公的医療の立場及び社会の立場からのワクチンの費用対効果の評価研究

文献情報

文献番号
202119010A
報告書区分
総括
研究課題名
公的医療の立場及び社会の立場からのワクチンの費用対効果の評価研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20HA1004
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 美亜(千葉大学医学部附属病院)
  • 五十嵐 中(横浜市立大学 医学群(健康社会医学ユニット))
  • 白岩 健(国立保健医療科学院)
  • 森脇 健介(立命館大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
3,654,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今後国内でコロナワクチンの費用対効果や財政インパクトを推計する際の基礎となるデータを整理することを目指した。また、社会の立場によるワクチンの費用効果分析に関する先行研究をシステマティックに収集し、分析内容を整理し、標準化の必要性と課題について検討を行うとともに、近年のCOVID-19に対するワクチンの医療経済評価を事例として、費用の捕捉範囲と推定方法に関する調査を行うことを目的とした。
研究方法
i)新型コロナウイルス感染症の疾病費用推計 ii)新型コロナウイルス感染症の病態推移 (重症化を含む)iii) コロナワクチンの有効性と、潜在的費用削減効果 について国内のデータを構築するとともに、iv) 接種意思に影響しうる因子の行動経済学的評価も行った。また、「9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」「百日せきワクチン」「おたふくかぜワクチン」「ポリオワクチン」「ロタウィルスワクチン」に係る費用対効果の文献を検索し、先行研究の費用対効果分析の内容を把握した。さらに、COVID-19ワクチンの医療経済評価の事例を収集し、レビューした。
結果と考察
新型コロナウイルス感染症の疾病費用を、医療費と生産性損失で評価した場合、医療費に比して生産性損失が大きかった。また接種意思にワクチンの有効性・安全性・効果持続期間・感染症への恐怖度合いは有意に影響したが、感染者数の影響は見られなかった。国内の感染推移データとワクチン効果のデータについて、状態推移確率と時期別オッズ比のデータが整備された。文献レビューでは、罹患費用には「家族」のみの「欠勤」によって生じる収入減少の生産性損失を含める場合が多い傾向にあった。障害を生じた場合の生産性損失や死亡による生産性損失を含めているものもあった。COVID-19ワクチンの医療経済評価の分析事例12件については、ワクチン接種費用とCOVID-19罹患時の医療費を設定することが多いが、その設定法や粒度には研究間で大きなばらつきが認められた。
結論
コロナワクチンの費用対効果・財政影響などを今後推計する際に必要な、国内のエビデンスが整備された。また、今回のレビューをもとに具体的に必要となるデータや方法を整理し、日本において社会の立場からの分析を行う際の実践的なマニュアルを確立する必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2023-02-14
更新日
2025-09-08

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-02-15
更新日
2025-09-08

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202119010Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,750,000円
(2)補助金確定額
4,750,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,311,348円
人件費・謝金 0円
旅費 12,480円
その他 2,364,200円
間接経費 1,096,000円
合計 4,784,028円

備考

備考
自己資金 34,028円

公開日・更新日

公開日
2025-09-08
更新日
-