新しい生活様式における適切な健診実施と受診に向けた研究

文献情報

文献番号
202109042A
報告書区分
総括
研究課題名
新しい生活様式における適切な健診実施と受診に向けた研究
課題番号
21FA1005
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
杉森 裕樹(大東文化大学 スポーツ・健康科学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 塩見 美抄(京都大学 大学院医学研究科)
  • 髙谷 典秀(医療法人社団同友会)
  • 立道 昌幸(東海大学医学部)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科)
  • 原 聖吾(MICIN)
  • 平尾 磨樹(東京都済生会中央病院 血液内科)
  • 福田 洋(順天堂大学 先端予防医学・健康情報学講座)
  • 武藤 繁貴(聖隷福祉事業団 聖隷健康診断センター 医務部)
  • 村上 正巳(群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
7,290,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、健康増進法に基づく健康診査において、特に課題として挙げられているオンライン診療・指先検診を含めた『新しい生活様式』に対応した健診項目・健診のあり方に関するエビデンスを収集・構築し、その実行可能性のある方策を提言することである。本研究により、エビデンスに基づくオンライン健診・保健指導の「ベストプラクティス」が提言され、多領域のステークホルダーが複眼的視点で検討する「新しい生活様式に対応した健診実施方法」を整備するための基盤の萌芽となる可能性が期待される。本研究は、3年計画で『新しい生活様式における適切な健診実施と受診のあり方』をテーマに、オンライン化等の新しい健診方法の可能性について検討し提言することを目指すものである。
研究方法
<コロナ禍における「健診受診控え」の要因と影響の分析>
1-1施設健診受診者を対象とした受診控えの実態調査をした。1−2 ㈱マクロミルのリサーチモニタ(登録者数120万人)から、20~69歳の男女4000名程度を対象パネルとして、受診控えの実態調査行った。受診控えの有無による、生活習慣、健診結果、健康関連QOL(SF36、EQ-5D-5L)、主観的自己統制感(HLCS、堀毛 1991))、ヘルスリテラシー等の関連要因を検討した。1−3特定健康診査受診控えによる影響調査では、2019〜2021年度の「連続受診者」と「2019年度受診控え者」の「検査値」および「生活習慣」の変動の比較検討を行った。
<オンライン健診・保健指導等に係る調査と分析>
2−1 1-2と同じパネルでオンライン健診・保健指導(特定健診・保健指導を中心)の意識調査をした。2−2オンライン健診の実現可能なフロー(ベストプラクティス)の検討を行った。2−3「指先微量血液検査(郵送健診)」に係るエビデンスの収集(文献検索)を行った。2−4オンライン「診療」と共通するオンライン「健診」の連携や課題点の整理を行った。
結果と考察
1−1受診控え群の特徴として、職業別では公務員、会社員の受診率は高く、専業主婦層で受診控えが認められた。受診控え群の方が、年収が低い、18歳未満の子持ちである、都市居住、生活改善意欲が低い、主観的健康統制感(HLCS、堀毛 1991)では自分自身への信念が強い、神仏への信念が強い、全体的健康感が低いなどの結果を認めた。
1−2オンライン健診の位置づけとしては、「オンライン健診は、あらゆる場面で施設健診に代替できるものではなく、施設健診に対して様々な理由から抵抗があり、受診機会を逸している人に対して、少しでも機会を増やすことを目的とすべきである」と合意形成を得ることが出来た。
2−3「受診控え群」は「連続受診群」と比べ、悪化した検査項目は、女性ではHbA1cで有意に上昇幅(差分)が大きかった(p<0.001)。また、男性ではγGTが上昇する傾向が認められた(p=0.051)。一方、生活習慣の変動では、「連続受診群」で飲酒頻度、飲酒量が有意に減少したが、「受診控え群」では有意な変化は無かった。
結論
来年度は、以上の複眼的な調査結果を踏まえて、健診受診率の向上や適切な健診実施手法に資する提言を整理(中間提言)する予定である。

公開日・更新日

公開日
2022-10-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-10-27
更新日
2022-11-24

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202109042Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,100,000円
(2)補助金確定額
8,055,000円
差引額 [(1)-(2)]
45,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,091,833円
人件費・謝金 307,460円
旅費 0円
その他 4,846,028円
間接経費 810,000円
合計 8,055,321円

備考

備考
自己資金: 321円

公開日・更新日

公開日
2022-11-24
更新日
-