び現地調査等によれば、被害形態は石綿セメント管・鋳鉄管(耐震管を除く)が多い結果となった。
結論
水系感染症の発生や地震等による断水を防止・軽減するためには、膜ろ過における原水別最適膜の検討、紫外線処理の地表水等への適用、膜ろ過及び紫外線処理の維持管理水準の向上を図るとともに、基幹水道施設の機能診断等を通じた問題点抽出と改善に引き続き取り組む必要がある。

公開日・更新日

公開日
2009-05-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-01-27
更新日
-