最新研究のレビューに基づく「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「身体活動指針(アクティブガイド)」改定案と新たな基準及び指針案の作成

文献情報

文献番号
202109022A
報告書区分
総括
研究課題名
最新研究のレビューに基づく「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「身体活動指針(アクティブガイド)」改定案と新たな基準及び指針案の作成
課題番号
20FA1006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 亨(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 宮地 元彦(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 岡 浩一朗(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 丸藤 祐子(駿河台大学 スポーツ科学部)
  • 井上 茂(東京医科大学公衆衛生学分野)
  • 小熊 祐子(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
  • 中田 由夫(筑波大学 体育系)
  • 桑原 恵介(帝京大学 大学院公衆衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
8,220,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体活動の奨励は国民健康づくり対策における主要な柱の一つであり、これまで、身体活動奨励の方向性や目標を明確にするための基準や指針が策定されてきた。2023年度からスタートする次期国民健康づくり対策をEBPM(根拠に基づく政策立案)として推進するためには、これまで同様に基準や指針を最新のエビデンスに基づいて改定することが必要である。さらに、前回の改定時にエビデンスが不十分で基準や指針の作成が困難と判断された、「こどもの身体活動基準」、「高齢者の運動基準」、「座った時間の上限値」、「全身持久力以外の体力基準」を、最新のエビデンスを基にして策定することも重要な課題である。そこで本研究は、最新のエビデンスをレビューし、身体活動基準2013及び身体活動指針(アクティブガイド)の改定案や、新たな基準値や指針案を提案することを目的に実施する。
研究方法
1)アクティブガイドの認知度調査として7,000人を対象にインターネット調査を行う。
2)各課題に関する文献レビューを行う。
3)関連学会において基準や指針案に関する専門家と意見交換を行う。
4)文献連ビュー結果および専門家との意見交換を踏まえて身体活動基準2013及び身体活動指針(アクティブガイド)の改定案や、新たな基準値や指針案を作成するとともに、普及啓発を目的としたシートを作成する。
結果と考察
それぞれの対象者や課題に関して、新たな基準値や指針案を踏まえて下記のシートを完成させた。
a. アクティブガイド(健康づくりのための身体活動・座位行動指針Ver. 4)
・健康づくりのためのアクティブガイド(案)
・子ども・青少年のためのアクティブガイド(案)
・働く人のためのアクティブガイド(案)
・高齢者のためのアクティブガイド(案)
・慢性疾患を有する人のためのアクティブガイド(案)
b. ファクトシート(健康づくりのための身体活動・座位行動基準)
・成人版ファクトシート(案)
・子ども・青少年版ファクトシート(案)
・働く人版ファクトシート(案)
・高齢者版ファクトシート(案)
・慢性疾患を有する人版ファクトシート(案)
c. インフォメーションシート(健康づくりのための身体活動・座位行動に関する関連情報)
・ガイドライン認知と身体活動(案)
・身体活動による疾病等の発症予防・改善のメカニズム(案)
・身体活動支援環境に関するインフォメーション・シート(案)
・こころの健康のための身体活動(案)
・健康づくりのための筋トレ(案)
・働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント(案)
・慢性疾患を有する人が身体活動・運動を安全に行うためのポイント(案)
結論
本研究によって作成された身体活動と座位行動の基準(案)が、厚生労働省の身体活動基準・身体活動指針の改訂に関する検討会において審議・修正された後に、厚生労働省の身体活動推進に関するホームページに掲載されるとともに、自治体に周知されることが望まれる。そして、各自治体における健康施策立案の科学的根拠(エビデンス)として利用されるとともに、次期国民健康づく運動の推進における新たに設定された身体活動・運動分野の健康目標達成のためのツールとして国民や健康づくり運動のステークフォルダーに広く活用されることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2022-09-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-09-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202109022B
報告書区分
総合
研究課題名
最新研究のレビューに基づく「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「身体活動指針(アクティブガイド)」改定案と新たな基準及び指針案の作成
課題番号
20FA1006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 亨(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 宮地 元彦(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 岡 浩一朗(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 丸藤 祐子(駿河台大学 スポーツ科学部)
  • 井上 茂(東京医科大学公衆衛生学分野)
  • 小熊 祐子(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
  • 中田 由夫(筑波大学 体育系)
  • 桑原 恵介(帝京大学 大学院公衆衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体活動の奨励は国民健康づくり対策における主要な柱の一つであり、これまで、身体活動奨励の方向性や目標を明確にするための基準や指針が策定されてきた。2023年度からスタートする次期国民健康づくり対策をEBPM(根拠に基づく政策立案)として推進するためには、これまで同様に基準や指針を最新のエビデンスに基づいて改定することが必要である。さらに、前回の改定時にエビデンスが不十分で基準や指針の作成が困難と判断された、「こどもの身体活動基準」、「高齢者の運動基準」、「座った時間の上限値」、「全身持久力以外の体力基準」を、最新のエビデンスを基にして策定することも重要な課題である。そこで本研究は、最新のエビデンスをレビューし、身体活動基準2013及び身体活動指針(アクティブガイド)の改定案や、新たな基準値や指針案を提案することを目的に実施する。
研究方法
1)アクティブガイドの認知度調査として7,000人を対象にインターネット調査を行う。
2)各課題に関する文献レビューを行う。
3)関連学会において基準や指針案に関する専門家と意見交換を行う。
4)文献連ビュー結果および専門家との意見交換を踏まえて身体活動基準2013及び身体活動指針(アクティブガイド)の改定案や、新たな基準値や指針案を作成するとともに、普及啓発を目的としたシートを作成する。
結果と考察
それぞれの対象者や課題に関して、新たな基準値や指針案を踏まえて下記のシートを完成させた。
a. アクティブガイド(健康づくりのための身体活動・座位行動指針Ver. 4)
・健康づくりのためのアクティブガイド(案)
・子ども・青少年のためのアクティブガイド(案)
・働く人のためのアクティブガイド(案)
・高齢者のためのアクティブガイド(案)
・慢性疾患を有する人のためのアクティブガイド(案)
b. ファクトシート(健康づくりのための身体活動・座位行動基準)
・成人版ファクトシート(案)
・子ども・青少年版ファクトシート(案)
・働く人版ファクトシート(案)
・高齢者版ファクトシート(案)
・慢性疾患を有する人版ファクトシート(案)
c. インフォメーションシート(健康づくりのための身体活動・座位行動に関する関連情報)
・ガイドライン認知と身体活動(案)
・身体活動による疾病等の発症予防・改善のメカニズム(案)
・身体活動支援環境に関するインフォメーション・シート(案)
・こころの健康のための身体活動(案)
・健康づくりのための筋トレ(案)
・働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント(案)
・慢性疾患を有する人が身体活動・運動を安全に行うためのポイント(案)
結論
自治体における健康施策立案の科学的根拠(エビデンス)として利用されるとともに、次期国民健康づく運動の推進における新たに設定された身体活動・運動分野の健康目標達成のためのツールとして国民や健康づくり運動のステークフォルダーに広く活用されることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2022-09-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2022-09-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202109022C

