水安全計画による貯水槽水道の管理水準の向上に関する研究

文献情報

• 文献番号: 200840006A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 水安全計画による貯水槽水道の管理水準の向上に関する研究
• 課題番号: H18-健危・一般-007
• 研究年度: 平成20(2008)年度
• 研究代表者(所属機関): 早川 哲夫(麻布大学 生命・環境科学部)

研究分担者(所属機関)

• 奥村明雄(全国給水衛生検査協会)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
• 研究開始年度: 平成18(2006)年度
• 研究終了予定年度: 平成20(2008)年度
• 研究費: 3,000,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

貯水槽水道については、水道事業者の水質管理が及ばず、また、施設管理者の管理意識が十分でないことが多いため、これまでにも多くの事故が発生している。管理が適正に行われない場合には、水質汚染等による利用者への健康影響が発生することから、管理水準の向上が急務となっていた。
しかし、貯水槽水道の構造、材質、経年劣化などの状況に応じた貯水槽水道の点検・管理のあり方については、これまで具体的な指針がない。そのため本研究では、WHOの飲料水質ガイドライン（第3版）で提唱された水安全計画の手法を用いて、貯水槽水道における危機管理対策を強化し、トラブルをゼロにすることを目指して、貯水槽水道の管理水準の向上を図るための方策について研究することを目的として研究を行った。

研究方法

研究代表者の下に分担研究者、東京都水道局、神奈川県保健福祉部、横浜市健康福祉局、（社）日本水道協会、（社）全国建築物飲料水管理協会、全国給水衛生検査協会などの専門家を委員として研究委員会を構成し、研究をおこなった。

結果と考察

平成20年度には、前年度までの基礎的情報を元に貯水槽水道のランキング表示制度を具体化した。またそれをテスト実施することによってさまざまな課題を明らかにした。
さらに、関係団体や地方公共団体からヒヤリング、アンケート調査をおこなった。
これらの調査研究の結果得られた論点を整理し、貯水槽水道の管理水準向上策としてのランキング表示制度の導入を提案した。今年度の結果から貯水槽水道の管理レベル向上にはランキング表示制度が有効であることが示唆された。

結論

ランキング表示制度を本格的に実施するまでの間に、施設設置者・管理者及び利用者に対し、ランキング評価の概念と必要とされる具体的方策等の情報をわかりやすく十分に提供するなど、広く周知・啓発が必要である。貯水槽水道の設置・管理実態は、地域や施設用途による特性が異なることが考えられることから、さらにテスト地域及び対象施設を広げ、追加テストを行い普遍性を持った制度とした上で適用していくことが必要である。

公開日・更新日

• 公開日: 2009-05-18
• 更新日: -

文献情報

• 文献番号: 200840006B
• 報告書区分: 総合
• 研究課題名: 水安全計画による貯水槽水道の管理水準の向上に関する研究
• 課題番号: H18-健危・一般-007
• 研究年度: 平成20(2008)年度
• 研究代表者(所属機関): 早川 哲夫(麻布大学 生命・環境科学部)

研究分担者(所属機関)

• 奥村　明雄(全国給水衛生検査協会)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
• 研究開始年度: 平成18(2006)年度
• 研究終了予定年度: 平成20(2008)年度
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

　貯水槽水道については、水道事業者の水質管理が及ばず、また、施設管理者の管理意識が十分でないことが多いため、これまでにも多くの事故が発生している。管理が適正に行われない場合には、水質汚染等による利用者への健康影響が発生することから、管理水準の向上が急務となっていた。
しかし、貯水槽水道の点検・管理のあり方については、これまで具体的な指針がない。そのため本研究では、WHOの飲料水質ガイドライン（第3版）で提唱された水安全計画の手法を用いて、貯水槽水道における危機管理対策を強化し、トラブルをゼロにすることを目指して、貯水槽水道の管理水準の向上を図るための方策について研究することを目的として研究を行った。

研究方法

研究代表者の下に分担研究者、東京都水道局、神奈川県保健福祉部、横浜市健康福祉局、（社）日本水道協会、（社）全国建築物飲料水管理協会、全国給水衛生検査協会などの専門家を委員として研究委員会を構成し、研究をおこなった。

結果と考察

本研究によって、貯水槽水道の現状を明らかにし、広く一般に周知させた。
また誰でもわかりやすく容易に実施できる管理方法をマニュアル化し周知した。
設置者管理者が率先して管理を行う誘導策としてのランキング表示制度を策定しテスト実施した。
これらの手法が貯水槽水道の管理レベル向上に有効であることが示唆された。

結論

貯水槽水道の管理水準の向上には、
・貯水槽水道の現状についての広報
・誰でもわかりやすく容易に実施できる管理方法をマニュアル化し周知徹底を図る
・設置者管理者が率先して管理を行う誘導策としてのランキング表示制度が必要であることが研究により判明し、本研究により具体的なものをまとめたが、これらを社会に適用するためにはさらに行政と連携した政策として実施していくことが必要である。

公開日・更新日

• 公開日: 2009-05-18
• 更新日: -

行政効果報告

• 文献番号: 200840006C

成果

• 専門的・学術的観点からの成果: 貯水槽水道の管理の現状を明らかにし、このことを広く一般に知らせた。; 誰でもわかりやすく容易に実施できる管理方法をマニュアル化し、これを周知した; 設置者管理者が率先して管理を行う誘導策としてのランキング表示制度を提案した
• 臨床的観点からの成果: 特になし
• ガイドライン等の開発: 貯水槽水道の管理マニュアルを作成し、公開中（厚生労働省健康局水道課のホームページに全文掲載中）
• その他行政的観点からの成果: 全国の水道、貯水槽水道行政担当者に研究報告書が送付され、本報告書に基づいて、貯水槽管理の指導が行われている。
• その他のインパクト: 平成20年7月に航空会館（東京都港区）「貯水槽水道に関するシンポジウム」を開催し成果を発表; 平成20年11月すまい・るホール（東京都文京区）での「貯水槽水道シンポジウム」において研究成果を発表。; 平成20年9月 フジテレビ イブニング・ニュース; 平成20年11月 テレビ朝日 近未来予測テレビジキルとハイド; 平成20年12月 ＴＢＳ イブニング・ファイブ; に、研究代表者が出演し広報活動を行った。

発表件数

• 原著論文（和文）: 0件
• 原著論文（英文等）: 0件
• その他論文(和文): 0件
• その他論文(英文等): 0件
• 学会発表(国内学会): 1件 ; 平成20年全国水道研究発表会
• 学会発表(国際学会等): 1件 ; Overview of Current In-Building Water Supply System Management in Japan 平成19年1月22日 「日米水道水質政府間会議」
• その他成果(特許の出願): 0件 ; 「出願」「取得」計0件
• その他成果(特許の取得): 0件
• その他成果(施策への反映): 1件 ; 厚生労働省の貯水槽水道管理マニュアルとして研究成果が利用された
• その他成果(普及・啓発活動): 6件 ; シンポジウム開催やテレビ出演

公開日・更新日

• 公開日: 2015-11-24
• 更新日: -