地域住民を対象とした生活習慣病予防等健康づくりの推進のための栄養・運動・休養複合型プログラム(対面・オンラインハイブリット型)の開発に向けた基盤研究

文献情報

文献番号
202109043A
報告書区分
総括
研究課題名
地域住民を対象とした生活習慣病予防等健康づくりの推進のための栄養・運動・休養複合型プログラム(対面・オンラインハイブリット型)の開発に向けた基盤研究
課題番号
21FA1006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
山田 宏(和歌山県立医科大学 医学部整形外科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 橋爪 洋(和歌山県立医科大学 医学部)
  • 松平 浩(東京大学 医学部附属病院22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
  • 大塚 礼(国立研究開発法人国立長寿医療研究センターNILS-LSA活用研究室)
  • 木下 かほり(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター フレイル研究部)
  • 岡 敬之(東京大学 医学部附属病院 22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座)
  • 陣内 裕成(日本医科大学 衛生学公衆衛生学)
  • 吉村 典子(東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター ロコモ予防学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
11,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康寿命の延伸に向けては身体機能の維持・向上が重要であり、個人が積極的に健康度を高める努力が求められているものの、従来の取組に関しては様々な手法が乱立するとともに、健康日本21(第二次)の目標としても取り上げられ重要な要素である栄養(適切な量と質の食事)・運動(日常における歩数の増加と運動習慣の獲得)・休養(適切な睡眠と労働時間)の三要素に関して、各要素を単独で対策することが多い状況にあった。これら三要素を適切に組み合わせた複合型の取組が有効と考えられるが、単独型の取組に比べて参加・継続のハードルが高くなる可能性があり、そうした難点をできるだけ解消するための検討が必要である。本研究の目的は種々のステークホルダー参加・継続しやすい栄養・運動・休養複合型プログラムを作成することである。
研究方法
1. 複合型プログラム導入のための実態調査と評価システムの標準化
高齢者等に特化したものではなく、幅広い年代の成人が活用できるような複合型プログラムとするために、若年層(20代)からの地域住民を対象としたコホートのデータを利用して、個人の身体状況の評価・目標の参照値を設定する。具体的には、2005年に開始されたROAD(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability Study)コホート(自治体:和歌山県太地町・日高川町)と和歌山県かつらぎ町コホートのデータを利用する。このコホートでは、特定検診の項目を網羅する問診・身体計測・血液生化学検査に加えて健康関連QOL・身体能力テスト・栄養関連の問診(BDHQ)・整形外科専門医による身体診察など多岐に渡る検査を実施している。幅広い成人を対象とした場合、その病院/健康診断(勤務先定期健診、特定健診、後期高齢者医療健診)の受診状況は多様であることが予想されるが、複合型プログラム利用者が持つ受診済みデータも有効に利用可能となるスマートフォンアプリケーション:スマホアプリ(既存データ参照)を人工知能解析を用いて開発する.

2. 文献検索と複合型プログラムの開発
 地域住民を対象とした栄養・運動を軸とした複合型プログラムに関する国内外の報告(観察研究、clinical trial、 meta-analysis、systematic review等)を対象としたレビューを行い、優良事例と効果に関して各論文の質評価、限界等を含んだ資料を作成する。レビュー結果等を基として、各分野で多くの実績を持つ研究者と中心となり地域住民にとって参加・継続しやすい複合型プログラム原案を作成する
結果と考察
1. 複合型プログラム導入のための実態調査と評価システムの標準化
16企業と3自治体の職員に個人が重視する健康観に関する実態調査を行った結果 1)病気がない、2)美味しく飲食できる、3)身体が丈夫、4)ぐっすり眠れる、5)仕事のパフォーマンス維持、の5項目が重点課題として抽出された。プログラムの効果判定には、異なる健康観を同一の体系で評価するための指標が必要となるため、コホートデータベースのAI分析により、種々の健康観に影響を与える主要な指標を明らかした(生活に関する満足度、食生活、運動強度、BMIの4つ)。これらの定量/経時的評価+栄養指導にも利用できる評価システムβ版(簡易運動機能測定スマホアプリも含む)が完成した。

2. 文献検索と複合型プログラムの開発
国内外の報告のレビューを行い、プログラム内容は講義や実習だけでなく、チェックリストによりセルフモニタリングを行っていること、社会参加の要素を入れることによりアドヒラランスや介入後の継続を企図していることを明らかにした。炭水化物摂取量のコントロールで睡眠の質が改善されることが示唆されるため、評価システムは、主食の量がコントロールできる仕様とした。
文献レビューを参考に研究者間で協議を行い、プログラム(案)を作成した。紙媒体は電子版を使用できない場合や研究に興味を持ってもらうためのエントリーコースとして位置づけ、リーフレットを提供する。20代から10歳毎の年齢層、性別、運動強度に応じた多様なリーフレットが完成しており、配布用にフォーマット調整を行うのみである。
電子媒体はベーシックコースとして位置づけ、クラウド運用に向けて整備を進めている。アプリケーションの内容と内部構造は完成しており、整理した課題に対応した5つのコースを設定した。
結論
複合型プログラム案が完成し、次年度でステークホルダーにおける検証を予定している。

公開日・更新日

公開日
2022-11-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-11-15
更新日
2022-12-14

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202109043Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,210,000円
(2)補助金確定額
15,210,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,081,836円
人件費・謝金 966,943円
旅費 92,570円
その他 4,558,840円
間接経費 3,510,000円
合計 15,210,189円

備考

備考
自己資金:189円

公開日・更新日

公開日
2022-12-01
更新日
-