健康危機・大規模災害に対する初動期医療体制のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200840011A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機・大規模災害に対する初動期医療体制のあり方に関する研究
課題番号
H19-テロ・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
辺見 弘(独立行政法人国立病院機構災害医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石原 哲(白鬚橋病院)
  • 奥寺 敬(富山大学大学院)
  • 定光 大海(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
  • 山田 憲彦(防衛医科大学校)
  • 中山 伸一(兵庫県災害医療センター)
  • 小井土 雄一(独立行政法人国立病院機構災害医療センター)
  • 大友 康裕(東京医科歯科大学大学院)
  • 松本 尚(日本医科大学 千葉北総病院)
  • 冨岡 譲二(福岡和白病院)
  • 吉永 和正(兵庫医科大学)
  • 森野 一真(山形県立救命救急センター)
  • 布施 明(日本医科大学)
  • 近藤 久禎(日本医科大学 )
  • 阿南 英明(藤沢市民病院)
  • 高橋 毅(独立行政法人国立病院機構熊本医療センター)
  • 井上 潤一(独立行政法人国立病院機構災害医療センター)
  • 本間 正人(独立行政法人国立病院機構災害医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,552,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
災害拠点病院、広域災害救急情報システム、災害派遣医療チーム(DMAT)、広域医療搬送などの諸施策についてさらに充実拡充するための課題を設定し、具体的回答・解決策・対応策を導き出すこと。諸施策を包括的に検討することにより、有機的な災害対応システムを構築することを究極の目的とする。
研究方法
17名の研究者が分担して、健康危機管理における受け入れ医療機関の充実、災害時における情報共有とコマンド体制確立のための情報システムのあり方、災害派遣医療チーム(DMAT)の充実、広域医療搬送システムの充実、災害時初期医療体制の確立のための計画整備、その他の災害医療体制整備として災害時における精神支援、多数死体事案対応の充実、瓦礫の下の医療を提供できる医療体制と研修システムの整備、都市型災害の諸問題の検討、空港災害時の対応計画について検討した。
結果と考察
 災害拠点病院の実態調査、新評価基準が作成された。災害医療従事者の研修・訓練のあり方として、従来の研修会実施方法では効果に乏しいため、研修会の目的を「指導者の教育」に大きく転換し受講生には自施設や地域での研修会の開催等のノルマが課せられることとなった。
 災害時においては、広域医療情報システム(EMIS)の活用が効果的であり、病院被害情報入力システムの改訂とDMAT管理メニューの整備等を研究した。「EMIS入力項目改定」と「EMISへのDMAT管理機能追加」の改訂により、災害早期に活動を開始するDMATから配信される災害医療情報が共有されることが、2008年宮城・岩手地震等の実災害を通しても明らかになった。
 平成16年に開始された日本DMAT事業は、隊員数3264名に至るまでになった。研究内容の柱としては、第一に「研修のあり方」であり、現行プログラムの評価にひきつづき、改訂を行った。第二は「実災害の対応の充実」であり指揮命令系統の強化のための統括DMATの整備と要員育成、情報通信システムの整備、具体的な活動方法の統一を実施した。
 平成19年度には広域医療搬送におけるSCU,機内搬送の標準化を行った。平成20年度には被災地災害拠点病院からSCUまでの域内搬送の諸問題と非被災地の域外搬送拠点の諸問題について検討した。
 平成20年度から厚労省災害医療調査ヘリが事業化され、迅速な出動と具体的な活動のための契約や運航管理規定の作成、要員の確保と契約、持参資器材の検討を実施した。
結論
災害対応に関する多分野について包括的に検討してきているが、各分担研究課題の連携をさらに深め、未解決の問題点についての抽出と解決の方向性について検討する。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-01-27
更新日
-