ベーチェット病に関する調査研究

文献情報

文献番号
200834021A
報告書区分
総括
研究課題名
ベーチェット病に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石ヶ坪 良明(公立大学法人横浜市立大学 大学院医学研究科 病態免疫制御内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 大野 重昭(北海道大学大学院医学研究科 視覚器病態学分野)
  • 猪子 英俊(東海大学医学部 分子生命学系遺伝部門、分子遺伝学)
  • 小野江 和則(北海道大学遺伝子病制御研究所病態研究部門免疫生物分野)
  • 鈴木 登(聖マリアンナ医科大学免疫・病害動物学)
  • 磯貝 恵美子(北海道医療大学歯学部口腔衛生学)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部内科学)
  • 水木 信久(横浜市立大学大学院医学研究科視覚器病態学)
  • 小熊 惠二(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病原細菌学)
  • 太田 正穂(信州大学医学部法医学教室)
  • 広畑 俊成(北里大学医学部 膠原病・感染内科学)
  • 黒沢 美智子(順天堂大学医学部衛生学教室)
  • 内藤 真理子(名古屋大学大学院医学系研究科予防医学)
  • 新見 正則(帝京大学医学部外科)
  • 蕪城 俊克(東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学)
  • 岳野 光洋(横浜市立大学大学院医学研究科病態免疫制御内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の長年の研究成果を踏まえて、BDの病因・病態を解析し、新しい治療法の開発に取り組むとともに、疫学調査、QOL調査などの結果を踏まえ、臨床現場での実態を解析し、診療指針を確立することを目的とする。

研究方法
腸管型の診療ガイドラインの作成に加え、症例が希少なため治療法も確立していない神経型、血管型BDについても診療ガイドラインの作成に取りくみ、眼病変をはじめとした主病変に対する診療指針についてもこれまでの知見を整理しBD患者およびその診療にかかわる医師に、本研究班としての診療指針を示し、国全体としての診療レベルの向上に貢献する。その実現のため、当該年度を通じて以下のプロジェクトに重点を置く。
1. 疾患感受性遺伝子(発症内因子)に関する検討
2. 外因、病態解析の研究成果の治療応用
3. 疫学調査とQOLに関する検討
4. BDの特殊病型の診断・治療に関するガイドライン作成の検討
5. ホームページを通じた情報の公開と収集
結果と考察
1.マイクロサテライトを用いたゲノムワイドの解析結果をもとに、疾患感受性候補遺伝子TRIM、ROBO1などについての解析が開始された。また、日本人BD患者で明らかにされた感受性遺伝子、TLR4遺伝子について韓国人を対象にした結果などをもとに、今後、他人種との比較検討について国際共同研究として進める予定である。国際共同研究により、比較検討を行うことで、真のBDの責任遺伝子の同定や人種による病型の差の解明につながることが期待される。
2.以前より指摘されている口腔内細菌の病態への関与について、患者口腔内より分離されたStreptococcus Sanguinis様菌よりHistidine-containing phosphocarrier protein (HPr)が単離された。今後、BDとの関与についてさらに検討する。Th17細胞がBDの病態に関与している可能性が示され、BDの自己免疫疾患としての側面についても検討を継続する。
3.疫学・統計による解析に関しては、情報交換を行いながら臨床個人票をもとに解析中である。
4.エビデンスレベルの高い文献が十分とは言えないことから、日本での臨床実態把握を並行して行った。また、その一助となるよう現在の臨床個人調査票改定案を提案した。
5.本研究班による情報発信源として、ホームページを開設したが、患者および医療関係者からの利用が期待できる。
結論
重点プロジェクトについて研究を継続する。

公開日・更新日

公開日
2009-04-27
更新日
-