健康危機管理体制の評価指標、効果の評価および人材育成に係るe-ラーニングプログラムの開発評価に関する研究

文献情報

文献番号
200840002A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機管理体制の評価指標、効果の評価および人材育成に係るe-ラーニングプログラムの開発評価に関する研究
課題番号
H18-健危・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
橘 とも子(国立保健医療科学院 研究情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方裕光(国立保健医療科学院 研究情報センター )
  • 郡山一明(財団法人救急振興財団 救急救命九州研修所)
  • 岡本大亮(東京都島しょ保健所八丈出張所)
  • 大原智子(栃木県県北健康福祉センター健康福祉部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域健康危機管理を保健所等の地域保健行政機関が適切かつ妥当に行うために必要な公衆衛生従事者の人材育成をコンピテンシーに基づいて構築するための必要な科学的根拠を明らかにする。
研究方法
①健康危機管理コンピテンシーの職種・職位別習得レベル:Delphi調査第2ラウンドの第1回・第2回郵送質問紙調査。対象は全国の保健所・地方衛生研究所・自治体保健衛生部局の職員(計744か所、計1,899名)。②情報の効果的提供評価に係る基盤的検討。③e-Learning教材開発。
結果と考察
①医師のみ「実践で応用できる」レベルの多い特徴的分布パターンを示したが平常時に必要なコンピテンシーでは職種別差異は殆ど見られなかった。②「新型インフルエンザ発生時保健所BCP(業務継続計画)モデル」および「地図情報システムSDMS(Space Document Management System)」の考え方および内容を学ぶ教材を開発した。③e-ラーニングは出張しなくてよい、研修機会が増える等の利点があり、受講者に対するこれら利点の周知が課題。またe-ラーニングにおける情報の効果的活用には教育の目的に応じて重点を置くべき情報の要素を明確にしておく必要があった。
結論
今回明らかになったすべての公衆衛生行政従事者に求められる職種別・職層別の健康危機管理コンピテンシー習得レベルに、公衆衛生実務者・管理者のフォーカスグループによる「他の職種職位」の視点で妥当性の評価を加えるべきと思われた。開発したe-Learning教材によりどのような健康危機管理コンピテンシーがどの程度習得できるのか今後検証をさらにすすめ、それらを科学的根拠として地方自治体等が地域の実情に応じた地域における健康危機管理従事者の人材育成をコンピテンシーに基づいて行うよう再構築を図ることは、人材育成における地域健康危機管理体制の効率的基盤整備につながると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200840002B
報告書区分
総合
研究課題名
健康危機管理体制の評価指標、効果の評価および人材育成に係るe-ラーニングプログラムの開発評価に関する研究
課題番号
H18-健危・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
橘 とも子(国立保健医療科学院 研究情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 水嶋春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
  • 緒方裕光(国立保健医療科学院研究情報センター)
  • 児玉知子(国立保健医療科学院政策科学部)
  • 郡山一明(財団法人救急振興財団 救急救命九州研修所)
  • 岡本大亮(東京都島しょ保健所八丈出張所)
  • 大原智子(栃木県県北健康福祉センター健康福祉部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域健康危機管理を保健所等の地域保健行政機関が適切かつ妥当に行うために必要な公衆衛生従事者の人材育成をコンピテンシーに基づいて構築するための必要な科学的根拠を明らかにする。
研究方法
①健康危機管理コンピテンシーの職種・職位別習得レベル:Delphi調査第2ラウンドの第1回・第2回郵送質問紙調査。対象は全国の保健所・地方衛生研究所・自治体保健衛生部局の職員(計744か所、計1,899名)。②情報の効果的提供評価に係る基盤的検討。③e-Learning教材開発。
結果と考察
①医師のみ「実践で応用できる」レベルの多い特徴的分布パターンを示したが平常時に必要なコンピテンシーでは職種別差異は殆ど見られなかった。②「新型インフルエンザ発生時保健所BCP(業務継続計画)モデル」および「地図情報システムSDMS(Space Document Management System)」の考え方および内容を学ぶ教材を開発した。③e-ラーニングは出張しなくてよい、研修機会が増える等の利点があり、受講者に対するこれら利点の周知が課題。またe-ラーニングにおける情報の効果的活用には教育の目的に応じて重点を置くべき情報の要素を明確にしておく必要があった。今回明らかになったすべての公衆衛生行政従事者に求められる職種別・職層別の健康危機管理コンピテンシー習得レベルに、公衆衛生実務者・管理者のフォーカスグループによる「他の職種・職位」の視点で妥当性の評価を加えるべきと思われた。開発したe-Learning教材によりどのような健康危機管理コンピテンシーがどの程度習得できるのか今後検証をさらにすすめ、それらを科学的根拠として地方自治体等が地域の実情に応じた地域における健康危機管理従事者の人材育成をコンピテンシーに基づいて行うよう再構築を図ることは、人材育成における地域健康危機管理体制の効率的基盤整備につながると考えられた。
結論
本研究により明らかになった①コンセンサスを得た健康危機管理コンピテンシーの職種・職位別習得レベル、②健康危機管理コンピテンシー習得のために開発したe-Learning教材、③e-ラーニング情報の効果的活用方法、は人材育成における地域健康危機管理体制の効率的基盤整備につながると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-24
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200840002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、地域の健康安全管理を担う公衆衛生従事者に求められる様々な資質(コンピテンシー)のレベルを上げるための研究である。①公衆衛生従事者に求められる健康危機管理コンピテンシーの習得レベルを、対象者のコンセンサス獲得プロセスを経て集約する方法で「職種別・職位別」に明らかにすることに加え、②人材育成に必要な教材を開発し、③効果的なe-learning情報の提供方法の検討についても研究目的としており、健康危機管理コンピテンシーに基づく体系的な人材育成について成果が得られた。
臨床的観点からの成果
本研究成果から地域における健康危機管理の人材育成に係る体制の合意標準を知ることができ、開発された教材より健康危機管理コンピテンシーの要点を知ることができる。
ガイドライン等の開発
特記すべきことなし
その他行政的観点からの成果
健康危機管理コンピテンシーの職種別・職位別習得レベルに関する調査研究成果や、複数開発されているシミュレーションやe-learning教材は、今後保健所等における人材育成に際して参考にすることができる。開発教材は新型インフルエンザ対策やBCPなど対策充実の求められている分野であることから保健所等の人材育成に活用できる。厚生労働省の健康危機管理支援ライブラリーシステム(H-CRISIS)において配信されたe-learning教材成果は、保健所等の職員が既に受講しており行政施策の人材育成に反映された。
その他のインパクト
特記すべきことなし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
8件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
12件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
6件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-11-24
更新日
-