食品衛生法における遺伝子組換え食品等の表示のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200837053A
報告書区分
総括
研究課題名
食品衛生法における遺伝子組換え食品等の表示のあり方に関する研究
課題番号
H20-食品・一般-016
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
手島 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川肇子(慶應義塾大学 商学部)
  • 穐山浩(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、GM表示制度に沿ったGM食品の定量検査法のシステムの確立と検証(バリデーション)に関する研究を行うことを第一の目的に,また、食品衛生法上の遺伝子組換え(GM)食品の表示制度に関しても,表示に関する国際的動向調査、国内のアンケート調査等を行うことにより、国際的ハーモナイゼーションをめざした望ましい食品表示のあり方の提案を行うことを第2の目的とする。
研究方法
GM食品の定量検査法のシステムの確立と検証に関する研究では,安全性審査が終了したGMトウモロコシにおいて、スクリーニング試験用のGMトウモロコシの定量検査法の開発と複数機関の検証を行った。また系統種を判別するための4種のとうもろこしのMultiplex定性PCR法の開発を行った。またスタックGM品種トウモロコシ混入試料におけるスクリーニング後の検査法として、一粒毎の多粒迅速同時測定法の開発を行い、5機関による粒検知法の妥当性確認試験を行った。遺伝子組み換え食品の表示のあり方についての研究では,欧州とアジア各国を中心に文献調査を行うと共に,国内消費者に対しては,アイカメラやアンケートを用いて遺伝子組換え表示の注目度に関する調査を行った.
結果と考察
粒検知法に関しては,配布した90粒中のGM粒の個数の測定において、5機関とも良好な結果が得られ、Multiplex PCRにおける系統判別試験でも良好な結果が得られ,実用可能な方法であることが確認された。遺伝子組み換え食品の表示のあり方についての研究からは,a)各国における表示の閾値の違いのあること、欧州連合(EU)の共存施策の実行に向け各国で取り組みが行われていること,b)アイカメラ等による調査から,購入における決定因子が価格である可能性が高く,遺伝子組換え表示はあまり注視されていないこと,遺伝子組換え食品に対する態度を決める際によく探索される情報として安全性と環境影響が多いことが明らかとなり,多くの有用なデータの集積が行われた。
結論
スタック品種を対象にしたGM食品の定量検査法,並びに表示のあり方に関する調査研究において,有用な研究結果を得ることができた.今後これらデータを食品衛生法に反映させてゆくとともに,国際的ハーモナイゼーションにつとめることも重要な課題であると思われる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-06
更新日
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