第VIII,第IX因子製剤のインヒビター発生要因に関する研究

文献情報

文献番号
200838042A
報告書区分
総括
研究課題名
第VIII,第IX因子製剤のインヒビター発生要因に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-028
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
吉岡 章(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 白幡  聡(産業医科大学 医学部)
  • 瀧  正志(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)
  • 日笠  聡(兵庫医科大学)
  • 岡  敏明(医療法人徳洲会病院札幌徳洲会病院)
  • 三間屋純一(静岡県立こども病院)
  • 福武 勝幸(東京医科大学 )
  • 嶋  緑倫(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部)
  • 高松 純樹(名古屋大学医学部附属病院)
  • 種市麻衣子(国立感染症研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
血友病インヒビターの発生要因には患者関連の要因(遺伝子異常、蛋白異常、免疫応答機構、人種など)と補充療法関連の要因(製剤の種類、投与法、治療開始年齢など)とがある。これらを解明すると共に、全国レベルでの前方視的な患者登録システムを構築して、血友病診療の基盤整備を図る。
研究方法
1.第1研究:インヒビター患者の実態ならびにインヒビター発生要因に関する後方視的調査研究を行う(主たる分担研究者 白幡 聡)。
2.第2研究:新規血友病患者のデータベース構築によるコホート研究を行う(瀧 正志)。
3.第3研究:インヒビター検出・診断の標準化に関する研究を行う(福武勝幸)。
4.第4研究:インヒビターの発生要因の分析を調査研究的手法および分子生物学的、凝血学的、免疫学的手法で行う。さらに発生機序の解明に関する研究を凝血学的、免疫学的手法を用いて行う(嶋 緑倫)。
結果と考察
1.第1及び第2研究を実施するため、昨年度作成した研究報告書、説明書と同意書および調査票を用いて全国調査を開始した。次年度は登録数を増やす必要がある。
2.第3研究の第VIII、IX因子インヒビター活性測定法の基礎となる測定機器とAPTT試薬の検討を行い、Tokyo変法の設定を試みた。
3.第4研究の血友病Aの遺伝子解析システムを確立し、実施した。解析センターとして、まず、東京医科大学臨床検査医学講座と奈良県立医科大学小児科を選定した。また、インヒビターの発生機序に関与する免疫学的検討を行い、BAFFの関与を見い出した。
結論
第VIII、IX因子製剤のインヒビター発生要因に関する研究を遂行するために、インヒビター患者の実態の後方視的調査研究(第1研究)と新規血友病患者のデータベース構築によるコホート研究(第2研究)を立ち上げ、その調査を実施した。
インヒビター測定の標準化を目指し、まず、第VIII、XI因子インヒビター活性測定の標準化のための機器と試薬を選定し、Tokyo変法を設定した。
インヒビターの発生要因・機序解明を目指して第VIII因子遺伝子の解析システムを確立し、解析センターを選定した。また、インヒビター発生機序に関する検討を行い、インヒビター患者ではBAFFが高値であることを見い出した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-20
更新日
-