化学物質管理における世界戦略へ対応するための法規制等基盤整備に関する調査研究

文献情報

文献番号
200836017A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質管理における世界戦略へ対応するための法規制等基盤整備に関する調査研究
課題番号
H20-労働・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
城内 博(日本大学 理工学部(大学院理工学研究科 医療・福祉工学専攻))
研究分担者(所属機関)
  • 森田 健(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 宮川 宗之(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 健康障害予防研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各国はSAICM(国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ)等世界的な化学物質管理プロジェクトに早急に対応する必要があるが、わが国では特有な法制度の成り立ちから、必ずしもこれを容易に受け入れる事が出来ない状況が思料される。その理由として、法規制上の問題と安全に対する文化の問題が上げられる。本研究では、今後化学物質管理の大きな柱になるであろうSAICMおよびGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の観点から、わが国の法規制(特に労働安全衛生法)上の課題を明らかにし、その改善に向けた提言を行う。また、この目的のために欧米諸国の化学物質管理に関する重要な関連書籍や文書を邦訳するが、これらを公開することで、化学物質管理における重要な考え方や方法を普及させ安全文化構築のための基盤整備を前進させる。
研究方法
本研究は以下の3項目からなる。①SAICMおよび欧米におけるGHS関連法規制の調査および化学物質管理に関連した重要な書籍、文書の邦訳、②SAICMおよび欧米諸国のGHS関連法規制とわが国の労働安全衛生法との比較および法改正等への提言、③基準等の比較検討および改正等に関する提言、邦訳書籍・文書の公開
結果と考察
研究方法における項目番号にしたがった研究成果は以下のとおりである。
①2009年初頭にGHSを導入した欧州CLP(分類・ラベル・包装)規則が施行されたので、これを翻訳した。また、国連危険物輸送勧告、OECDのテストガイドライン(毒性試験)30ファイルの翻訳を行った。②SAICMの世界行動計画とわが国の労働安全衛生法との比較検討を行った。多くの技術的なものに関わる行動項目については労働安全衛生法に該当する条項があり、SAICMの指標についても技術的到達度は高いと思われるが、実際に関連条項で対象としている化学物質は限られているという問題が明らかになった。また、法律に該当条項は無いものの、実質的に進んでいる行動も多くあった。③欧米の規制との比較検討は、対象となる規則の施行の遅れや法規案の未発表ために今年度は実施できなかった。翻訳した文書・書籍はWEB等で公開した。
結論
海外の重要な書籍等の翻訳を進め、公開することができた。
本年度は、SAICMの世界行動計画と労働安全衛生法の関連条項についての比較検討を行った。

公開日・更新日

公開日
2009-06-23
更新日
-