文献情報
文献番号
202126015A
報告書区分
総括
研究課題名
室内空気汚染化学物質の標準試験法の開発・規格化および国際規制状況に関する研究
課題番号
21KD2002
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
酒井 信夫(国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部)
研究分担者(所属機関)
- 神野 透人(名城大学 薬学部 衛生化学研究室)
- 田原 麻衣子(国立医薬品食品衛生研究所)
- 香川 聡子(横浜薬科大学 薬学部 環境科学研究室)
- 田辺 新一(早稲田大学 理工学術院)
- 金 ヒョンテ(山口大学 工学部)
- 伊藤 一秀(九州大学大学院 総合理工学研究院)
- 東 賢一(近畿大学医学部環境医学・行動科学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
42,020,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
室内濃度指針値既設13物質の代替化学物質による室内空気環境汚染が数多く報告されるようになり,厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室を事務局とする「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会(以下,シックハウス検討会)」では,室内濃度指針値指針値の採用を新たに検討すべき化学物質が提案されている。
室内濃度指針値を策定する際には,対象化学物質の詳細な曝露評価を行うために,妥当性の評価・確認された標準試験法を通知(提示)する必要がある。現在,シックハウス検討会が示す室内空気中化学物質の採取方法と測定方法は,2001年に通知(医薬発第828号 平成13年7月25日付 厚生労働省医薬局長通知)された方法であり,サンプリング・分析機器等の技術進展に応じた測定方法のリバイスが必要である。また,シックハウス検討会では,室内空気環境汚染実態調査等の結果に基づいて,室内濃度指針値の採用を新たに検討すべき化学物質が継続的に示されることになっており,これら化学物質の標準試験法についても行政対応していく必要がある。
室内濃度指針値を策定する際には,対象化学物質の詳細な曝露評価を行うために,妥当性の評価・確認された標準試験法を通知(提示)する必要がある。現在,シックハウス検討会が示す室内空気中化学物質の採取方法と測定方法は,2001年に通知(医薬発第828号 平成13年7月25日付 厚生労働省医薬局長通知)された方法であり,サンプリング・分析機器等の技術進展に応じた測定方法のリバイスが必要である。また,シックハウス検討会では,室内空気環境汚染実態調査等の結果に基づいて,室内濃度指針値の採用を新たに検討すべき化学物質が継続的に示されることになっており,これら化学物質の標準試験法についても行政対応していく必要がある。
研究方法
本研究課題では,
① 先行研究(H30-化学-指定-002; 室内空気環境汚染化学物質の標準試験法の策定およびリスク低減化に関する研究:研究代表者 酒井 信夫)を引き継いで,汎用性の高い室内濃度指針値既設・代替化学物質の標準試験法を開発し,多機関バリデーション試験によりそれらの妥当性を検証する。
② ①で開発した標準試験法について,国内および国際規格化を推進する。
③ 室内環境汚染化学物質の曝露濃度評価の為のin silico予測モデルを開発した上で,標準試験法に基づいた化学物質濃度測定結果とin silico予測モデルを併用して経気道曝露濃度ならびに経皮曝露濃度を定量的に予測する技術を確立する。また,諸外国における室内空気汚染化学物質に関する最新の規制状況等を調査する。
① 先行研究(H30-化学-指定-002; 室内空気環境汚染化学物質の標準試験法の策定およびリスク低減化に関する研究:研究代表者 酒井 信夫)を引き継いで,汎用性の高い室内濃度指針値既設・代替化学物質の標準試験法を開発し,多機関バリデーション試験によりそれらの妥当性を検証する。
② ①で開発した標準試験法について,国内および国際規格化を推進する。
③ 室内環境汚染化学物質の曝露濃度評価の為のin silico予測モデルを開発した上で,標準試験法に基づいた化学物質濃度測定結果とin silico予測モデルを併用して経気道曝露濃度ならびに経皮曝露濃度を定量的に予測する技術を確立する。また,諸外国における室内空気汚染化学物質に関する最新の規制状況等を調査する。
結果と考察
既存の室内濃度指針値策定物質の測定法について,策定から長い期間が経過していることから,最新の分析技術を基に汎用性の高い標準試験法を新たに開発し,それらについて国内・国際規格化を推進した。今年度の特筆すべき研究成果としては,昨今の世界的なヘリウムガス供給不足の対応策としてVOCの分析試験法に水素及び窒素が適用できることを明らかにした。また,厚生労働省シックハウス検討会で初期曝露評価を実施した揮発性有機化合物についてハザード情報を集積した。
結論
新型コロナウイルス感染症の蔓延によって新しい生活様式(ステイホーム,巣ごもり,リモートワーク等)が余儀なくされ,全世代にわたって室内滞在時間が延伸しており,これまで以上に室内空気質が重要視されている。標準試験法を用いた室内空気汚染化学物質の曝露評価は,シックハウス検討会の議論を加速化するものであり,室内空気質の向上に係る行政施策を通じてウィズ・ポストコロナにおける国民の安心・安全な生活の実現に大きく寄与できる。
公開日・更新日
公開日
2022-07-13
更新日
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