成果

専門的・学術的観点からの成果
(1)研究成果
身体活動・運動分野の最新のレビュー結果を報告するとともに、現時点の研究課題を掲載しており、身体活動と健康の関係を調査している研究者に最新情報と研究課題を提供する研究となっている。
(2)研究成果の学術的・国際的・社会的意義
2022年に国際身体活動健康学会(ISPAH)で本基準案や指針案を紹介した。2024年のISPAHでは「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」や、作成中の指針案を紹介するとともに国際誌で紹介し、他国のガイドライン作成や更新のエビデンスとして利用される。
臨床的観点からの成果
(1)研究成果
本研究で作成した基準案や指針案がベースとなって「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が作成され、2024年1月に公開された。
(2)研究成果の臨床的・国際的・社会的意義
本研究によって作成された基準案や指針案がベースとなった「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が、国内外で紹介されることによって人々の健康寿命の延伸に貢献する。
ガイドライン等の開発
本研究で作成した基準案や指針案がベースとなって「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が作成され、2024年1月に公開された。
その他行政的観点からの成果
本研究で作成した基準案や指針案がベースとなった「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は健康日本21(第三次)における身体活動・運動分野の取組を推進するためのツールとして、健康増進部門やまちづくり部門等の行政立案者をはじめ、健康づくりに関わる専門家や健康・医療・介護分野における身体活動を支援する関係者等に活用される。
その他のインパクト
2024年5月22日現在、本研究で作成した基準案や指針案や「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を学会で紹介した回数(予定を含む):42回、インターネットメディアに取り上げられた回数:54回、雑誌への掲載:31回、研修会での説明:10回、メディアからの取材:6回となっており、広く社会にインパクトを与えている。

発表件数

原著論文(和文)
15件
原著論文(英文等)
29件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
50件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Momma, Haruki Kawakami, Ryoko Honda, et al.
Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies.
British Journal of Sports Medicine , 56 (1) , 755-763  (2022)
http:// dx. doi. org/ 10. 1136/ bjsports- 2021105061
原著論文2
Fukushima N, Kikuchi H, Sato H, et al.
Dose-Response Relationship of Physical Activity with All- Cause Mortality among Older Adults: An Umbrella Review.
J Am Med Dir Assoc , 25 (3) , 417-430  (2024)
10.1016/j.jamda.2023.09.028.
原著論文3
Kuwahara K, Sawada SS, Noma H, et al.
Commuter Cycling and Risk of Type 2 Diabetes: A Cohort Study in Japan.
Diabetes Care , 45 (12) , e179-e180  (2022)
10.2337/dc22-1267

公開日・更新日

公開日
2022-11-16
更新日
2024-06-03

収支報告書

文献番号
202109022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,930,000円
(2)補助金確定額
9,930,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 557,244円
人件費・謝金 840,322円
旅費 101,880円
その他 6,721,706円
間接経費 1,710,000円
合計 9,931,152円

備考

備考
1,152円は自己資金

公開日・更新日

公開日
2022-11-30
更新日
-