医薬品を巡る環境の変化に対応した日本薬局方の改正のための研究

文献情報

文献番号
200838022A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品を巡る環境の変化に対応した日本薬局方の改正のための研究
課題番号
H19-医薬・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 早川堯夫(近畿大学薬学総合研究所)
  • 小嶋茂雄(医薬品医療機器総合機構)
  • 山口照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 川原信夫(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 阿曽幸男(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 中村 洋(東京理科大学 薬学部)
  • 松田芳久(神戸薬科大学 薬学部)
  • 四方田千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 宮田直樹(名古屋市立大学大学院薬学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本薬局方(JP)に収載されている通則や一般試験法などについて、医薬品を巡る環境の変化および分析法等の科学技術の進歩に応じた検討を行い、今後の改正のための研究を行った。
研究方法
第16改正日本薬局方以降さらに改定が必要と考えられる項目について、主要な関連領域に応じて調査ならびに実験による検証を行った。
結果と考察
1.局方国際調和関連:局方の国際調和にむけての課題、および国際調和作業の進捗状況をまとめた;2.化学合成医薬品関連:システム適合性試験は、試験に用いる分析システムが信頼性のある試験結果を与えることを日常的に確認することが目的であるが、その意義や留意事項をまとめた日局参考情報収載予定の「システム適合性」案を作成した;3.生物薬品関連:バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針に記載すべき内容を検討し、指針案としてまとめた;4.生薬関連:サンシュユの成分含量試験、およびソヨウ成分の確認試験あるいは含量試験を検討した;5.医薬品添加剤関連:医薬品添加剤のFRCの局方記載の意義と記載方法について検討し、FRCの日局への取込に関する基本的な考え方をまとめた;6.理化学試験法関連:高周波誘導結合プラズマ発光分光法(ICP-AES)について、金チオリンゴ酸ナトリウムを例に、生体サンプルからの低濃度Au(III)の選択的捕集・回収条件を明らかにした;7.物性試験法関連:各種結晶性及び高分子添加剤を対象として、水分の吸脱着特性と水分活性値を測定し、吸脱着曲線のヒステリシス(履歴現象)から吸湿性を合理的に評価できることを確認した;8.製剤試験法関連:溶出試験結果へのベッセルのゆがみの影響を検討し、国内流通ベッセルは問題がないことを確認した。またマウント形成の防止にピークベッセルが有用なことを確認した;9.名称関連:JP収載あるいはJP収載予定の生物由来医薬品(生物薬品)の本質(構造)情報の記載内容について調査し、USPおよびEPの記載内容と比較し、問題点を整理した。
結論
日本薬局方の一般試験法(ICP-AES,溶出試験法)、参考情報(システム適合性、粉体の吸湿現象に関する試験)、および共通性の高い各条規格(バイオ後続品、生薬)の改正のための検討を行うとともに、国際調和に向けた課題をまとめた。さらに、医薬品添加物各条へのFRCの取込の方策,生物薬品の本質記載の方針についてまとめた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-01-26
更新日
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